101 記録媒体
ユキ様、商売上手です。
「ユキ様!出来ました!」
私は恒例の博士とフランの討論会へ向かっていた時白衣の女性が声をかけて来た。
「えーと、君は確か…」
「ハイ!生活魔法科記録媒体研究室のマイです!」
「あー、マイ君久しぶり!」
すまん、全然顔を覚えてなかった…。
「で、何が出来たって?」
「そうなんですよ!私達が研究していた記録媒体が画像・音声再生できるようになったんです!」
「っ!やったじゃないか!」
「ハイ!」
私達は研究室へ足早に向かう。
部屋の中では白衣の男女が3人くらい机の水晶をいじっている。その中でも壮年の男性がこちらに気づく。
「おお、ユキ様!お久しぶりです。ここへ来たという事は聞いていますね!」
「ああ、記録媒体開発に成功したとか!」
「そうなんですよ!今回マイ君がアクアセンチュリーハウスの大型スクリーンを見て、『幻影』の変化版を水晶に閉じ込めることを発案して成功しました!」
なるほど…、しかし、そうなると。
「再生回数はどうなっている?」
「さすがユキ様ですね。そう!通常の水晶では1回の再生ですが、そこで使うのは紫水晶です!」
「っ!なるほど!紫水晶水晶なら魔力さえ注入すれば何回でも再生が可能か!」
もともと水晶は魔力を通したり、溜めたりできる性質を持つ。紫水晶の場合その強化版である。価格もそこまで高くない。
「今できている試作では1回記録すれば何回でも再生できるようになっています」
「…、それならば、記録するときにちょっと工夫してもらいたいのだが…」
私は100年王国のセンチュリーメインステージにいる。もちろん花組と星組にスタンばってもらってる。が、観客はいない…。
「さあ、みんな!説明した通り1発勝負だ!いい笑顔でね!」
「「「ハイ」」」
私はカメラを構えてフライしながら撮影する。
ステージ、ライトアップ、衣装、メンバーの歌も振り付けも笑顔も完璧!みんなの個々の顔をナメるように撮影してサビの時は引いて全体的に撮る。
再生動画をチェックする…。
「うん、いいと思うけどみんなはどう?」
「サビに入る前の引きの角度なんですけど…」
結局3回撮り直してそれを編集することにした。
このクリスタル、くっつける事で任意の映像を送信することができる。コレでマスターテープを作りコレをコピーする。勝手なコピーを防ぐためできたクリスタルを『変化』させて円盤状にする。コレにタイトルを書いて完成!
各クリスタルには1曲づつが入っていて再生可能である。
販売価格は1枚銀貨2枚。3枚セットで銀貨5枚。初回限定はメンバーのコメント映像とメンバーのサイン付きで銀貨3枚。コレに販売記念ミニライブチケットをつけて銀貨5枚で販売すると3万枚が瞬く間に売れた!恐るべしセンチュリーファン!
花組と星組は日をずらして開催した。今回は3曲分の販売なのでミニライブの曲目も3曲。この記録媒体で過密なライブも抑えることもできるだろう。
売り上げもかなりのもので、開発室やメンバー、スタッフにもボーナスが出せる!
この他にも色々使い道は出てくるだろう。うみゅ、新発明さまさまである!
マールちゃんの絶景!世界紀行も大人気だとかw




