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第25話 経済発展

「陛下、最近国の経済が滞っているように感じます。何かの対策を講じなければ著しい経済成長はできないかと。」


 早朝、執務室に来るなりフィネメイゼはそう述べた。




 実は私もそのような気はしていたのだ。しかし、実際にそこら辺の職務をしているフィネメイゼから言われると何か来るものがある。

 そっかー、そうだよなー。


「フィネメイゼはどうしてだかわかるかい?」

「いえ、検討もつきません。税金は下げれば経済は回るものだというのが私の中では当たり前でしたので。その後様子だとすでに分かっておられるのですか?」

「まあ、ある程度はね。多分逆に一気に税金を下げたことが原因なんだと思う。」

「どういうことですか?」


 まあ理由はこうだ。

 今までは税金の割合が非常に高く、結構ギリギリな生活を送っている人が多かっただろう。しかし、急にその税金が下がり、家にお金があふれるようになった。

 正直に言って私がその立場だったら怖いだろう。どうして税金が急に下がったのか、何か裏があるんじゃないのかという考えを持ってしまうのは必然だ。

 この王都に関してはそのような考えは日に日に減少傾向にあり、経済発展の割合もほかの地域より高い。しかし、農村やその他の小さな町などではそうではないのだ。

 

 そのような考えに加えて、農村を始めとする田舎はまずお金を消費する場所がないというのも問題点に挙げられるだろう。

 今まではギリギリの生活で、隣人や同じ村に住む人たちと物々交換をしながら暮らしてきた人も多いはずだ。しかし今は税金が下がり、お金がたまっていく一方。どのように使っていったらいいのかわからないのだ。

 今まで物々交換だったところを金銭での取引に変えればいい。と思うのだが、それは実際にはできないだろう。人間同士の昔からの関係が破綻する原因になってしまう可能性がある。それは私もわかっているし何より農村に住む人たちがわかっているからこのように悩むことになっているのだろう。


「私はまあこんなふうに考えている。」

「たしかに……、正直お話を聞く限りではおかしな点等もありましたが、大体はあっているかと思われますね。」

「おお、おかしな点……、ごめんね。私そこら辺の知識がないものだから。」

「いえいえ、気になさらないでください。そうですね……、ニシゾノ商会を農村に配置するというのは可能なのですか?国内のほとんどの町にあるといっても小さな農村とかにはまだ置かれていないですよね。」

「そうだね。でも人件費とかそういうのがねぇ……、農村は回収が見込めないからっていうのはある。」

「「……。」」


 確かに農村にニシゾノ商会を置くというのもありだろう。しかし、そこまで運ぶ費用やそこで人を雇う人件費等を考えるとあまりすんなりと「じゃあおこうか。」とは言えないのだ。

 うーむ、困った。


「とりあえず、お金に関する授業のようなものは無料で開催して、できるだけ貯金を消費するよう促すような活動はするつもりです。」

「そうだね。それはやってもらいたい。でも農村がなぁ……。」

「移動販売、しますか?」


 確かにいいかもしれない。ていうか私もそれを考えていた。

 運ぶ費用などは同じようにかかると思うが、お店を構えるわけではないのでそこの人件費や諸々の経費が浮く。そして、近い村々をグルッと回るような感じで効率的なルートを組めば運ぶ費用も安く済むだろう。

 盗賊とかもいるかもしれないので一応軍の者を配備することにする。そうすれば軍の者がいるということで偽物との判別も可能。いい案だ。


「そうだね。これでやってみようか。」




 実際にこの移動販売というのはいい働きをした。

 わざわざ町まで出なくていいというのは農民からしても非常に助かるらしく、想定以上に早く品物がなくなってしまう事態も発生したようだ。

 それほどまでに売れるのであるのだから、国に入るお金も相当なものだった。それこそどっかの町に店を構えるよりも何倍もの収益だ。

 頻度的にはこれは月1を予定していたのだが、国民からの要望もあり週1へと変更されている。


 通常のニシゾノ商会では売っていないようなものも売っており、普段売っている化粧品やマヨネーズ等のほかに農具や日持ちする食料品なども売っている。何なら服とかも売っている。動くコンビニエンスストアのような感じだ。

 出発時大量に積んでいる荷物は帰ってくる頃にはいつもすっからかん。もってけば売れるといった状況だ。


 思わぬ効果もあったりした。王都といっても正直この村と大して変わらないだろうと思っていた人たちが王都に来るようになったりしたのだ。

 実際農村で生まれた人はその農村から出ることなく人生を終えるというのはざらにあるようで、親も王都がどのようなところか知らないことがあるそうだ。

 回ってくる商品を見て、王都はとてつもなく発展しているのではないか。という考えを持つ人が増え、こっちまでやってくる人がいるのだ。


 農具を売っているのも良いほうに働いている。

 新品で使い勝手の良い農具を使うことによって、モチベーションや生産効率が上がったりすることによって、さらに農業が発展していっている。

 たまにその移動販売に農業担当のゲルツ・サートゥルヌス伯爵が同行し、講義することもあるようで、それも非常に好評だ。

 みんなそれぞれできることをやってくれていてありがたい。




 お金に関する授業も非常に効果があり、今までわからなかった税金の使い道がわかった人が多く、今はみんなお金に余裕があるから増税をしてくれと言った声が出る始末だ。

 これに関しては完全に想定外だった。

 確かにそろそろ税金を上げるにいい機会だと思ったので、増税を行うことにした。

 それでもニシゾノ王国の前の統治時代よりも非常に安いようで、国民からの反発は本当にゼロだった。びっくりだ。

 増税したことによって国に入ってくるお金も増えた。どんどん潤っていく。


 そして、貯金せず物を買っていくことが最終的には自分の利益につながる可能性があるということを多くの人が理解したため、税金が多く入ってきて、経済も周り、様々な公共事業へと手が出しやすくなった。

 まだやりたいことはいっぱいある。資金が増えたのは純粋にうれしい。

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