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最凶  作者: なっしー
108/130

108 守護竜

放置していた守護竜の話です。

今日は沈黙山脈に1人でいる。理由は恥ずかしいからだ。チョット前に見た戦いで気功を使う戦士がいた。チョットかっこよかったので使えないか確認してみる。

理屈は神の知識で知っている。が、知っていても使えるとは限らない。


「確か、鼻から息を吸いこんで、口から出す。お腹の辺り…丹田だったか?に力を入れて…」


私は右脚を強く踏み込む!

ドン!


「痛ーい!」


うぅぅぅぅ、膝がっ!

ちゃんと理屈通りやったけど結局出来なかった。

まぁ、簡単にできるなら修業とかいらない訳だし…。


ん?何か聞こえる…。

もともと沈黙山脈は特殊な岩の塊だ。音波はもとより波動を吸収する鉱石でできている。 そんな中で聞こえるとなると、かなりの大きい音ということか?


私は飛行(フライ)で辺りを見回すと…。いた!

銀色の竜が黒い大きな鎖に囚われている。

…コイツは行方不明の守護竜か?しかしこの鎖は?竜は何かを言いたい様だが身動きが取れない様だ。

私は降り立ち鎖をサクセスで斬る。なんらかの呪いを帯びている様だが、サクセスはその因果ごと斬りふせる。すると鎖は黒い霧となり霧散する。


「おお…」

「…大丈夫そうだな?お前は守護竜で間違いないか?」

「ああ、その見解で間違いない」

「うむ、それで守護竜よ、経緯を聞いてもいいか?私は天魔の魔女だ」

「貴女様が…。実は…」


どうやら2年くらい前にいきなり黒い影に襲われて鎖に囚われたのだとか。その間は記憶も曖昧で夢うつつの状態だったとか。相手の正体も不明だが、守護竜を狙ったことから、封印を狙ったものでは無いかとのこと。


「封印?」

「もともと私がこの地にいるのは、最悪と呼ばれた当時の魔王を封印した棺を守っていたためだ」

「魔王を封印?不死性がある魔王だったのか?」

「ああ、殺しただけでは蘇るので、封印するしか無かったのだ」


…とりあえず今度世界図書館で調べてみるか…。


「で?棺は今は?」

「ふむ、とりあえず無事なようだが…」


目的が違ったのか、それとも開けられなかったのか…。


「とりあえず、私の部下を常駐させよう。何かあったらすぐに知らせてくれ」

「…感謝する!」


うーむ、犯人の目的は何なのだろう…。

何やら事件の予感が…。

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