アクション 16
宇宙エレベータ外の街。
ムツゴロウのうさぎ船が、停泊していたラッビターⅡに追いついた。
「リィリィ、聞こえるかい」
「……」
「リィリィ……。あのな、わし、お前に嘘をついとった。それを謝りたいと思っての」
「……」
「わしがな、お前を力持ちじゃから弟子にしたというのは、嘘じゃ」
「……」
「お前が思いつめた顔で初めてわしの店に来た時、なんて可愛い女の子がきたんじゃろうって思った。わしのそばに置いておきたいと、下心を持ったんじゃ。恥ずかしいが、本当の話じゃ」
「……」
「お前がいてくれて、わしがどんなに毎日楽しかったか」
「……」
うさぎ船にリィリィの泣き声が伝わって来た。
ムツゴロウが優しい声で、話を続ける。
「頼みがあるんじゃ。これからもずっと……、わしが死ぬまで、ずっと一緒にいてほしいんじゃ」
ラッビターⅡの扉がおもむろに開き、リィリィが宇宙空間に飛び出した。
ムツゴロウは慌ててうさぎ船のドアを開け、リィリィを中に入れる。
リィリィはムツゴロウにしがみつき、ムツゴロウもリィリィを強く抱きしめた。
リィリィは人間の何倍もの大きな瞳から、大粒の涙を流す。
「昔に戻りたい。おっしょう様と、静かに商いがしたい」
「よしよし、そうしよう。そうしようなぁ……」
うさぎ船はラッビターⅡを残したまま、遠くに離れていく。
リィリィが……、プラスの『希望』から、離れていく。
続く




