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最凶  作者: なっしー
66/130

066 出張温泉

55話の続きです。

私達はトリアイナへ向かうことにした。

先日の魔女?騒ぎの件を伝えるためだ…。

決しててサクセスの件で浮かれて忘れてた訳ではない。

ちょっと時間が開いてしまったので何かお土産でも持っていくことにしたのだが…。


「ホッコリ温泉郷のホッコリ饅頭がいいです!」

「ウン、オイシカッタ!」

「私は魔女?の棲家かからガメ…、コホン、徴収した金貨でいいと思うのだが…」

「そんな後ろ暗いブツはお土産にしちゃいけません!」


うーむ、そんなものか?

とりあえずホッコリ温泉郷へ転移して饅頭を買い占めた。なにせ70人分である。売り子のおばちゃんは暇だったのか喜んでくれた。


さて、私はトリアイナへ転移する。


「ユキ様!お久しぶりです!」

「やあココ、おっ、少し大きくなったか?」

「成長期ですから!」


マールが羨ましそうにココを見ている、が気を取り直し。


「ココ、お久しぶり!コレはみんなにお土産です!」

「わぁ!こんなにいっぱい!ありがとうございます!」

「オイシイワヨ!」


饅頭50箱。『浮遊(レビテーション)』を解除するとかなりの重さになる。なので各家庭に1箱づつ取りに来てもらった。


「温泉ですか…。入った事ないですが羨ましいですね!」

「まぁ、私達もいつも入れるわけではないけどね」


トリアイナは空気の層があるとはいえ、海底1000mなのでいつも肌寒い。こんなところに温泉があったらさぞ人気だろう。


「………」

「先生?どうかしましたか?」

「いや、トリアイナに温泉はできないかとちょっと考えていたんだが…」

「!できるんですか⁈」


ココは期待の眼差しを向けている。おおぅ、美少女の期待に満ちた目は眩しすぎる!


「……!できるぞ‼︎ココ、何処かに空き家とか、使ってないスペースは無いか?」

「それならあの家がそうですけど…とりあえず長老に聞いてみます!」

「うん、お願い」


ココは長老の家へ向かって行く。


「でも先生?この辺に海底火山とかあるんですか?」

「いや、それだと海水温泉になっちゃうじゃん。そうでなくて今研究中の『(ゲート)』を使おうと思う。うまくいけばウチにも温泉がひけるぞ!」

「ホントですか!」


マールもミクも嬉しそうだ。理論的にはできるが初めての試みなのでちょっと不安だが…。

そんなコトを考えていると長老のオルカが来た。

相変わらずシブい。


「おお、ユキ様。お久しぶりです」

「うん、オルカも元気そうだな」

「おかげさまで…。それで、ココから聞いたのですがイマイチよくわからないのです。温泉に入れるとかホッコリとか…。ココが興奮していてなんのことやら?」


ココは顔を赤くして小さくなる。わからなくも無いが…。


「うむ、トリアイナに温泉を作ろう思っているんだが、あの家屋はもらってもいいか?」

「それは構いませんが…、温泉?この近くに海底火山はありませんぞ?」


いやだからね…。


「まぁ、いいから見ているがいい」


私は家屋を材料にウッドゴーレムを作り基礎工事を始める男湯、女湯に分けて湯船は露天風呂と室内風呂、内装は山を描くか…。周りが海だし…。

1つの風呂には4人くらい入れる大きさで、脱衣所、ロビーも作る。ソファーは転移して買ってきた。湯上りの牛乳は保冷庫で冷やす。ちょっと大きめになったがまぁいいだろう。後は温かい空気を逃さないように『結界(バリアー)』を施し建物は完成。


「…肝心のお湯は何処から出るのでしょう?」

「ここからが本番さ!」


設置したパイプには入口出口の機能がある小さな永続性転移魔法を付与してある。

男湯にはマーメイド、女湯には伝説の海神の持つツボから湯が出てくるようにした。


「ココ、ちょっと出かけてくる。湯が出たらクリスタルで『遠話』してくれ」

「わかりました!」


私達はホッコリ温泉郷の源泉に転移した。湯の汲み取り用のパイプを源泉に設置して、排水は源泉の外へ設置した。私の魔力を最大に充填すると、通話用のクリスタルから音が鳴る。


「ユキ様、お湯が出ました!けど熱そうです!」

「わかった。今から調整するから待ってて!」


うみゅ、どうするか…。そうだ!私は調整用にパイプを用意してトリアイナの外に設置する。

つまり、源泉→海中→温泉となる。パイプの切り口に転移をかけているので海水が入ることはない。おそらく海温は1度位なのでいい具合に冷やされるはず。


「ココ、どうだ?」

「ちょっと熱いですが、いい感じです!」


うみゅ、大成功じゃない?

ついでに温泉でない湧き水もパイプを用意して温泉の建物の脇に金属の箱を設置して『浄化(ピュリフィケイション)』と『高熱(ヒート)』を施し水とお湯にして蛇口をひねると出るようにする。

完璧!


湯が溜まったようなので最初に入ってみることにした。


「うん、温泉だ!」

「スゴイですね!生まれて初めて入りました!」

「内風呂では身体も洗えるようになってますね!」

「ウーン、ホッコリナノ!」


「うみゅ!極楽極楽」


ココはまだ幼いが、トリトン族だからか?妙に色っぽさがある…。これで10歳とか…。うむ、将来が怖いぜ!


風呂から上がって牛乳を飲む。キンキンに冷えて美味しい。服を着て外へ出ると、温泉に入るための列ができていた。みんなホッコリしたいらしい。

次はウチにも設置するか。



後日、トリアイナに行ったら看板が出来ていて『ユキ様の湯』とネーミングされていた。だからなんでその名前なんだ?

ホッコリ海底温泉開業です。

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