010 魔族の国
ユキ様、たまに天然入ってます。
ロンド大陸の最北に魔王城はある。
150年ほど前には魔王がどうの、勇者がどうのと永きに渡る戦争が行われていたが、今では互いに不干渉を貫いている。
平和で結構である。
今回は魔王が代替わりしたのでちょっと顔を見に来たのである。
「グフっ!」
「--っ!」
城門を通ってから魔族の兵士が襲いかかってくるが魔法障壁と『重圧』の魔法で無力化する。
「やはりアポイントはチャンと取った方がよろしかったのでは?」
「まぁ、いつもの事だし大丈夫だろう」
マールは心配症である。魔族の場合には力の関係はハッキリとさせた方がいいのだ。誰も殺してはいないから大丈夫、大丈夫。
…と、玉座の間に到着した。扉を開けるといきなり『業炎』の魔法が放たれた。無論『解除』しておく。
「魔王の御前である。何者の狼藉かっ!」
「っ!王!このもの…この方は天魔の魔女様でございますっ」
「なっ!こやつがあの…?」
「久しぶりなのにご挨拶だな…」
わざとらしく不機嫌そうな顔をしてみる。
すると玉座の間にいる魔族が一斉に慌てて、
「けっ、決してその様な…!」
「何卒ご容赦をっ!」
「まあいい、今回は新たな魔王の顔を見に来ただけだし…、何も変わったコトは無いだろうな?」
「もちろんです。150年前のあの件より我が国は平和になり、以前よりも繁栄しております」
「このご恩は我ら魔族一同忘れませぬ」
「…の割には私の顔を忘れ襲いかかってくる魔族も多かったが…?」
「そっ、それは…!」
「冗談だ」
「だからアポイントを取った方が…」
マールが小さくボヤく。が、この国は地理的に他の国と隔絶しているので事前連絡は無理なのである。いきなり玉座の間に『転移』しても変わらないし…。
「36代魔王となりましたディール3世にございます。先代に引き続き天魔の魔女様との盟約通り、我が魔族から人族への侵攻はいたしませぬ!」
「うん、結構。今回は何もしないで帰れそうだ」
何やらみんな明らかにホッとした顔をしている。
失礼な、だかが150年前には国境に『対消滅の力場』を作り、30年前には魔王城の周りを『瘴気の沼地』変えただけなのに…。
まぁ、『対消滅の力場』は空間が歪んでしまってビビったけど…。沼地は魔王城なんだから景観的にいいと思うのだが?
「私との盟約はゆめゆめ忘れることのない様に。次は加減を間違えて大陸が地図から無くなるかも知れぬし…」
「もちろんです!我らとて、滅亡したいわけではありません!」
その言葉を聞き、私達は魔王城を後にした。
初ブクマ♪感謝感激!




