107 番外編③
106の続きです。
…もう、アイツらが優勝でいいんじゃね?
今戦っているのは剣聖と竜人。
剣聖が剣を振るい『真空切り』を放つ!が、竜人は気功か?全身にオーラを纏いダメージを軽減している。と、お返しとばかりに正拳突きで『衝撃波』を放つ。この動きが速いこと!遠目で見てもついていけない。
あっ、剣聖が5人いる…、いや、『分身』か?それぞれが『真空切り』を放ち、その中を追う様に突っ込んでいく剣聖。その切っ先が届こうという瞬間、竜人は背を向けて地面を踏み込む。『震脚』からの『発勁』!剣聖の防御を抜きダメージを与える。
「勝者ヤン!」
「次、竜王バハムート対神狼フェンリル!」
「始め!」
コレは…怪獣対決じゃん!あっ決まったか?
フェンリルが喉元を狙って駆け出したらバハムートが口からフレアを放って終了した。身もふたもないな…。
さて、4強が決まったようだが次は準決勝かな?
と思っていると審判から意外なセリフが出る。
「次は決勝戦を行う!」
まだ4人いるのだが…?…まさか?
「勝ち残った4人によるバトルロイヤルで生き残ったものが勝者である!」
「はぁ」
「鬼族ユリ!魔女ユキ!竜人ヤン!竜王バハムート!準備せよ!」
まぁ、手っ取り早くていいか。
それぞれ東西南北に300mほど分かれ対峙する。
またバハムートの1撃で終わりそうだが…。こうなると私に有利な感じだな。…みんな脳筋だし。つまり開始直前に魔法を放つことができるのだ。しかも時間がかかる『隕石落下』とかを準備しておくことも可能だ。が、おそらくこのメンツに効果は薄いだろう。ならば…。
「開始!」
「『重力』30倍‼︎」
通常なら2倍だが、このメンツには30倍が妥当だろう。私は広範囲で放つ。
やはりというか、竜人とバハムートはそれでも立ち上がる。鬼娘は…地面に張り付いている。
まぁ、想定の範囲内だ。コレはあくまで足止め。目的はコッチだ。実は私はさっきの巨人との戦いの時に地面に魔方陣を書いておいたのだ。結構複雑だったので苦労したが…。小蝿の様に飛んでいたのはこのためだ!
『超新星』
強烈な光が生み出され、重力崩壊が起きる。ショックブレークアウトが起きてプラズマジェットが飛び出す。つまり太陽の終わりを擬似的に生み出した。この技、太陽系破壊ができる技なのだが、使うと死ぬ。住んでる惑星も太陽系も崩壊するからだ!が、今回は死んでも元の世界に戻るだけだし、その心配がない。というか、今回参加したのもこの技を試すのが目的だった。
「勝者ユキ!」
気がつけば予選を行なった最初の場所にいる。まぁ、あの状況で生き抜ける者はいないだろう。術者自身も含めて…。
「やったじゃない!」
「さすがっす!」
アオとサクセスが賞賛をくれる。
「貴女、強いのね」
「………不覚!」
「GRRRRUUuuuu」
決勝の3人?からも讃えられる。チョット気恥ずかしいが単純に嬉しい!
当の高位存在は…特に何もない様だ…。
まぁ、いいけど。
と、何やら頭の中に音が聞こえる。
『अ』
なんか澄んだ音?の様だ。
「神さまが、『力だけが全てでは無いが、それは確かなものである。精進せよ!』だって」
「…あんな短いのに?本当か?」
「ユキちゃんの世界の言語にするとそういう意味なのよ!」
まぁ、そういうコトにしておこう。
っと、世界が輝き出す。武闘会が終わったのでこの世界も終焉というとこか。
まぁ、いい経験になったし、まぁ、面白かった。何より勝ったし!
また次回もあるといいかも!
番外編はコレで終了です。




