第26話 学校
このお金に関する授業を行ったことで、この国の教育レベルの低さが分かって来た。お金について学ぶ上で、多少の計算だったり、社会道徳の簡単な知識は必要になる。しかし、それすらも持ち合わせていない人が多くいたのだ。
とくに、農村や、辺境の町に住んでいる人たちにその傾向が多く見られた。
これは一刻も早くちゃんとした学校を整備しないといけないかもしれない。
この国王という職についてみて、初めて私は学校教育の重要性に気が付いた。私も「この教科とか絶対大人になって使わないだろう。」とか言っていた。ていうか実際使っていないことのほうが今も多い。
しかし、使わないと思っていた教科を意外なところで実際に使うことがあるのだ。それは就く職によって異なるだろうが。
学校で習ったことすべてを覚える必要はない。しかし、言われて「そういえばそうだった!」と思い出せるほどの知識があると、会議などの話し合いが円滑に進む。そして、急な事態にもスムーズに対応ができるのだ。
それは仕事の効率を考えると極めて大事なことだ。
まあそんな話は置いておいて、今はこの国に作る学校の話にしよう。
少なくとも、今のこの国の状態で必要なのは国語と算数だろう。まず識字率が低い。文字が読めないとよくわからない契約を勝手にさせられる可能性があるし、生活していく上での不便も非常に多いだろう。
そして算数である。お金の計算など、簡単なものでいいのである程度の計算はできたほうがいい。数学とまではいかなくても算数はやっておいた方がいいだろう。
お金の計算ができないと、おつりの額が正しいかとかがしっかり判別できないから詐欺られちゃう可能性がある。やはりそのような犯罪は阻止していきたい。
学校の対象年齢は6歳から12歳。しかし、私としてはあまりよろしくないと思うが、農村の人たちにとっては子供も重要な労働力なわけだ。そのため、長時間の拘束はできれば避けたい。
基本的には全員週2回月曜日と水曜日に午前中だけ学校に通わせることにした。12時に授業を終えて給食を食べさせてから下校させる。もちろん料金は無料である。将来を担う子供たちの教育にお金を渋るわけにはいかない。
もっとしっかりと教育を受けたい場合には、王都にちゃんとした学校を作るのでそちらに入学してもらう形にする。こちらは13歳から15歳が対象で、王都に住んでいる人も全員寮に入ってもらうことにして、週5日午後3時までの授業とする。放課後は自由に外に出ても構わない。まあ日本でいう中学校みたいな感じだと思ってほしい。
教育内容は国数社理というよくある4教科、そして実技の授業も加える。武器クラスと魔法クラスに分ける予定だ。そのほかにも開校までに増やす予定で入るが現状はそんな感じ。
こちらの方はそこまで高くはないがお金を取らせていただく。しっかりとした寮や大きな校舎、先生などを雇わないといけないので出費がかさむのだ。許してほしい。
無料である程度の教育を受けさせるか。お金を払ってもっとちゃんとした教育を受けさせるかは親の判断次第である。
早速建設が始まった。6歳からのほうは小さな設備でいいのですぐできるだろうが、13歳からのほうは相当時間がかかると思われる。一応国を挙げて急ピッチで建設をしているので1年くらいで行けると思うのだが。
1か月後、まず6歳からのほうの学校教育が始まった。そちらは普通に学校と呼ばれている。そして、13歳からの方も完成のめどが立ち、1年後には開校する予定だ。そちらの方は民から学院と呼ばれている。
学校教育の評判は極めて良い。農村の方から食費が浮くとかそういう声もあったりでもう少し授業日数を増やしてもいいという声が多い。子供たちも2日じゃ少ないということで、近々火曜日にも授業を追加する予定だ。
実はレイナの教育も始まった。
さすがに国民に混ぜて通わせるわけにはいかないので、専用の先生を雇って王城でということになっているが。
私の護衛の任務もあるのであまり量は多くないのだが、先生曰く吸収の速度が異常なようで、開始1か月で1年分の学習を終えたそうだ。
うちの子すごい!!
ところで、大人の教育はどうするのかという話が上がっている。確かにそうである。子供たちだけが賢くなっても将来的にはいいかもしれないが今の現状はほとんど変わらない。今は大人の方の教育もしないといけないのだ。
大人の方へは言語の学習だけさせ、あとは必要に応じて本を買ってもらって自分で勉強するという形にする。
とりあえず文字を読めるような教育を行うのだ。学校を使って休日に行うことにした。
大人の教育が始まって1か月がたった。
なんとなくだが経済が豊かになってきた気がする。気のせいかもしれないが。これが学校建設の効果だったらうれしいな。




