032 眷属
31話の続きです。
帰還してすぐ私はマールとミクの様子を伺う。
2人は普段と変わらないようだが…。
「マール、スマン!私の落度だ」
「先生、そんなことは無いですよ。キツネが出て来たのは偶然ですし、私もミクちゃんのおかげで大丈夫ですし…」
「そのことなんだけど、ミク、アナタはマールを救ってくれたの?」
「ミクハトクニナニモシテナイヨ?」
「ん?でも私の傷がすぐに治ったよ?痛みもほとんど無かったし!」
…、もしかしたらコレは…。
でも、私の場合とは違うし…。
すると目の前がパッと光ったと思ったら、
「何やら面白いことになってるじゃない!」
アオの登場である。
「アオ、説明できるか?」
「もちろん!」
かいつまんで説明すると、ミクに気に入られずっと側にいるマールはミクの眷族の様なものだという。原因はミクが無意識に発している神気を絶えず浴びていたせいだとか…。確かにミク出現から約半年、ミクとマールは寝るときも一緒だった。
「しかし、そうすると私も…?」
「いやいやいや、ユキちゃんはすでに神の眷属だし!すでにミクよりも魂は高位なのよ!」
「なん…、だ…、と…?……ん?眷属?眷族ではなく?いや、高位⁈」
つまり私とマールは人間の肉体ではあるが、不老不死である…。まだ死んだコトが無いのでピンとこないが…。
だが、10次元シフトするとマールは常人と同じであるが私はまだ神に近い存在となるらしい。
といってもこの世界ではほとんど一緒ということだ。先程も切られた時に無意識に『死にたくない』というマールの意思が傷を瞬時に『無かった事』にしたようだ。
「つまりマールちゃんは、ミクがこの世界と完全に隔離した時には不死性は無くなるかも知れないから気をつけてね。ユキちゃんは未来、過去、この世界、死後の世界、どこの世界であろうと願った瞬間復活する感じ?」
「うみゅ、よくわからないがマールがほとんど私と同じってことか」
「ちょ、いきなり先生と同じにはなれませんから!」
「まぁ、とりあえず今までと変わらないで面白楽しくすればいいんだよ、ね!ミク!」
「ハイナノデス!」
「んー、まぁそうですね!」
「やっぱあんた達面白いわ!」
と、ただしこの先ミクの意思が神の望みに歯向かわないとは限らない。それを防ぐためアオは水晶から蒼い腕輪へ変化して私が常に身に付ける事となった。暇してたんだな、コイツも…。
マールさんもとうとう人間やめ…ゲフンゲフン。




