ジャイアント・アリゲーターを退治しろ2
本日2本目です。
よろしくお願いします。
ご指摘ありがとうございます。
コピペを失敗していました。
すみませんでした。
「嘘ー!あれドラゴンですよ、行くんですかー。」
ジェシカさんが半狂乱で叫んでいるが、俺の知ってるワニとはサイズが違い過ぎて俺もドラゴンに1票だ。
ジャイアントアリゲーターの姿を見た入市待ちの馬車の後ろの何台かは入市を諦め、川から遠ざかる様に走り出している。徒歩の採掘者も城壁に沿って逃げ出している。
「門が閉まるぞ、離れぬとケガをするぞ!」
門は緊急時の落とし格子や吊り橋を上げたりはせずに閉門だけをしている。
「横を抜けるわ、馬車はここで降りるわよ。」
「了解ですー。」
「はいです。」
タリリは馬車を止め、ブレーキを掛けると皆に遅れまいと最後尾で走り出す。
「ぐぬぬぬー。進めないですー。」
「俺たちが着く前に、あのパーティが倒しちゃうじゃないか。」
しかし結果は異なっていた。串焼き屋台の裏に顔を突っ込んでいたジャイアントアリゲーターは餌が無くなると周囲を見回した。そこには腰を抜かした商人がいた。
「ひぃいい。」
「ファイアボール!」
「ストーン!」
「ウォーターニードル!」
採掘者パーティから30センチ位の真っ赤な火の玉に拳大の石と尖った水の塊がジャイアントアリゲーターに向けて飛んでいく。
3つの魔法が着弾するかと思われた瞬間に、水の膜が現れるとジュウと言う音を立てて魔法が掻き消されていた。
だが、ジャイアントアリゲーターの視線は商人から
外れたようだ。その目は完全に獲物を見る目だ。
まだ距離はあると思われたその時、その巨体の周りに十数個のウォーターニードルが形成された。1本の長さや太さも先の魔法の3倍はある。
「タンク!」
「おお任せろ、アースガーディアン!」
大きな盾を持った男は、盾を地面に立て腰を下ろすと叫んだ。その構える盾は黄色く光を纏った。
他のメンバーはその後ろで身を守っている。その直後、ガンガンガンと盾を打ち付ける音が鳴り響く。その音は水から出される音とは思えない重い音を出していた。
盾の男はメンバーに支えながらも、何とか今回の攻撃を無傷で耐え切って見せた。盾が変形しているが、身に付けていた守りの護符には影響はでていないようだ。
「どうするリーダー?」
「あの堅そうな皮膚に攻撃通りますか?」
リーダーは己の持つバスタードソードを見るが、その確証は無かった。
「あの商人は兵士が連れて行った、もう粘る必要は無いか。引くぞ。」
そう、このパーティが交戦中に兵士がダンジョンの中まで避難させていた。また詰所から兵士達が武装して降りてきていた。
1人の騎士を先頭に12人の兵士がショートソード、ラウンドシールドに革の鎧にチェインメイルと言う出で立ちで6人の2列横隊になってジャイアントアリゲーターと向き合っている。
徐々に採掘者パーティが後退を始めた時、獲物が逃げ出したと思ったのか兵士達を無視して、巨体に似合わない身軽さで飛びかかってきた。
「くっアースガーディアン!」
男が構えた盾を咄嗟にその巨体に向けた。だがその衝撃は想像を絶する物で後ろにいたパーティもまとめて吹き飛ばした。
幸いにも、その巨大な顎からは逃げ延びたが、その顎は目の前だ。
「防御態勢!、後列は援護射撃開始!」
勇敢にも前例の6人の兵士と騎士はジャイアントアリゲーターと採掘者の間で横並びになると、30発近いファイアボールがその巨体に命中する。
大半は水の膜で遮られていたが、何発かは直撃しジャイアントアリゲーターは唸り声を上げた。
その巨体の周りにまたしても、大量のウォーターニードルが形成されていく。それに合わせて兵士達も腰を下ろす。
ブンと言う風切り音と共に丸太の様な、尾が兵士達の真横から遅いかかる。前方の魔法を警戒していた兵士は盾を向ける事も出来ずに騎士を残して何メートルも地面を転がされて行った。直ぐに立てそうな兵士はいない。
「なっ!」
そこへ騎士目掛けてウォーターニードルが遅いかかる。騎士はラウンドシールドで防ぎながらもショートソードでも叩き落としていたが、それでもダメージが有った様で、攻撃が終わると片膝をついて肩で大きく息をしている。
「護符が切れた者から後退させろ、時間は稼ぐ。」
騎士は立ち上がると、後列の兵士に指示を出す。まだ自分は闘うようだ。
「前例6人、採掘者5人全て後退させます。」
「ああ、早くしろ!」
兵士達が肩を貸して後退していく。それでもまだ何人かはその場で倒れたままだ。
ジャイアントアリゲーターはグッと力を溜めると、騎士目掛けて飛びかかってきた。口を大きく開けて!
