106 番外編②
105話の続きです。
しかし、さすが異世界。戦う相手も色々な種族ばかりである。
本戦はそれを考慮しているのか荒野である…。一応観客は神の視点で見る事は出来るらしい。まぁ、観客といっても本戦に出れなかった敗北者なのだが…。
さて、今目の前で戦っているのが『鬼』と『魔王』らしい。見た目のギャップが激しすぎるぞっ!
ガキンっ!角を生やした少女の振るう金棒が魔王の右腕を吹き飛ばす‼︎魔王は変化形ですでに第4段階。もはや異形といったところだ。鬼の少女は黙々と顔をタコ殴りにしている。あっ、勝負ついた。
「勝者ユリ!」
魔王が降参して終わったらしい。…しかし、魔王や鬼が最強の世界とか…なんかヤダ。
「次、魔女ユキ対戦士ガン」
…相手は高い、人の形をした塔のようだ!いわゆる巨人である。
「開始!」
「グオオオオオオオォォォ!」
「さて、どうするか…」
図体がでかい…という事はマトが大きいという事だ。で、お約束なら動きは遅い。とりあえず挨拶代わりに『電磁砲』を放つ。
キュィィィィィィィィィン‼︎
右脇腹辺りを貫通してプラズマを拡散させている。が、
「ガァァァァァァ!」
動きが止まらず私を踏みつぶそうとする。とりあえず飛行で躱して『隕石落下』を準備しつつ足元に『氷河』を放つ!巨人は崩れ落ちたと思いきや足元を両手で叩き張り付いた氷を払いのける。まぁ、想定の範囲内だ。そして巨人に向けて300m級の隕石が加速しながら落ちる!
私は少し離れて空中を飛び回り様子を見る。決まったか?
「…、…、ウソっ!」
巨人はあろうことか回し蹴りで隕石を蹴り飛ばした!動きも早すぎる!…、なるほど、相手は巨人では無く単なる人族なのか!ただ、惑星が大きいせいか、重力もサイズも私達の常識を超えているようだ!つまり相手は普通にアリを相手にしているということだ。そりゃ手を抜くのは当たり前である。が、危険を察知したのか巨人は次の攻撃の為に構えをとる。武闘家といったところか…。
おそらく強力な広範囲術は効果がなさそうだ…。
ならば…!私は『加速』と『風結界』を自身にかけてサクセスを抜く!ヤツにとっては小蝿の様なものだがこちらにはサクセスがある!
「ふっ、今宵のサクセスは血に飢えているぞ!」
「飢えて無いっすよ⁈」
サクセスは自動で長さを調整してくれるので二の太刀は要らない。私は飛びながら巨人の右腕、左足を斬りつける!サクセスは容赦無く1撃で切り落とす。巨人は片手片足を地につき、
「ウオォォォォォン‼︎」
「勝者ユキ!」
降参した様だ。
まだ続きます。




