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オレは魔族でも魔王でもねぇ!  作者: 結城ゆき
序章 異世界召喚!?
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0話 プロローグ ~動き出す歯車~




 人は自分の理解を超えた出来事に出くわすと、脳が情報を処理しきれなくなり思考を停止させると言われている。


 さてオレは今、そういう状況出くわしていると言っても過言ではないと思う。


 具体的には、一糸(まと)わぬ姿の金髪紅眼美少女に光の剣を突き立てられているという理解を超えた状況。



 ■■■



 人は自分と異なるものに異常なまでに拒絶反応を示す。

 それは子供であっても例外ではない。

 いや、むしろ子供のほうが顕著に現れる。

 何も知らない真っ白な心を持つ子供は、こう口にする。


「ねぇ、何であの人はボクと違うの?」




 今なお続いているこの疑問は、解消されることはないのだろうか。


 肌の色で、言語で、宗教で人は自分と異なるものに拒絶反応を示す。

 大人になるに連れて次第に治まるとは言え、完全になくなることはない。

 そして、自分とは違う者が(おそ)れを抱かせるものであれば、さらなる拒絶を引き起こす。


 そう、例えば、自分と同じ人間の姿をした者が魔法を使い出した時など。



 人はその者を悪魔の使者、魔族として差別した。


 魔族は、いつの間にか人間の中に紛れていた。

 それがいつからなのか、どういう経緯なのかはわからない。

 ただひとつ言えることは、彼らは()み嫌われてきたということだ。


 魔法が使えるとわかった時点で、人間ではないと判断され、いじめ、排斥(はいせき)される。


 そして、魔法が使える者には共通点があった。

 それは皆が金色の瞳をしていることだ。


 彼らは、時代を追うごとに、魔力が使える者同士で集団を作るようになっていった。


 こうして人間は魔族を、魔族は人間を拒み続けている。

 個人から集団へ、集団から国家レベルへと発展していった憎み合いが、戦争へと至るのは必須だった。


 魔族は魔法という強力な武器をもってしても、大多数を占める人間には優勢にはなり得なかった。

 しかし、時と共に魔族の数が増えてくると魔族側が優勢になりはじめた。


 そして、16年前に当時の魔族の長――魔王は歴代最強と言われ、後に『クロス・サタンの惨劇』と呼ばれることになる、強大な魔力に自分の命をも懸けて人間サイドへ大規模な魔法攻撃を仕掛けた。

 その被害は甚大で、人間の10分の1を滅ぼしたと言われている。


 それから人間たちは魔力に対抗する力――聖法気を手にした。

 聖法気も時代を追うごとに使える者が増えていき、これまで圧倒的な力を見せてきた魔族軍に対抗できるようになった。

 そして、魔王を失った魔族を追い詰めるのに時間はかからなかった。

 

 

 『クロス・サタンの惨劇』から1年後。

 

 魔王不在のまま戦争は続き、魔族の劣勢が顕著になりつつあるころ。

 当時、魔王の側近であった4人の魔族軍大元帥のうちの一人が魔王復活のため蘇生魔法という未知の魔法を提案した。

 しかし、そんな奇跡のような魔法などありはしないと他の大元帥たちに一蹴(いっしゅう)される。

 

 だが、()の大元帥は裏で手を回し、遂に新魔王の位についた。

 それを機に3人の大元帥は、彼が望んでやまなかった前魔王――クロス・サタン――を復活させる望みをかなえるために、蘇生魔法の儀式に手を貸すという置き土産を残して新魔王の元を離れる。

 

 蘇生魔法の失敗という結果を残して。

 

 

 「ふふっ、失敗? くくくっ、ここからだ、ここから時代が動く。新時代の幕開けだっ!」

 

 両手を掲げ天を仰ぎ、新魔王は一人不敵に宣言する。






ここまで読んでいただいてありがとうございます。


王道の異世界召喚ファンタジーものです。


「はい、出たー。もういいよ、異世界転移・転生とか飽和してんだろ」という幻聴が聞こえてきますが、僕はファンタジー大好き(心は)少年なのでそんな幻聴は聞こえません。



一人称視点は初めて書くので、読みずらい点などあるかと思いますが、気になる点がありましたら遠慮なく申し付けください。

ポイント・レビューもさることながら、何よりもあなたの『感想』が聞きたいです。

「面白かった」「面白くなかった」などたった一言でも構いません。

その言葉が僕の励みになります。



パソコンが壊れて、活動停止中にたくさんの作品を読ませてもらい、自分の力のなさを実感し、プロローグから改編始めました。

ストーリーに大きな影響はないです。



拙い作品ですが、楽しんでいただけるよう頑張ります。


次のページでお会いできることを祈りつつ......。

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