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第21話 キャンプ

「過労でしょう。」


 やっぱりか。医師から伝えられた時に私はそう感じた。

 休んでくれ、といったものの、彼女の性格上きっと寝る時も気にしていた、または寝ずに仕事をしていたのだろう。フィネメイゼはそういう人だ。

 仕事に対して熱心なのはいいことだ。しかし、それで体調を壊すのは間違っている。少し休憩しながら仕事をやった結果もたらされる事と、仕事を熱心にやって体調を壊してしまったために発生する不利益は明らかに後者の方が損害が大きいのだ。何なら前者は効率が上がるから非常にいいと思っている。


「フィネメイゼ、たくさん働いてくれるのはうれしいけど、自分の体を大切にしてね。私はフィネメイゼが倒れた時にすごく心配したよ。フィネメイゼがいなくなったらこの国は回っていかないし、何より私が寂しいから。」

「……。」


 フィネメイゼは無言で俯いていた。


「ねねはね、フィーが倒れてからずっとここにいたんだよ。フィネメイゼが心配だって言って。レイナも心配だったよ。」


 すると、フィネメイゼはぽたぽたと涙を流しながら話し出した。


「私の両親はそんなこと言ってくれませんでした。ただ、働けというばかりで。私は休むということを知りません。部屋でベッドに横たわっているときも仕事のことばかり考えてしまう。病気なのかもしれません。」


 もし私がフィネメイゼと同じ状況に陥ったとき、されてうれしいことは何だろう。

 無理やり休ませること?いや、それは違うだろう。逆に気を使わせてしまったと思われてしまうだけだ。だからと言っていつも通りに仕事を振ったらまた倒れてしまう。


「フィネメイゼ、お出かけしよっか。」

「ふぇ?」


 私の役目はもう終わったし、フィネメイゼもたくさんの資料を用意してくれたりと仕事をたくさんしてくれた。彼女がお休みをしたところで誰も文句は言わないだろう。言ったら私がぶん殴る。

 私は彼女をお出かけに連れていくことにした。もちろんレイナも一緒にね。




「川、ですか?」

「そう!川だよ!今日は川で釣りをしよう!」


 私たちは領内の山の中を流れている小さな川に来た。

 今日は川で釣りをして、釣れた魚を焚火で焼いて食べる。そして夜はテントで寝るのだ。つまりキャンプだ。

 私、アニメの中で特に『ゆる△』というアニメが好きで、いつかキャンプやってみたいな~って思ってたんだけど、なかなかやる機会がなかったんだよね。

 今度行こうと思ってこっちの世界でテントを開発したんだよ。


「やった~!釣れました!!」

「ねね!レイナもつれたよ!」

「「キャッキャウフフ!!」」

「……。」


(草)

 うるさいわ!!何が「草」じゃボケ!!そうですよ!私は釣りがへたくそですよ!しょうがないジャンやったことないんだから!!


「あはは、2人とも釣り上手だね。経験者?」

「いや、まったく?」

「私もです。」




 たくさん魚が釣れたので、焚火をたいて焼くことにした。

(チナリは坊主だけどね。)

(黙れ。)

 ゆる△曰く、松ぼっくりがよく燃えるようなので松ぼっくりを拾うことにした。

 山とか行ったことなくて写真とかアニメとかでしか見たことないからこれが松ぼっくりなのかわからないけど、アニメでよく見るやつを拾った。多分あってる。


(コンニチワ!)


「おおっ!結構燃えるねこれ!」


(アツイ!)


 ちょっと神様!それ声いらないから!!

(あ、そう?わかった。)




 アニメで見たとおりに焚火を組んだのだが、想像以上にしっかりとできた。


「じゃあ、この日の周りに串で刺した魚を置いて。」

「こう?」

「違う違う!地面に直置きしないの!こうやって、串を刺すんだよ。」

「わかった!」


 最近はお城でお仕事ばっかで忙しかったから、たまにはこうやってのびのびとするのもいいものだ。フィネメイゼも明らかにこの前よりも顔色が良くなって自然な笑顔が漏れている。

 よかった。


「アヅッ!!」


 この焚火ってやつ、時々バチンッってなるんだよね。結構びっくりするし当たると熱いから気を付けたほうがいいかも。


「そろそろどうでしょうか。」

「まだだよ。まだ焼き始めて1分もたってないでしょ。」


「そろそろどうですか?」

「さっきからまだ20秒もたってないよ。」


「そろそろ……」

「フィネメイゼ!楽しみなのはわかったからじっとしてなさい!」

「はい。すみません。」


 確かにこういうのってソワソワしちゃうのはわかる。でもここでしっかりと焼かないと、中が生だったら大変だ。




「そろそろいいと思うよ。」


 私がそういうと2人のテンションが明らかに上がり、一目散に食べ始めた。


「おいしい!」

「はい!おいしいです!!」


 熱そうにハフハフしながら食べる2人を見ていると体の芯が癒されていく感じがする。

 よーし、私も食べよ~。


「って!ない!!」

「ふ~、おいしかったねレイナちゃん!」

「そうだね!!」

「わ、私のおさかな……。」


 つらなかった奴に食べさせる飯はないってことかよ……。


「嘘だよ、ねね。ちゃんと取ってあるから!」

「なんだ、びっくりした。」


 どうやらちゃんとあったようだ。


「はい、どうぞ。」

「いや、焼いてないんかい!!」




 その夜、私たちは1つのテントで川の字になって眠り、早朝城へ戻った。

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