「ハア!」
騎士は躱しながら、すれ違いにショートソードを振るその赤い光を帯びた刃は巨体を僅かに切り裂いた。たが致命傷には程遠い。
ジャイアントアリゲーターは再び、ウォーターニードルを形成するが、その数は先程の2倍だ。
「くっ!避難はまだか!」
残りの兵士達がいま、担がれようとしている所だ。それを横目に確かめた騎士は覚悟を決めて、盾に光を集めていく。
「ファイア!ファイア!ファイア!」
「ストーン!」
「ストーンです。」
「尾はわたくしが。」
「タリリエアリアルスマッシュ」
「バンバンバン」
「いっけー!」
炎の柱が上がるのを合図に尖った巨石がその堅い皮膚を貫いていく。
尾が不自然な動きで縮んでいくと、根元から切り取られ小さな肉塊になる。
タリリの風の刃がジャイアントアリゲーターの顎に当たり何本か折れた。
俺のレーザービームは表面を焦がす事も無かった。どうやら精霊はお休みになったようだ。
既に巨体の周りに形成されていたウォーターニードルは霧散しており、その巨体はファイアとストーンの魔法によって5つの塊へと姿を変えていた。
「なんだ?」
突然の出来事に騎士は後ろを振り返ると、そこにはとても高ランクの採掘者には見えない格好のパーティがいた。
「カレンさん、ポーションでお手伝いお願いします。」
そう言うとマリリさんは騎士へと駆けつけていく。
俺たちは指示どおりにポーションを取り出すと、兵士に手渡していく。
モンスターが倒されたと見ると、門の前で逃げ遅れていた人々から歓声があがる。手の空いた兵士がダンジョンに駆け込み、避難した人に伝えに行くのも見えた。
「ありがとう、助かった。あんな化け物がいるなんてな。」
騎士は地面に腰を下ろし、マリリさんの治療を受けている。
「本当に驚きました。」
「君らは採掘者か?」
「はい一応は、本日から教会へ赴任予定でしたが、また遅刻してしまいましわ。ふふふ」
マリリさんは完全に閉じられている城門をみて、可笑しそうに笑った。
「怒られはしないのか。私から説明してやろう。」
どうして遅刻したのに、笑っているのか不思議な顔をしながらも騎士はマリリさんを気に掛けてくれている。美人は得だな。タリリも黙っていれば同じなのにと残念な気持ちになった。
「いえいえ、お気持ちは有難く頂戴いたします。ですがもう1ヵ月以上は遅れておりまして、漸く到着したにも関わらず、こうしてまた街の外にいる事が可笑しくてつい。ふふふ。」
マリリさんはまだツボに入っているみたいで、上品に笑っている。
「マリリさん、こっちはokよ。」
「こちらも終わりましたわ。あらどうされました?」
カレンとフランシスカさんがマリリさんの所に集まってくると、その様子に気がついた。
「いえ、せっかくリーリオに着いたのに、気付いたらまた外にいたのが可笑しくて、ふふふ。」
「そうね、また野営ね。」
「あら、閉門時間なんですね、ふふふ。」
そんな3人の顔には満足げな笑顔が浮かんでいた。
騎士が気を使い、詰所での宿泊を勧めてくれたがタリリ以外は丁寧にお断りしてしていた。きっとポケットコテージのベッドの方が良いと思っているんだろう。
川沿いを東に歩いていくと、何本か木立が立っている場所があり、ここならポケットコテージを見られないと宿営地に決めた。
「タリリ、もう諦めて下さい。男性ばかりの詰所では落ち着けませんわ。」
「騎士は紳士だ、コイツの方がよっぽど危ない!」
タリリは騎士達と一緒に居たかったのか、ただ詰所に入りたかっただけなのか分からないが、まだ諦められないでいた。
マリリさんには文句は言わずに、俺にダメージを与えてくる。
「フランシスさん、今更だけど、公爵家の長女が1人でこんな男と一緒の屋根の下で大丈夫なの?コイツは今日から馬車でも良いわよ。」
「待て、明日からにしてくれ。馬車は街だ。」
「あら、ここには男性はいらっしゃいませんわ。こんなに綺麗な女性ばかりなのに、手も出さないヘタレなんて男性では有りませんわ。」
「そうですよねー、普通口説いてきませんかねー。キミ可愛いね、2人きりでダンジョンでもどうかいとかですよねー。」
「そうですね、シスターでも家庭を持つのが普通ですから遠慮は不要ですのに。」
「わ、私は。もう!駄目よ駄目よ、アンタはここで寝ていいから、すぐに寝なさいよ。今すぐに!ほら早く!」
「さすがカレンさん、もう寝かせますか。」
「ヘタレにはそう行けばいいんですねー。」
「勉強になります。」
「なななななな、何よ!私は寝るわ!お休みなさい。」
そう言うとカレンは皆の笑い声を背に、顔を真っ赤に染めてミカンちゃんの寝る、寝室へと入って行った。
「お、俺はここで寝るから。」
このポケットコテージには寝室は3つしかない。マリリさんとタリリさんで1つ。フランシスカさんとジェシカさんで1つ。俺、カレン、ミカンちゃんで1つを使用していた。
この雰囲気でカレンを追い掛けるのが、躊躇われそんな宣言をした。
やっぱり確認は大事ですね。




