068 門
69話の続きです。
今まで基礎理論だった『門』が実践でも使えるようになった。温泉さまさまである。
「だが、実際に使用はできないだろうな」
「国家間の問題ですか?」
「うん、やろうと思えば門から大量の兵士がいきなり攻めてくるとか怖いだろう?」
「それなら実験的にアクアと100年王国で実施してはいかがですか?」
「そうか!アクアは戦争を仕掛けることはないし、100年王国も領土に興味はない…。できるかも!マールナイスアイデア‼︎」
マールはスっごく喜んでる。今回は大手柄だ!
「そうしたら善は急げだ!行くよマール!」
「ハイ!」
私達は100年王国の長老、アクアのソーンと会合を開いてる。場所はアクアの小会議室だ。
「って感じで2国間の移動距離を無くして、両国の流通や文化交流、99年先の話だが流浪の民の受け入れをし易くするのが目的だ」
「我々には願っても無い話です」
「アクアも先日の『巡礼』でセンチュリーのファンが多く、受け入れには問題は無いと思います」
「大丈夫だと思うが、小さな諍いはともかく、戦争とか起こしたら私は金輪際手を貸すことは無いからね!」
「「絶対にしません‼︎」」
2人は汗を大量に流しながらコクコクと頷く。
「そういうことなら念のため2国間の通商条約とか結びましょうか?」
「そうですな!調印すれば他国にも宣伝になりますし!」
「小さな犯罪もあるだろうから懲罰も両国で話し合いましょう!」
うむ、いい感じである。
100年王国の場合は99年後異動してしまうので王国外に門を作る。王国の南門から少し離れた場所だ。この位置ならキャラバンの邪魔にはならない。
アクアは旧貴族街の再開発地区に門を設置する。
両門に魔力を最大に充填して行き来をしてみる。
「うん、問題は無いか」
「成功ですね!」
門の大きさは荷馬車が通っても問題ない大きさだ。コレでロンド大陸の東と西の距離が一気に縮まる。もちろん盗賊などの問題もあるので両門には衛兵をつける。もちろん詰所も作っておく。当然税金の徴収は無しだ!
…最初は商人が通ると思ってたのだが、最初はアクアのセンチュリーファンが大勢100年王国へ流れて行った。門の開通記念の小ライブ狙いだそうだ。
100年王国の魔術師もある程度マイク調整とかできてきてるから今回は任せて見た。
ソーンは再開発地区を100年王国の第2の故郷にするとか言っていたしいい感じに交流できているようだ。
おそらくこの2国はこれから大きく発展するだろう。
他の国に狙われないように2国は私の保護下にあることをムスターファに告げておかないと…。
本来私は国の運営に関わらないのだが、この2国は縁が深いから例外としておこう。
その後100年王国の長老は現地限定グッズを作ったそうです。




