第44話 学院について
学院の建設開始から9か月が経過した。
季節は春である。
学院は3年制だ。学院校舎の完成まではあと3ヶ月ほどかかる見通しなのだが、1年生が入学できるほどの設備はすでに整えている。
今年はまだ1年生しか入れないため、すべてを準備する必要はないのだ。
3年生すべての生徒が入るのはこれから2年後になるだろう。
学院への入学は極めて簡単だ。
学校で習う範囲の総まとめのテストを受けさせて、学力をチェックする。
あまりにも点数が低すぎたら入学はさすがに認めないが、ある程度点数が取れれば入学できる。
普通コース、選抜コース、特選コースの3つに分かれていて、入学試験の点数で割り振られる。また、入学試験で上位だったものには特待生待遇として学費の免除を行う。
しかし、特待生待遇を受けたものは、卒業後最低5年はニシゾノ王国内で働かないといけないという決まりだ。優秀な人材を他国へ流出するわけにはいかないからだ。
原則学院への入学が認められるのは、ニシゾノ王国に住んでいる者のみ。もしかしたらいずれ変更があるかもしれないのだが、ひとまずはこのままでいくだろう。
学院で習うのは、国数社理と実技だ。
1年生のうちは武術基礎、剣術基礎、魔法基礎を行い、2年生以降はこの3つのうちどれかを探求として行う。
例えば、この3つの中で剣術が最も自分に合っていると感じたら、剣術探求を選んで、その教科を重点的に学ぶ。武術、魔法学は一切行わない。
ここまでの国数社理と基礎、探求が必修科目だ。
そのほかに、受けたいのであれば経営学や薬学、農学に政治経済学など、ほかにもさまざまあるのだが、自由選択として受講することもできる。
これに関しては大学のようなものだと思ってもらってもいい。
実際、3年間が終わった後も、希望すればさらに最大4年間学ぶことができる。
これに関しては自由選択と武術、剣術、魔法学を受けれて国数社理は受けれない。
大学と思ってもらって構わない。
学院の先生は、その分野に詳しい人を国中からかき集めた。
しかし、数がとにかく少ない。
もともと、この世界では学問というものがあまり発達していない。学問は貴族が受けるものだという認識が、しみついているのだ。たしかに、ほかの国にも学校は存在する。しかし、大体が貴族が通う学校で、爵位を持っていない国民は通うことすら許されない。
それでは学問など発展しないだろう。
農学や戦闘系の分野に関しては割とすぐ集まるのだが、集まらない分野は本当に集まらない。
そのため、私やまだ8歳ではあるが、レイナをはじめとするこの国の貴族たちが直接指導を行う場合もある。
現状、何をどのように担当するかは決まっていないのだが。人が足りないところにそれぞれ入っていくという感じだろう。
とはいっても、必修の科目に関してはしっかりと教師を集めたので、私たちが担当するのは自由選択の科目だ。
次回も学院続きます。




