アクション 27
グヴェン医療食品C.L.D.の研究室。
胃形カプセルの水中にリィリィが浮かんでいる。
見上げるZan支社長。
「ドクター・トッロフィーパ。こいつの脳と体の経験を、デジタルデータとして全て搾り取れ」
カプセル内の配線は、全てリィリィの指先に突き刺されている。
ドクターはウォーターゴーレムの中で、左腕の付け根に刺したスティックを右手でひねった。
液晶の大型スクリーンに、リィリィのDNA螺旋図が浮かび上がる。
ドクターはゆっくりとカプセルに近づき、左手で窓に触れた。
「醜い怪獣よ。何を考えて異次元から迷って来たか……。これからお前には様々な痛みを味わってもらう。それに対する染色体からのリアクションをデータとして記録していく。法則に従い信号を解析。これでお前の経験を完璧にデジタル化できる」
ドクターがスティックを更にひねると、カプセル内に青い電光が走る。
リィリィの悲鳴が、完全密閉されたはずの中から聞こえて来る。
スティックが左右に動かされるたび、激しい電光が瞬く。激痛にリィリィが暴れ、指に突き刺さった配線が乱れ狂う。
カプセル上部に太陽の3D映像が浮かび上がる。
リィリィの初航海、特訓時代、そして現在。太陽下りの経験の記憶が次々にスクリーンに映し出され、その映像がデータとなって3Dの太陽に吸収されていく。
少しずつ具体的な太陽表面が形作られていく。
Zanが上先の尖った耳を動かし、デカい耳たぶを振って小躍りしている。
「いい調子だ、もっと搾り取れ!吐き出させろ!こいつのDNAが破壊するまで全部だぁ~」
スティックをひねるドクターの右手はいつまでも止まらない。
Zanの気持ちもまだまだ満足しない。
「ハイエナとジジィの二人分が欲しい。どんどん踊らせろ!」
叫ぶリィリィ。水と配線が激しくうねる。
太陽の地図が完成していく。そこにブルーの線が引かれていく。Zanが身を乗り出して指さした。
「あれだ!あのラインに沿って場所を区切れ!安定地区だ。年間契約で企業に情報を売りつけろ。惑星マーズナーの辰砂を買い込んでいる上位1000社にダイレクトメールを送れ。……これで太陽は独占だ!」
「星が買える程の財産をお望みで?」
「!?……震える。これからの自分の未来が凄すぎて、震えが止まらんぞぉ~!」
気を失い白目をむくリィリィ。その指先からおびただしい血がにじみ出ている。
興奮で過呼吸ぎみのZanが、ドクターの尻を叩く。
「おい止めるなぁ!コイツまだ生きてるぞ。死ぬまで続けろっ!」
ドクターが再びスティックを握る。そして、強くひねる。
激しい閃光が、カプセル窓から放射される!
続く




