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第36話 春の訪れ

 5か月も続いた長い冬が明け、ようやくこの国にも春がやって来た。

 一面を白く染め上げていた雪たちは、いつの間にかその姿を消し、周囲にはあたたかでやさしい緑が広がっている。

 鳥たちは美しい声で鳴き、町は冬の間に家で作った商品を売るマーケットが開催されている。




「軍備を増強しようと思う。」


 この冬、私たちの国の領土は一気に3倍に増えた。

 この国はもともとレイピア王国、オースガーン王国、ヘリティア王国、そしてフィヨルナンド王国の4国に囲まれていた。

 しかし、フィヨルナンド王国は消滅し、その領土はすべてここニシゾノ王国へと組み込まれた。

 それにより、もともとフィヨルナンド王国が面していたケルスレイド帝国、シュメール共和国と新たに国境を面することとなった。

 シュメール共和国は今のところは何もないのだが、ケルスレイド帝国の方からはお怒りの文書が届いている。


 最悪戦争になる可能性も考えて軍備を増強するのだ。




 まず、今まで『ニシゾノ王国軍』としていたものは、こちらの世界に合わせて『ニシゾノ王国騎士団』へと名前を変えた。

 もともと軍のトップは騎士団長だったので、おかしい部分があったのだ。これでおかしくなくなった。


 そして、元フィヨルナンド王国騎士団に所属していた人たちは、全員ニシゾノ王国へそのまま所属するということになった。

 待遇はフィヨルナンド王国よりもいいはずなので、どうやら不満はないらしい。もともとフィヨルナンド王国に忠誠を誓ってる人はほとんどいなかったようだ。


 また、新たに騎士団に所属する人も募集を開始した。この所属先はニシゾノ王国だけではなく、アルキメデス侯爵家や、サートゥルヌス伯爵家などの貴族家になる場合もある。

 それぞれの領地で騎士団を作ることで領内の治安や、何か有事があった際に手伝ってもらうのだ。それに、各領地に騎士団があれば有事の際の対応が早くなる。

 ちなみに所属先はランダムだ。


 募集人数は4000人だったのだが、応募してきた人は3万人を超えた。

 その中から4217人を採用し、王国に1072人所属、それ以外を貴族家に分配した。ひとまず戦力は大丈夫だろう。




 貴族たちはそれぞれ部下たちを雇ったらしく、領地の運営は基本的にその部下たちに任せているらしい。しかし、部下たちが勝手にやったら大変なのでしっかり管理をするようにとは伝えてある。

 定期的に王宮の方から領地の調査に向かうことになっていて、不正等があったらその時にばれる。以前の件を踏まえ、審査官が買収されないよう、8歳になったレイナが同行する。

 レイナはまだ年相応のかわいらしい面もあるのだが、仕事となると真面目で非常に頼りになる。戦いの腕もみるみる上げ、多分騎士団長より強いと思う。うちの子最強!!




 8か月ほど前に始まった学院の建設は順調に進んでおり、もう建物自体はある程度完成している。あとは中の設備などを整えていくのだ。

 すでに教員の募集もしており、王宮の方で指導を行っている。


 実は、私がこの世界に来てからそろそろ1年だ。

 結構この世界にも慣れてきたのだが、少し気がかりなことがあったりする。


「ねえ神、私身長とか体重とかに一切の変化がないんだけど。それに胸も、胸も!!」

「え?確かに変化してないかも。ちょっと待ってね~。」


 そういうと神様は何かを調べ出した。

 しばらくして、まあ何となく予想はついていたのだが、こんな返事が返って来た。


「うーん、チナリの体成長しないみたい。」

「はぁ、やっぱりか……。」

「どうやら神域に来た時に体の構成組織が一部置き換わったみたいで、半神様みたいな状態になってるね。」

「あのさ、胸とか大きくできないの?」

「無理だよ。諦めて。」


 その日からしばらく、国王陛下の機嫌が極めて悪いという噂が王都で密かに広まった。

 実際それは真実だったようで、何とかしてくれと周りの人たちに頼み込まれたレイナが本気で甘えたらあっという間に機嫌が直ったみたいだ。




「体重とか増えないし、病気にもかからないから別にいいじゃん。」

「そういう問題じゃないから!!!」

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