アクション 5
ジャッキーが僕の肩を棒でつつく。解説しろってか?僕は必死に頭の中の情報を探した。……何も思いつかない。ゴーグル・パソコンも沈黙している。何かないんかい?
ジャッキーもじっと彼女を凝視している。
「プラス。お前でも知らない事あんだな」
「き、きっと異次元から来たんだ」
「へぇ~」
くそぉ。バカにバカにされた。
女の子の怪獣が、じぃさんに駆け寄る。
「おっしょう様」
『喋った!』僕の常識に再び衝撃が走った。これから先、彼女からどれだけの衝撃を受けるのだろう。
じぃさんは愛おしそうに、怪獣を抱きしめた。
「リィリィ。大丈夫じゃ。この人たちが、助けてくれた」
怪獣が立ち上がり、グッと顔を寄せて来た。
「あの、ありがとうございました」
『可愛い!』衝撃、三たび!彼女に対する興味が、どんどん上昇していく。視線を外せない。
彼女は再びじぃさんに振り返った。
「おっしょう様、ケガはありませんか」
「何ともないと言っとるじゃろ。心配性じゃな、相変わらず」
怪獣って、心配性なんだ。僕は一刻も早く、彼女と友達になりたかった。
「あの、おじぃさん。この怪獣さんは?」
「弟子ですじゃ。たった一人のな」
「ほらジャッキー、お弟子さんだって。あいさつしとけよ」
「コンチチワ。俺ってジャッキーです」
ダメだ。完璧に舞い上がってる。
仲良くなった僕らは、二人の店『うさぎ乃屋』にお邪魔することに。ところが!僕の要らない一言が、ムツゴロウじぃさんの堪忍袋をパンクさせてしまった。……さ、最悪だ。
続く