治験投与
あのまま認可されて彼等に投薬がおこなわれていたら、今までの治験を共に頑張ってくれていた人達への裏切りになっていただろう。
試薬はもともと、私が作製した内容で不治の病とされた病状の治療が可能かどうか国の研究機関で治験をしこの病状に関する研究のエキスパート達が集まるこの場所でなら新たに発見されたここ数年で蔓延した病も根絶させることも可能だと思い軍司機関の研究所へと入団をした。
入団後は研究施設で病にきく治験をずっと模索しなんとかここ何年で形になってきた特効薬も最終調整の段階になっていた。
だけど、このところ明らかに実験データの盗難や消去。必要な書類も次々と上層部に持っていかれていくようになった。
“もう、これ以上は実験データを他部所に盗まれても困らないところまで研究結果が集まったし治験に協力してくれたあの人達を安全に脱出できるようにしないとね。”
いつでも、ここを出られるように準備を少しづつ進めていよう。この室内にあるものを全て移動して次の場所での最終成果を出せるように...。
頭の中をフル回転させながら、今までのデータをバックアップしながらコピーをして多少の誤差範囲の結果を再度入力しながら提出用紙を作製した。
脱出経路も早めに決めて1ヶ月後の試薬投与の前までに脱出しときたい。
脱出後の新しい場所候補も何ヵ所かあるけれど、やっぱり治験協力者を連れてとなるとあそこが一番安全だし警備状況も最高峰だよね。
もしかしたらここより安全かも!
新しい施設候補は全部のセキュリティコードが厳重で認証された人以外は入館できないから逃亡した後も研究施設が充実した場所がいいし。
やっぱり彼処が一番かも。
リュカにも早めに相談してみよう。
山深い緑に囲まれた最期の楽園
“ミュルラの森”