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グッド・ジョブ媚薬 3部 NY編  作者: 渡夢太郎
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一恵の目覚め

「何か事件にでもあったのかしら、仕事は?」

「日本レストランで働いている」

「どこかしら?」

「日本名だからはっきり覚えていないけど、将軍の名前」

「将軍って、徳川家康?足利尊氏?」

美咲が将軍の名を上げても

ジャネットはピンと来なかった


「違う、違う」

「ジャネット。タイコーかな?将軍じゃないけど」

「そうそう、タイコー。ミッドタウンにあるお店」

「うん、美咲さん行ってみましょう」

「はい」

「ありがとう。二人ともそんなに

本気になってくれるなんて」

ジャネットは理由が分からず

二人の優しさに感謝した。


「僕達お店を訪ねますから、8時にチャイナタウン

 に来てくださいね」

「はい、楽しみにしているわ」


ジャネットの部室を出た亮は

「美咲さん、新村一恵の写真を

送ってもらってください」

「大丈夫持っているわ」

「そう、さすが」

日本料理店「太閤」

ミッドタウンにある日本人が経営している

店だった。


太閤はまだ店を開店しておらず

白木のドアを押して店の中を覗くと

和服を着た30歳過ぎの東洋人の

女性が英語で声をかけた

「お店は6時からです」

「客じゃないんです。この女性知りませんか?」

亮は着物の女性に美咲のスマフォの写真を見せた。


「あっ一恵さん」

「それで、一恵さんって新村一恵さん?」

「そうです」

亮と美咲が顔を見合わせた。

「やっぱり」

美咲が日本語で声を上げると

それを聞いた女性が言った。


「日本人の方ですね、私佐藤真紀子です」

「はい、原美咲です」

「團と申します。一恵さんは?」

「それが、4日前から無断欠勤なんで

心配していたんです」


「何か心当たりありませんか?」

「実は五日前に日本人のお客さんが来て

一恵ちゃんと話しをしていて

 その後顔が真っ青になって

ガタガタ震えていたんです」


「ひょっとしたら、一文字?」

美咲が亮の方へ向って話すと亮はうなずいた。

「そうです、一文字さんです」

「間違いないですね」

「一文字って言う苗字変わっているから

覚えているんです」


「なるほど、事情は分かりました」

亮は深々と頭を下げた。

「じゃあもう命はないかも知れないわ」

亮は諦めずに美咲にお願いをした。

「亮に言われて日本人女性の変死体

は見つかっていないそうよ」


「じゃあ、監禁されているとか?」

「それか殺してハドソン川に流したとか

海に捨てたとか・・・」

「人を殺す事は異常な精神状態じゃないと

 できませんから、他人に依頼するはずです」

「殺し屋?」


「はい、殺人を依頼するコネクションが無いと

 依頼できません。お金もかかります」

「そうか・・・一文字にはニューヨークでは

 それが出来ないという訳ね」

「はい」

「そうだ、身元不明の東洋人が薬物中毒で

病院に収容されていると言っていた」


「本当ですか?」

「ええ、全裸でセントラルパークを歩いて

 いたそうよ」

「会いに行きましょう」

「はい」

美咲は亮のスピードのある判断力に

舌を巻いた。


「で、病院は?」

「セントラル病院です」

「行きましょう」

亮と美咲は佐藤真紀子に挨拶して

セントラル病院へ向った


美咲がセントラル病院の受付で話をすると

パーカー警部補から連絡を受けていた医師が

病室に案内をした。

「発見されてからずっとこん睡状態です」

若い医師が説明をしている間、

亮は女性の顔覗き込んだ


「間違いない新村一恵さんだ」

「ええ」

「どこか外傷は?」

亮は医師に聞くと両手を広げて首を傾げた。

「実は何処も異常が無いですね、

発見された時は薬物反応があったのですが」


「今は?」

「今日はまだ、血液検査していません」

亮は一恵の全身をくまなくの見ると

体のあちこちや髪の毛に白い粉が

ついているのに気が付いた。


「すみません、彼女の体を洗いましたか?」

「いいえ」

亮が医師に聞くと首を横に振った。

「美咲さん全身洗浄しよう」

「どうして?」

「例のFBIで見た物が

身体についているようです」


「本当?」

「先生、刷毛とシャーレの

ようなもの無いですか?」

「はい?」

「身体に麻薬のようなものがついているんです。

もう一度血液監査を」

「は、はい」

医師は慌てて部室を出て行った


「どうするの?」

「さっき見た白い物は液体は皮膚から吸収する物で、

多分一恵さんは全身に液体を

 被せられたんでしょう」

「それがまだ残っていると言う訳」

「そうです。かなり強力な物でこれを洗い流さないと

こん睡状態から目を覚まさないと思います」


「そうか」

「すぐにFBIのブラウン捜査官を呼んでください」

「OK」


医師は一恵の血液を抜き取り医師が持ってきた

道具で身体についている粉を丁寧に摂取した

「亮、捜査官すぐに来るそうよ」

「ありがとう」


亮は一恵の手を握って話しかけた。

「もうすぐだよ。がんばって」

そう言うと一恵の手が握り返してきた

亮はそれを感じて耳元でしゃべりだした

しばらくすると一恵の閉じた目から涙が

一筋こぼれてきた


「な、泣いている」

美咲が一恵の涙を見て言った

「はい、少し意識が戻ってきたようです」

「どうやったの?」

「手を握って気を送っていました」


そこへブラウン捜査官入って来て

その後にFBIの鑑識が数人来た

亮は採取した粉を渡し

髪の毛を切って持ち帰るように指示をした


「また、会えましたね」

ブラウン捜査官が亮に手を差し伸べた

「はい、鑑識の方が終わったら彼女の

身体を洗ってあげたいのですが」

「はい、分かりました」

ブラウンは鑑識の人間に聞いた

そこへ医師が入ってくると亮に言った。


「すみません、血中に薬物がまだ残っていました」

「やはり」

亮は医師にメモを渡して聞いた。

「この薬品ありますか?」


「私は薬剤師じゃないので保管所へ案内します」

亮は保管所に入ると何種類かの

薬をビーカーに入れて混ぜた。

「これでOK」

亮はそれを持って病室に戻り

一恵を抱きかかえると浴室へ連れて行った。


亮は一恵を裸にしてベッドに横にして

髪の毛から全身に作ったヌルヌルとした

液をかけ、それは小さな泡を立て全体に染み渡り

一恵の髪についた危険な成分を中和していった


亮は手術用の手袋をつけて一恵の頭皮を

マッサージしながら身体全部、股間の隅々まで

丁寧に洗い、時々亮の指先が

一恵の敏感な部分に当たると一恵の身体は反応していた。


「良かった、意識が戻ってきた」

亮の姿を見ていた美咲はそれを見て微笑んでいた

洗浄が終わりベッドに運ばれた一恵の

身体にはぬくもりが戻り呼吸が穏かになった。

「もう大丈夫ですね」

「はい」


そこへブラウン捜査官が何処からともなく戻ってきた

「あの粉の成分は例の物と同じだったよ」

そう言って亮の肩を叩いた

「そうですか。と言うことは・・・・」

NEL教団の物だと亮は確信した

「ん?」


ブラウン捜査官は何かを聞きたそうだった

「あれは皮膚や髪のたんぱく質に

反応してアンフェタミンかメタンフェタミンの

覚醒物質に変化して長い時間をかけて

吸収される物かもしれません」


「という事は?」

「彼女はかなり高濃度の物をかけられたようです」

「わかった。ところで彼女はどれくらいで

目が覚める?」

「目が痙攣を起こしていますからもうすぐです。

ちょっと席をはずしてください」

ブラウンと美咲に言うと

亮は一恵の手を握り始めた。


「もう大丈夫です、僕は日本人です。

あなたを助けに来ました」

一恵は深く息を吸うとゆっくりと目を開いた

「ああ、あなたは・・・・」

「はい」

「松平さん?」


「新村一恵さんですね」

「はい」

「もう大丈夫です。僕と一緒に日本に帰りましょう」

「ありがとう」

一恵は亮の首に腕を回して抱きつい涙を流した。

「僕の名前はダン・アキラです」


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