表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/42

プロローグ

 プロローグ 


 ワイン色に透き通る、宇宙軌道エレベータ。

 母星エバンスから、ドーナツ形の月を貫いている。


 エレベータは月の砂・リゴレス製。

 リゴレスと樹脂を混合して加熱すると、ステンドグラスの様になる。


 この超巨大な筒の中を、エンピツ型のビルが往復している。


 エレベータの原型は100年も前に完成したんだけど、余りにも長い距離なんで、

輸送の光速化が求められたんだ。 


 そして10年前、『物質を光に近い速さで動かす原理』が応用され、

ついに光の38%のスピード輸送が可能になった。


 その時、時間と空間に隙間が生まれ、異次元への扉が開いた。


 10年経った今、異次元人がこっちの世界に移り住んだって噂が流れてるけど、

僕はまだ見たことがない。

 

 人口が溢れる宇宙エレベータの周りには、オレンジ色の無数の光が集まっている。

その一つ一つが家、学校、病院、それにドーム球場。

 宇宙旅客機から見ると、母星を根にした輝く大樹だ。


 今、世界の中心はこの大樹のエリア。空気が宇宙エレベータの周りを満たし、

みんな薄着で生活している。


 道路なんてない。エアー噴射のオープンカーで宇宙空間を移動するんだ。

大人たちはTシャツで出勤し、スクールバスの女の子たちは宇宙でも賑やか。


 自己紹介するね。僕はプラス。ハイスクールではマイクロ機械工学を専攻している。


 夢は機械工学を駆使して撮影セットを造り、世界一おもしろい映画を作る事。


 でも半年前の事故のせいで、僕の首から下は動かなくなってしまった。

髪がムラサキ色なのもそれが原因。


 そこで僕は細菌より小さなロボット『ピコメカ』を使って、宙に浮かぶ車椅子、

エアロ・チェアーを作った。


 ピコメカは数億個単位で動き回ると、空気中の水素と炭素の分子配列を変えて、

焼き立てのパンだって作れちゃう最先端のテクノロジーだ。


 僕が思い浮かべた設計図を、愛用のゴーグル型パソコンにダウンロードすると、

エアロ・チェアーから光る粒子のピコメカが飛び出し、何でも作り出せる。


 ちなみにチェアーは、常温使用が可能になった超電導のチカラで浮かせている。


 今はいつか来る映画製作の為に、アルバイトの毎日だ。今日の仕事はコマーシャル撮影。

と言っても僕は撮影される方。


 僕のアルバイトはズバリ、アイドル活動なのだ!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