第24話 フェッペルゲン改造計画
ニシゾノ王国王都フェッペルゲン、この町は古くから周辺諸国の貿易の中心地として栄えてきた。相当な歴史があるために、町の道はガタガタしていたり、町も古くなっていたりと結構ガタが来ているのが目立つ。
ここで私たちはフェッペルゲン改造計画を始めた。
今回の改造計画の代表はフェルイツ・オットフェイン子爵、23歳。有名な建築系の学校を卒業後、しばらくは別の国で働いていたらしい。しかし、元居た国の労働環境が気に食わず、このニシゾノ王国へやって来た。
「うーん、やっぱり継ぎ足し継ぎ足しといった感じがあって中央と周りで町が分断されているような気がする。それをどうにかつなげていかないといけない。」
初めに、今の王城に当たるところに小さな村があった。そこは小さな農村で、農民たちで仲良くひっそりと暮らしていたのだ。その小さな村こそがこのフェッペルゲンの始まりである。
その村の名前はフェルニンで、このフェルニンという村は少しずつ発展していき、ヘリティア王国誕生の際にヘリティアに併合された。
それから長いこと、様々な国をつなぐ架け橋となっていたのだ。人口はどんどん増えていき、もともとあった小さな村では収まらなくなっていた。そうして周りにバウムクーヘンのように作られていった都市、フェッペルゲンである。
そのために、中心にいくほどに人口密度が高くなったり、雰囲気が異なっていたりするわけだ。それはあまりよろしくない。雰囲気を統一して、人口を分散、道もできるだけ広くして交通の便をよくするのだ。
早速取り掛かることとなった。
「フェルイツ、進捗はどんな感じ?計画は立てれた?」
「はい。ある程度は立てられました。この王城を中心に放射線状に大通りを通し、300メートル間隔で円状の道路を通します。」
「なるほど。パリみたいな感じだね。」
「パリ?それはどのようなものですか?」
「いやいや、こっちの話。でもその案ってデメリット結構あるんじゃない?」
その通りだ。この形はメリットも多いのだが、なかなかのデメリットを兼ね備えている。それは攻められた時に王城まで一直線になってしまうということだ。
「確かにそれは考えました。しかし、今のこの国の状態であれば戦争に突入することや、この町が戦地になるようなことはあまり考えにくいのです。」
「そうだね。そうなんだけど、一応そういうところにも気を使ってくれるとうれしい。もう1つ案を考えてくれる?」
残念ながら却下されてしまった。
確かに戦いになったときに一直線に王城に来れてしまうのは大変なのだろう。でもどうしたら……。そうだ!!
「確かにね。その案だったら近くまでは来れても攻めることはできないね。じゃあこれでいこっか。じゃあお願いします。」
ということで軽く1つの案を追加したことで解決した。それは城の周りに大きな人工川のようなもの、陛下は堀?と呼んでいました。を作ることにしたのです。
それなら近くまでは来れても王城に入ることはできない。我ながら良い案です。
で、その堀の周り100メートルほどを緑あふれる公園のようなものにして、人々の憩いの場にしようと考えました。この都市は結構発展していますから、公園があまり存在しないのです。ないわけではないのですが、片手で数えられるほど。子供たちの遊び場を作ってあげたいと思っていますし、人々のコミュニケーションの場や、自身の趣味に没頭できるような環境を整えたいのです。
早速取り掛かることにしました。
私は最も用地の買収に時間がかかるかなと思ったのですが、意外とすんなり受け入れてくれるところが多かったです。しかも無償でです。「陛下の為ならば。」ということが多くて、チナリ陛下は本当に国民のみんなに慕われているのがよくわかります。
実際、私のような若輩者に爵位を与えてくださったり、平民や孤児たちに優しく、そして罪人には非常に厳しく。理想的な国王だと思います。
それにしても王城はとてつもない大きさをしています。王宮の周りを大きくかこっている城壁、その城壁内を王城と呼んでいます。王城の中には神殿だったり裁判所だったりいろいろなものが置かれています。王城内に中央の機関を終結させるのは問題が発生したときに素早く動くことができるので非常にいいと思います。
チナリ陛下はほんとにすごい。
大通りはできるだけ広くしました。狭くジメジメしたような道ができないよう、そのほかの道もできるだけ広くしました。思いっきり道をいじったことによって大抵のお宅は移動になってしまいました。そのため、新しい建物ばかりが建っているので統一感もあります。非常に美しい。
この王城から放射線状というのが非常にいいのでしょう。大通りに行くといつでも王城が見れるので疲れてるときでもやる気がもらえるという声が多くありました。
道に木を植えることで緑あふれる光景、人々の心も自然と休まります。
結果としてこの改造計画は大成功だった。よくフェルイツも頑張ってくれた。
明らかに町が活気づいたような気がする。なんか人々のやる気が上がっている。町が新しくなっていい気分転換(?)になったのかなと思う。
で、この堀の周りの公園。この活躍がすごくて、それぞれが出店を開いて市場のようなものを作ったり、いつの間にか住み着いていた魚たちを釣っていたり、町の人たちが協力して植えてくれた花はきれいに咲いて、見ていて非常に癒される。
常に子供たちの元気な声が響いているこの公園は『フェルイツ公園』として親しまれている。




