第一話
「はいはーい!初めまして!ボクはシュガー。君達プレイヤーの案内係りだよ!それじゃあ、まずはこの世界での君の設定を決めようか!」
ヘルメットのようなゲーム機を装着してゲームを起動すると、幼い子供の声でそんな事を言われた。
え、これってAIだよな?会話が流暢すぎるだろ…最近のゲームって、こんなにクオリティ高いのか!?
とまどいながらも俺のいる場所を見回すと、声の主は見当たらない。壁のない真っ白な世界に俺が一人いるだけだ。そんな状況にさみしさを感じ、とりあえず一人で声を発した。
「あー、えっと、とりあえず、姿が見えるようにしてくれる?」
「え、君は見えてたほうが良かった!?ごめんね。最近は見えないほうが良いって言う人が増えてきたから、君もそうかと思って…」
そう聞こえたとたん、一人の…というか、一匹の虎があらわれた。それも、まだ大きくない、つぶらな瞳の白い虎だ。
…やっぱ、最近の技術はすごいんだな。真っ白な毛並みが背景の白と同化せずにつやつやと輝いている。
「かわいい…」
「あ、ほんと!?ありがとう!運営さんがこだわって作ってくれたんだー。…ま、それはおいといて。まずは身長から選ぼうか…
そうやって、俺の設定作りは始まるのだった。