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最凶  作者: なっしー
98/130

098 世界会議

ムスターファ視点です。

1年に1回世界会議が開催される。

緊急時の時は転移を使える魔導師がいる国だけだが、本来この世界のすべての国家、民族の代表が集まる。当然小規模な戦争中の国もあったりするが、世界樹内で刃傷沙汰(にんじょうざた)は御法度である。

故に代表者と付き添い1名のみ参加で武器の類は持ち込み禁止である。


もともと世界会議は世界の行く末を決めるものだが、これだけの代表が集まれば、文化交流や経済協力等の会談の場でもあったりする。


「さて、来年の指針は概ね決まったが、いかがか?」


ムスターファが終会に向けて意見を問うと…。


「1つよろしいか?」

「どうぞ」

「最近、100年王国とアクア共和国の発展がものすごい勢いがあるとか…。」

「私もそれは聞き及んでいますが…、そもそも両国の間に我が国があるのにどうやって行き来しているのだ?」

「それは…、」


アクア代表のソーンがムスターファに事実を言うかどうか目線で伺う。


「それについてはバーン帝国の戦後処理の一環です」


ムスターファはボカしながら説明すると、


「私は天魔の魔女が関わっていると聞いてますが?」


カンゼ皇国の代表が口を挟む。


「なんと!」

「いやしかし、バーンが滅んだのも天魔の魔女だとか…」

「100年王国では、センチュリーなる集団でかなりの経済を回しているとか」

「アクアには新技術がどんどん開発しているとも聞いていますぞ!」

「それなら我が国にも何かしらの援助をして頂きたいですな!」

「そもそも天魔の魔女は国家に関わることは無いのになぜ2国だけ関わるのですか?」


ムスターファは収集する為両手を叩く。


「静粛に!」


各国の代表による不平不満がピタリと止む。


「状態をお伝えすると、100年王国の場合、特殊な環境の為、天魔様に監視管理をお願いしている。また、バーン帝国については私からの依頼で帝国の滅亡、新国家の樹立をお願いした流れでのことである!」

「しかし…」

「多少入れ込みすぎている気がしますが、両国については未だ天魔様の管理下にあると思っていただいて構いません!また、アクアは新法によって他国侵略はしないし、100年王国も特殊事情から戦争をすることはないでしょう!両国が他国を侵略する事はないので安心してください。また、逆に両国へ攻め込めば天魔様の報復がある可能性は高いのでバーン帝国の二の舞にならないようにして下さい!」


他国の代表はバーンの二の舞と聞いてゴクリと喉を鳴らす。天魔の魔女の報復は国家を1日で滅ぼす。コレは各国の常識になっていた。


(まぁ、仕方ないですね)


ムスターファは、天魔の魔女の名をあまり出したくは無かったのだが、今回は仕方がない。


(後でユキ様に蹴られそうですが…)


後のご褒美…、折檻を想像してブルっと身を震わせるムスターファであった。

ムスターファのMはイニシャルだけではありません!

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