第45話 入学式
今日は、学院の入学式である。
王国が本気で作った教育機関ということもあり、国中からの注目はものすごい
入学してきた生徒数は423人。少ないように感じるかもしれないが、この国の人口や、その他もろもろの状況を考えると、相当多く入ってきたことになるだろう。
これからこの423人は学院の寮に入り、学んでいくことになる。この国の未来のために、私たちも気を抜かずに頑張っていく。
新入生のみんなが続々と校門をくぐり、講堂へと入ってきている。
私は、講堂の入り口付近で、この世界に来る時に着ていた、思い出の学生服を身にまとって立っていた。
(いや~、なんか自分の高校の入学式を思い出してむず痒いなこれ。)
全員ガチガチに固まって歩いている。
やはり緊張するだろう。なにせこの学校の一期生として入学するのだし、入学式にはこの国の貴族のほとんどが出席、国王まで来るのだから。
ちなみに、入り口に立っているのだが、私が国王だと気が付く生徒は1人もいなかった。
そりゃそうだよね。だって私まだ17才だもの。しかも16で成長止まってるし、身長とかも低いし。
「ちょっと君!指定の制服はどうしたの?」
ぼーっと立っていたら、学院の先生が私に声をかけてきた。
(あ、これ生徒だと勘違いされてるな。)
「あの、私生徒じゃないです。」
「こら!嘘はつかないの!貸出用の服を貸してあげるから、ちょっとこっちに来なさい!」
「だから、私は……!」
「ほら!早くしないと入学式始まっちゃう!」
そういうと、先生は私の腕を引っ張っていった。
(なんか、この世界に来た時のことを思い出す……。)
「ほら!これを着て!」
私が連れてこられたのは、学院の講堂から少し離れた先生の更衣室だ。
「えっと、私生徒じゃないんですよ!」
「まだそんなこと言ってるの?」
「だから!ほんとに生徒じゃないの!!」
「じゃあなんでここにいるのよ?」
「私国王だから!!」
あ、まずい。
「へ?」
そういうと、先生のお姉さんは私のことをじっくりと観察し出した。
「黒い髪、低い身長、小さな胸……」
あー、こいつ解雇しようかな。
「へ、陛下!失礼いたしました!!!」
「はぁ……、確かに私小さいからね。まあ、生徒の話はしっかり聞いてあげてね。」
「はい。失礼いたしました。」
ていうかさ、私の判断基準小さな胸ってどういうことなの?
もっと別にないわけ?おかしいでしょ。
確かにないけどさ、確かにないけどさ、確かにないけどさ!!別にいいじゃん!
(チナリ、落ち着きな。いくら胸を欲したって仕方ないよ。フッ……)
「うるせえ!黙っとけ!」
「ひっ!」
「ああ!違うの違うの!!あなたに言ったんじゃない!ほら、先生は戻った戻った!」
「は、はい!失礼致します!」
もう最悪。絶対変な奴だと思われた。
この神様どうにかしてくれマジで。
「では、これにて入学式を終了いたします。生徒の皆様は担任の先生に続いて教室へと向かってください。」
入学式が終了した。
挨拶するかもしれないから一応原稿準備していたのだけれど、どうやらその原稿は必要なかったらしい。
王様は王様らしくどっしり座ってろって言われたよ。フィネメイゼに。
そんなフィネメイゼはちゃっかり来賓代表のあいさつしていたよ。とにかく私を誉めまくる文章で恥ずかしかった。でも、しっかり入学式らしいことも言ってたよ。
入学式の感想だけど、新入生の視線がとにかくすごかった。
みんなチラッチラッ、チラッチラッこっち見てくるわけよ。特に学院長の話の時。いや、学院長のありがたいお言葉しっかり聞いとけよ。気持ちはわかるけどね。
ちなみに、話は長かったです。マジで長かった。




