第16話 採用と爵位授与
実技試験が行われた次の日、実技試験参加者には王城内に用意した睡眠スペースで休んでもらって、明日は朝から最終の面接を行うこととした。
このような形式にしたのには理由があって、とにかく1人に対する時間をできるだけ多く裂きたかったからだ。
参加者は王城内に用意された部屋に入るなり「おぉ……。」とか声を漏らすので面白かった。
翌日、朝早くから面接が始まった。
「まず聞きします。この王都の雰囲気や様子などを見て、感じたことを正直に答えて下さい。」
全員に最初にする質問はこれだ。私はしっかりと引くタイミングを作ってあげたかった。
王からこの仕事についてくれとか、採用とか言われたらもう断ることができない。なぜならそれは"王命"であるからだ。
別に私は断ってくれてもいいのだが、それを許してしまうとほかの国の王様まで権威が下がってしまう可能性があるのだ。
さすがに他の国の王様にまで迷惑はかけたくないよね。
だからこの王都の雰囲気を聞いて、合わなかったら辞退してもいいよ。というようにしたのだ。
結論から言うと、ここで辞退をする人はいなかった。
まあ私が本気で王都は今のところ統治しているし、というか国全体だけど。できるだけみんなが住みやすくなるように、楽しく活気にあふれるようなところにしているのだ。
もしこれで辞退されたらそれはちょっとショックだった。ひとまず安心安心。
今回ここまで残った人たちの年齢層は非常に幅が広く、低くて7、高くて67だった。
この世界では人間は70歳まで生きることができたらそれは長生きということになるので、非常に高年齢なのだ。
医療があまり発達していないとか、魔物が存在するために、襲われて殺されてしまうとか。この世界ならではの理由だな。
私は日本人なので寿命70歳とか考えられない。医療をできるだけ発達させていきたいと思う。
結局面接は朝の7時から始まり、午後10時を回るまで続いた。
採用は明日発表される。今日はひとまず王城内で休んでもらう。
結果、採用総数は137人だ。
内、専門知識等での採用が37人、戦闘要員としての採用が92人、当初は予定していなかったのだが、メイドや執事としての採用が8人だ。
メイドや執事は正直その通りなので紹介はしない。王城で頑張ってほしい。
専門知識等での採用の人はまあ色々いる。なので特に期待を寄せている3人を紹介する。
農業に関して極めて詳しいゲルツという最高齢67歳のおじいちゃんは農業大臣として頑張っていただくこととした。
まあこの大臣ということを聞けばわかる通り、この37人は皆、この国の要職へ就き、公務員的な人を雇ってその人たちの上に立ってもらう人たちだ。
ちょっとわかりにくいのだが、日本と同じ感じをイメージしてもらって、この37人は内閣入閣って感じだと思ってもらっていい。
で、次はフィネメイゼという金がなかった少女だ。
年齢は16歳で、私と同い年とは思えないほどしっかりしている。と神に言われた。しかっといた。
まあそんなことはよくて、彼女とにかくすごくて、計算が早くて正確。しかも物覚えがいいし状況を見ながら正しく予算の分配ができる素晴らしい人だった。文句なしの採用。頑張ってほしい。
最後、3人目はフェルイツという23歳の男性で、建築家だ。
この人は建築家でありながら、どのように整備したら効率的に荷物を運べるか、どのような街並みにしたら治安の悪化が防げるかなどといった一歩奥へ踏み込んだ知識を持っているのだ。
実際に面接等でそれをみて私には思いつかなかったような素晴らしい案がたくさんすらすら出てきたので、この人に建設関連を任せたら国がもっと効率よく発展できると考えたのだ。
優秀な人材が来てくれて私は嬉しいです!
実際他にも優秀な人たちがいるのだが、それはおいおい紹介といった感じで行こうと思います。
次に戦闘要員だが、軍隊としては92人では足りないと思われるだろうが、この世界には冒険者とかいう便利な組織が存在するので意外とそうでもない。
実際この戦闘要員は門番だったり、警察的な感じでの治安維持だったり、お城、そして私の護衛だったりとか。そういう人たちだ。
そう考えると92人もいれば大丈夫だろう。
戦闘要員の中では、剣などの近接系が85人、魔導士が7人だった。
この結果を見ればわかる通り、この世界では魔導士は少ないし、ていうか私が相当魔法使えるというのもあるのだろうが、全体的にレベルが低いように見えた。
だからこのように少なくなってしまったのだが、正直十分だと思う。使うタイミング言っちゃ悪いけどなさそう。
騎士団長にはこの前の筆頭魔導士のおじさん、名前はメルデミシスというらしい。その人に担当してもらうことになった。
経験も豊富だし、何より腕がめちゃくちゃいい。これから頑張ってくれるだろうと期待している。
そのほかの副団長等の編成はすべてメルデミシスへと丸投げ。なんか苦情を言われたが突っぱねといた。なんせ私はそこら辺の知識がないので、お任せです。
で、実は戦闘要員92人なのだが軍に入るのは91人だ。 残りの1人は私の護衛として雇うこととなった。
本当はもっと数雇ったほうがいいのだろうが、私は正直護衛とかいらないほど強いので1人にした。それでも1人つけた理由としては王様が護衛をつけていないのは甘く見られるとかそういうめんどくさい理由だ。
その護衛を担当してくれるのがレイナちゃんというあのすばしっこい7歳の少女だ。
まあとにかくかわいいよね。戦闘の腕は正直ピカイチなのだが、戦闘以外ではもうすっごくかわいい!でもちゃんと護衛としての仕事もやってくれて、最高です。
まあ護衛というより私のお友達?癒し担当的な感じになるだろうがいいの!
まあこんな感じである程度の紹介をした。
ここで採用された人はある程度の功績を上げたら爵位を授与することを宣言してある。といっても領地は当面の間は私がすべて管理する予定なので領土は与えないが。
で、まだ採用されたばっかなのだが、一部の人にはすでに爵位を与えている。そのメンバーは先ほど紹介した5人だ。
上から、ゲルツは伯爵となり、これからはゲルツ・サートゥルヌスと名乗ってもらうこととした。
はい、サクサク行きますよ~、フィネメイゼは子爵となりフィネメイゼ・アルキメデスと名乗ってもらう。
フェルイツは子爵となりフェルイツ・オットフェインと名乗ってもらう。
騎士団長であるメルデミシスは伯爵となりメルデミシス・ディオメデスと名乗ってもらう。
で、最後のレイナちゃんはちょっと異様な形で、どうやらこの子はもともと孤児院にいたらしく、親がいないようだ。そしてここに受かったことをきっかけに孤児院から完全に出ることにしてここに来たらしい。7歳という若さですごい。
私の護衛であるので相当なくらいの爵位を与えないといけないのだが、まだ7歳ということもあって1人では不安だ。
そのため、彼女は私の養子として迎え、成人である15歳を迎えたタイミングで公爵の位を与えることとした。
公爵になっても私との養子の縁を切ることはない。レイアはこれからレイア・ニシゾノと名乗ってもらうこととなった。




