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ミッション リーリオに向けて

60話 王都でショッピング

61話 リーリオに向けて


が正です。60話がリーリオに向けての方はすみませんが読み直しをお願いします。

これから俺たちは最短8日の予定で国境の街リーリオに向かう。イーリス、リーリス、リーリオと途中2つの街を経由して行く。


しかし、経由地の街の名前が似たり寄ったりで分かりにくい。名付けた奴等に文句が言いたい。そんな事を考えながら門を潜ろうとしたが、カレンが兵士に呼び止められた。


「カレン様でしょうか、少しお待ち下さい。」

「え、はい。」


本人と確認が取れると、兵士の内の1人が騎乗し城の方へ走り出した。


「お、おい、何したんだ?」

「何もしてないわよ。」

「フロースのダンジョンで絡まれた件か?」

「え?ウソっ?!」


兵士に聞かれない用に小声で相談を始める。他に兵士に呼び止められる事と言えばなんだろう。


「ダンジョン発見の件で未だ、やり残した事があるんでしょうか。」


マリリさんの提案でカレンは少しだけ、安心したそぶらりを見せたが直ぐにタリリによりどん底に戻される。


「やはり、ランク5のパーティが突然いなくなったら騒ぎになると思うぞ。」


タリリの周りを気にしない声量に、マリリさんの視線による叱責が入ったがタリリの言葉をカレンは噛み締めている。


「今からクブルムに行った方がいい?アンタどう思う?」


まるで捨て猫の様な弱々しさでカレンは不安そうに問いかけてくる。


「ほっとくしか無いな。もうあれから3日経ってるからな。それに俺たちが疑われても大丈夫だ、証拠も無いし。」


俺は自分の胸を親指で指すと


「カレン、指示は俺が出したんだから責任を感じる必要は無いぞ。あんな奴ら死んだ方が世の為だ。」


カレンは死と言う言葉にピクリと反応している、気にしている様だ。なんとかしてやりたいと悩んでいると馬車がガラガラと石畳を走ってくる音が近づいて来た。


周りの人はお偉いさんか、公爵家の馬車だとか口々に囁き合っている。その公爵家の馬車がカレンの目の前で停車した。


「公爵家に知り合いは?」

「いる訳ないでしょ。」

「だよな。」


先ず執事がおりてくると馬車に足場をセットして行く。誰が降りてくるのかと不安げに眺めてにいると、青いドレスを来た少女がステップを飛び越えて跳ねる様にカレンに駆け寄るとカレンに抱きついた。


「カレンさーん!お久しぶりです。」

「え?え?えー!フ、フランシスカさん!」


俺たちの緊張感は一気に霧散した。カレンは自身は気づいていなかったが、仕切りに腕輪を触っていたのは、この場から消えてしまいたかったんだろう。


カレンは安堵から今にも泣きそうな表情をしている。フランシスカさんの笑顔とは対照的だ。


「もう、王都に来たら声を掛けて下さいって言いましたのに。」

「ご、ごめんなさい。ちょっと待って、訳が分からないわ。」


カレンの動揺する様はそのままに、フランシスカさんはどんどんと話を進めていく。


「それにダンジョンを発見されたんですよね。貴族の間ではカレンさん達をどうやって取り込もうかと、みんな必死ですよ。」


ここで執事さんから横槍が入る。


「お嬢様、お客様をご招待されてはいかがでしょうか。積もる話もございますでしょうから。」

「そうね、カレンさん。お時間頂いてもよろしいでしょうか。もちろんヘンタイさんもご一緒に。」


そう微笑むフランシスカさんは、以前よりも自信に溢れ、カレン直伝の最低なアダ名も残念ながら健在の様だ。


平民と貴族を分け隔てる城壁を抜け、大きな屋敷の前に馬車は停車した。馬車は金属製の門を抜け、庭園の中をゆっくりと進んでいく、綺麗な植木や花壇が延々と続き屋敷の広さを表している。


「こんな所に、勝手に入って大丈夫かしら。」

「来て頂かないと寂しいですわ。」

「勝手じゃないからな、取り敢えず落ち着け。」


フランシスカさんを中央にカレンとマリリさんが座り、その対面に俺、タリリ、ジェシカさんが座っている。ミカンちゃんはカレンの膝の上だ、執事さんは御者台に座っている。


「カレンさん、後でこの綺麗な方がどなたか教えて下さいねー。」


ジェシカさんがタリリの横で、そんな事を言っているが狭い馬車の中では、誰も答える事が出来ないでいた。


応接室らしき部屋に通された俺たちは、借りて来た猫の様に静かだ。ただ一人ジェシカさんは室内の調度品を眺めたり、壁の絵画を背伸びをして眺めたりしている。


テーブルには6つのカップが置かれ、上品な紅茶の香りが漂っている。フランシスカさんはカレンとミカンちゃんを見る。


「ミカンちゃんはジュースのが良いかしら。」


フランシスカさんはミカンちゃんが頷くのを見ると


「お好きなジュースを持って来させますから、遠慮しないで下さいね。」

「オレンジジュースが良いです。」


ミカンちゃんのリクエストを聞くと、メイドさんはジュースを取りに一旦退出した。


しばらくして、ミカンちゃんの前にオレンジジュースのコップが置かれると、フランシスカさんはメイドさんにティーポットを机に置く様に促した。


「ここは私がしますので、呼ぶまでは誰も入室しないように。」


フランシスカさんがメイドさんに人払いを伝えると、メイドさんはお辞儀をして廊下へ出て行った。


「これで人数分のお茶が入りました。そちらの方もお掛けになってお茶に致しましょう。」


フランシスカさんはジェシカさんの目を見て、少しお茶目に微笑んで見せた。


「あ、は、はい。」

「フランシスカさんはジェシカさんが見えるの?」


ジェシカさんは俺の横に腰掛けると、動かなくなった。


「はい拝見してましたわ、それにしても嬉しかったですわ。綺麗だなんて、ふふふ」


フランシスカさんは俺たちと同じレベルでジェシカさんを認識できる様だ。


「フランシスカさん、もしかして初めから?」

「はい、皆さんジェシカさんと仰る方を目で追ってらっしゃるのに、無視をしているのはどういう事かと真剣に悩みましたわ。」


カレンはジェシカさんは普通の人には見えない事、王都へ来る途中でクブルムの街で知り合った事、そして一応は1年前に亡くなっている事を説明して行った。


「ではダンジョン発見の情報提供者の女性というのが、こちらのジェシカさんご本人でいらっしゃるんですか。」


「はいジェシカです。部屋をウロウロして申し訳ありませんでした。」


ジェシカさんは恐縮して小さくなっている。そんなジェシカさんを見たフランシスカさんは扉を指した。


「そんなに緊張しなくてもいいですわ。その為の人払いですわ。」

「はい、ありがとうございます。」


フランシスカさんはジェシカさんの様子を暫く眺めると満足げにしている。


「1年も前に亡くなった方の恋文を元に、ダンジョンが発見されたと聞いていましたが、正直ただの偶然という意見が大半を占めています。」


「しかし本当は妹さんをゴブリンから助ける為に、カレンさん達に討伐をお願いした、その副産物がダンジョン発見だったんですね。」


「そうよ、けどそんな事誰も信じないわ。だからジェシカさんに証拠としての手紙を後で書いてもらったのよ。その手紙がコイツへのラブレターと勘違いされてね。」

「あの時も調子に乗りました…。」


益々ジェシカさんが小さくなっていく。


「ふふ、これで私も秘密を共用する仲間ですね。なんかワクワクしますわ。」


一方でフランシスカさんは上機嫌な様子でいたが、不意に思い付いた風に口を開いた。


「ジェシカさんは、ヘンタイさんをどう思います?」


「ヘンタイさん?カケルさんの事ですよね、私の話を最初に聞いてくれたのはカケルさんでした。だからその事はとても感謝してるんですが、初対面で胸を触られたり、隙あらば下着を覗こうとするのはちょっと引きますねー。」


「まぁ!それがヘンタイさんのヘンタイなんですね!」


「そうなんですよー。もう最近は隠すのが面倒くさくなったのか、開き直ってくるんですよー。この前なんてパンブキンズの店内で私のスカートに手を掛けて来て、下着を見せろって言うんですよー。」


「そうなんですね、そう言われればカケルさんと初めて、お会いした時に視線を感じていましたが、下着に興味をお持ちだったんですか。」


フランシスカさんの巧みな誘導でジェシカさんはいつの間にか、いつもの語尾に戻っている。それは良い事なのかもしれないが、俺の評判がガタ落ちだ。


「きっとそうですよー。下着ならなんでも良いみたいで、勇者様の縫いぐるみのスカートまでもめくってましたから。」


「は?アンタ…。」

「ヘンタイさん…。」

「それもパンブキンズでの話ですね、確か。」


カレン、フランシスカさん、マリリさんの俺を見る目は汚い物を見る目だった。目が笑っていない、これは駄目な奴だ。


「ハハハ、ギャグだって。」

「見たのね。」

「ヘンタイさん。」


しまった、誤魔化し方を致命的に間違えた。話題を変えなくては。


「フランシスカさん俺たちを呼んだのは、何か頼みたい事があるんじゃないですか?」


フランシスカさんはハテと首を傾げると


「いいえ、特には御座いません。カレンさん達とお話しをしたくて。」


あれ?おかしい。俺は咄嗟に思いついたことを口にする。


「だ、第3王女様ってどこにいらっしゃるんですか?」

「え、どなたですの?」

「アンタ、それ王都で口にしない方がいいわよ。」

「カケルさん、私からも口外しないようにお願いします。」


またマズった様だ、2人の叱責が領空侵犯に対するスクランブル発進の戦闘機の如くマッハで飛んで来た。


俺がそれ以上黙っていると、フランシスカさんが聞いて来た。


「どこの国のお話でしょうか?」

「え?」


その一言で興味なさげにしていたタリリやミカンちゃんも含めた全員の視線がフランシスカさんに集まった。


「はい?どうしましたのでしょうか。」

「流石、フランシスカさんね。この国以外の第3王女様って可能もあるのね。」

「どこだ?帝国か?」


俺たちがテーブルに身を乗り出して、話し始めたその時にドアがドンドンと叩かれ作戦会議は中断を余儀無くされた。

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