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グッド・ジョブ媚薬 3部 NY編  作者: 渡夢太郎
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「亮」

ブルックはうつろな目で

亮の手にしがみついた

「ブルックの発生練習に声を出してください」

亮は慌ててその場状態を消すように

事務的に言ってタオルをブルックの

胸の上に置いた。


「はい、はい」

ブルックはタオルを胸に巻くと立ち上がった。

「どこまで高い声が出るか出してください」

ブルックはうなずいて部屋に入って来たジャネットと

亮の方を見て声をだした。

その声は今まで以上に安定していて、

2オクターブの声が出ていた。


「凄い、ブルック」

そばにいたジャネットが声を上げた。

ブルックは信じられないような顔をしてさ

自分の喉を押さえた

「ジャネットいままで、あまり高音が出なかったので

ファルセットを使っていたんじゃないですか?」


「そうよ。亮分かる?」

「はい、それが喉に負担をかけていたんですよ」

「とても呼吸も楽になったわ」

「呼吸が楽になれば大きな声が出るので

 喉に負担がかからなくなります」

「ありがとう亮」


ブルックは亮にハグをしてジャネットにも

抱きついた

「ジャネット、亮にキスして良い?」

ジャネットは目を伏せながらうなずいた

「OK、良いわよ」

「ありがとう」

ブルックは亮の首に手を回して軽くキスをした。


二人の唇が離れるとブルックは

大きなため息をついた。

「ありがとう亮、なんてお礼を言って良いか」

「いいえ、お礼は今日10曲

無事に唄い終わってから言って下さい」

「はい」

「そしてメジャーデビューを目指してください」

「はい」


ブルックは亮の手を握り潤んだ目で亮を見つめた

11時に亮とブルックとジャネットがホテルの

レストランに着いて周りを見渡すと

奥にある大きなテーブルにバンドの四人が席に座って

ビールを飲んでいた


「亮!」

モニカが亮に向って手を振った。


モニカがバンドの四人をブルックに紹介すると

あごひげをはやした大きな男が

「やあ、今朝はどうも」

亮に向って笑顔で声をかけた

「えっ?今朝?」

モニカが聞いた


「ああ、心配だから空港に迎えに行きました」

「とても気が利くのね、亮」

モニカは改めて亮の優しさに感動していた

「亮って言うのか?助かったよ。俺マイクだよろしく」

大きな男が亮に握手を求めた


「何か有ったの?」

モニカがマイクに聞いた

「今朝空港に着いた時、お腹が痛くて

 困っていたところ、

 亮が薬をくれたんだ。

それが良く効いてあっという間に

 痛みが止まったよ。ありがとう」

「マイク脂分の取りすぎです、

フレンチフライはしばらく

 食べない方がいいですよ」


「あはは、俺の好物よく知っているな」

「みなさん、遠いところありがとうございます」

ブルックは楽譜をバンドの四人に渡すと

マイクは目を丸くして聞いた

「ブルック!本当にこれ唄えるのか?」

「はい」

ブルックは満面の笑みを浮かべた返事をした


「これが唄えたら凄いぞ」

背の高い細身のサムがブルックに言った

「問題ありません」

ブルックの顔は自信に満ちていた

「そうか、それは楽しみだ」

四人は楽譜を見ながら

それに夢中になって行った


「さすがプロですね」

「はい、スティーブがお気に入りの四人だから

 リハーサルの時、素敵な音を出すわ」

「はい」

モニカは亮の顔を見つめていた。


1時にステージのセッティングは終了し

楽器をセッティングしてチューニングを終えると

いよいよブルックが唄う事になった。

「ブルック、ジャネットがんばって」

亮は二人に声をかけると

ブルックはマイクの前に立ち

ジャネットはレオタード姿で

その後に立った


亮とモニカと小妹が客席に座ると

マイクのドラムスティックの

音と共に演奏が始まった

四人は遠慮なく強い音を出すと

「モニカ。彼らはブルックに挑戦していますね」

「そうね、大丈夫かしら」

「はい、ブルックの歌は負けません」

亮は腕を組んで微笑んだ。


ジャネットは一緒に踊るダンサーと

バックでその音にあわせて踊りだし

前奏が終ってブルックが唄いだした。

バンドの音と共鳴して強い音がステージから飛び出した

「凄い。ブルック」

モニカが感動して両手を合わせた


そしてジャネットはその音楽に合わせて

気持ちよく美しく踊った10曲唄い終えると

ステージからマイクが飛び降りて来た。

「モニカ携帯を貸してくれ」

「どうしたの?」

「スティーブに連絡だ」

マイクはスティーブに電話をすると

興奮して話した。


「すぐにニューヨークに来てくれ、

歌を聞いてもらいたい女性がいるんだ」

「モニカの言っていた女性か?」

「ああ、凄いぞ!」

「わかった」

「でも、今からロンドンを出たら

間に合わないだろう」

「いや、そっちに行くつもり

だったからもう飛行場だ」


「よし、待っている」

マイクはブルックのところへ戻って

打ち合わせを始めた。

「あれ?ロンドンはそんなに近いの?」

小姉が不思議そうにモニカに聞いた。

「はい、ロスより近いわ」

「あはは、そうか」

ジャネットが汗を拭きながら亮のところへ来ると

モニカが拍手をした。


「ジャネット良かったわ」

「ありがとう、モニカ」

「本当?でも、バラードの時はどうかしら

私、何かさびしい感じがするのよ」

ジャネットは自分の踊りに

物足りなさを感じていた。

「ジャネット実は私もあの曲は寂しく感じるの

 ごめんなさい」

「ブルック、それはマイクに相談すればいい

彼は素敵なアレンジャーですよ」

亮は言うとブルックが微笑んだ。

「そうね」


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