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第6話 キャラバン隊

----改定履歴----

2017.02.18 話数の表記方法を変更しました。

 この地域は雪がそれほど積もらないようです。

 最大でも1メートルぐらいまでしか積もらない。

 1メートルは多いのでは?と思うかもしれないが、北海道出身の僕としては少ないです。

 ちなみに、こちらの世界では「メーダ」という単位だそうです。

 1メートルは1メーダとイコールかどうか分らないが、感覚としては同じです。

 物差しがあるわけじゃないので、感覚です。しょうがない。



 ◇◇◇◇



 もう雪が解けました。

 流石に積雪が少ない地域では、雪解けも早いです。

 すでにもう暖かいです。


 もう4月なんだとか。

 そう、こちら世界でも1年を12分割して1月~12月でるようだ。

 そして四季がある。

 3月に1年を締めるらしい。

 税金とかは4月頭に納税。


 まるで日本。

 これは大昔に日本人が開拓してこの国を作ったんじゃないだろうか。

 そう思うしかない。

 いや、四季はたまたまなんだろうけど。


 暦を知る上で年号と今が何年なのか分りました。

 「聖十字暦」というらしい。

 聖十字教というのは巨大勢力なんだな。

 そしてこれまた歴史が長い。

 今年は聖十字暦5442年らしい。

 なんて長い歴史なんだろう。

 その歴史の割には文化レベルが低い気がするのだが、気のせいか。



 ◇◇◇◇



 そろそろキャラバン隊が到着する時期らしい。

 暖かくなってきて若草が伸びてきたのを頃合に、隣の領主であり寄親であるルートヴィルト辺境伯からの派遣されている。

 ルートヴィルト辺境伯はこの周辺地域のすべての貴族の寄親であり、大きな力を持っているらしい。

 まぁ、「辺境伯」という爵位なんだから当たり前のような気もするが。


 このルートヴィルト辺境伯というは、コルド・プレス・ルートヴィルトという若い領主らしい。

 前ルートヴィルト辺境伯である父は、長い闘病の末に病死し、長男は幼いころに病死、次男と三男も急死という幸薄い男だが、なかなか賢いらしい。

 まぁ、四男となれば普通は家を出るため、職を得るためにも勉強するか、武芸を身に着ける、魔法を覚えるなどの道があるが、彼は勉強をしたということだろう。

 俺も魔力が多いことが分らなければ、嫌でも勉強していたかもしれないな。

 興味があれば、勉強も嫌いじゃない。

 いや、よくよく考えると学校に行けば、学年1位とか余裕で取れるんじゃないか?

 だって30にもなるオッサンが小学生程度の子供と競い合うんだよ?

 余裕じゃない?

 まぁ、つまらない優越感かも知れないが・・・。

 でも優越感は得られるな~。

 いまだかつて学年1位は取ったことがないか?物理とか大学の講義とかではあったかも知れないな。

 まぁ、所詮は馬鹿高校、馬鹿大学内の小さな世界での話しだ・・・。


 うん、話がそれたね。

 前ルートヴィルト辺境伯も現ルートヴィルト辺境伯も寄子の面倒見は良いらしい。

 評判は良いらしい。母談だが。

 投資もかなり長期で受けてくれている。領主というのは詰まる所、大金持ちの事業家という感じなんだろう。

 このルドウィジア領も何度も融資してもらっており、国に税金のほかに借金の返済をしているらしい。

 面倒見が良いといってもそこはやはり厳しい現実、寄子から回収できる見込みがなくなると強制的に回収する。

 そこは現在とは違う、強い権限を持っている「辺境伯」という爵位。強制力もあるそうな。

 どんな実例があるかまでは詳しくは知らないが。


 そうそう。

 その面倒見が良いルートヴィルト辺境伯からの支援というより融資ということで、キャラバン隊が派遣されているらしい。

 ここルドウィジア領地とはルートヴィルト辺境伯領地と隣り合わせているが、街とルドウィジアの村の距離はけっこう離れている。

 さらに舗装されて無い道で、途中に町があるわけでもない。

 そんな中わざわざ来ていただけるとわ。

 頭が下がりますな。


 キャラバン隊万歳!

 ルートヴィルト辺境伯万歳!



 でも、車と鉄道がある時代で育ってきてるから、どれほどの苦労か分るようで分らない。

 キャラバン隊の人に聞いてみたいなぁ。

 どんな旅路なのだろうか。



 ◇◇◇◇



 夕方、遠くから何人かと動物の群れ気配を感じ取った。

 これが噂のキャラバン隊であろうか。


「母さん、人と動物の群れが向かってきてるけど、これがキャラバン隊?」

「そうね~。そうでしょうね~」


 なるほどね。


「キャラバン隊が着いたら見に行きたいです」

「今夜は忙しくなるでしょうから、見にいけるとしたら明日ですね」

「ん?今夜に着くかな?着くのか?」

「あら~?今どの辺かわかる~?」

「うーん、ブラッテさんの所より遠いかな~?」

「あら~、探知範囲前よりずいぶんと伸びたわね~」

「正直、異常です」


 え?

 カノンがちょっと引いてる~?

 まぁ、よくよく考えると探知範囲が広がりすぎだな。

 一体何キロ先まで分るんだ。

 キロ?キロという単位はこの世界にあるのか?まぁ、いいか。

 魔力とともに探知範囲は伸びるか?伸び続けるのか?

 これは普段から制御できるようにしないと、マズイ気がする。

 何だろう、これは将来、不道徳な使い方ができしまう。

 ぞくぞくするね。

 いや、これは瞳への魔力制御の次に重要事項だな。

 探知能力の制御しなければ、勝手に能力が伸びてしまう。

 ちょっと贅沢な悩みだな~。



 ◇◇◇◇



 翌昼、ついにキャラバン隊が到着してくれたぜ。

 だが色々手続きでとか忙しそう。


 だが、見たい。

 そして外も出てみたい。

 明るいうちに見たい。



 いつものように訓練して、夕飯食べいざ訓練へ行く前に。

「母さん、キャラバン隊を見に行きましょう。暗くなる前に」

「うーん。そうね~。カノンも一緒に行きましょう~」

「はい」

「フィルちゃん、外出は始めてだね~」


 公園でデビューというやつだ!

 この世界に公園っていう物があるか知らんけど。

 乳母車は存在しないんで抱っこです。

 抱っこはするよりされるほうが好きになってしまった。

 いや、幼児だし、性癖ではない。


 住んでいる「離れ」からは正門は見えないわけだが、正門に着てみるとすごい。

 すごく変。

 垣根の高さと垣根門(?)の高さが全く合ってないね。

 いや、ある意味でかくなりすぎで、垣根の中に門があるね。

 これはこれでアリかもって思えなくも無い、か。


 そして、正門。

 この塀はすごい。

 お城並みに高い。

 垣根と門の距離もすごいね~。

 これは流石男爵というより、田舎だからかな~。


 正門を抜けると待ちに待ったそとの景色です。




 絶句です。

 家の周辺は草原。

 広い草原。


 その向こうには、畑。

 畑、畑、畑。


「この畑は?」

「ここはね~、小麦を育ててるのよ~」

「あの大きな建物は?」

「あそこは~、キャラバン隊の皆さんが寝泊りする宿よ~。お客さんが来るとみんなあそこを使うのよ~」

「普段は私が掃除や整備してます、今夜は村の人が働きます」

「なるほど」


 公営というか男爵の来賓用の宿って事か。

 ほかに客が来ないからそうするしかないのだろうな。


「あそこにも~、家で使っているのと同じように~、地下室に術式があるから~、同じように温めれるのよ~」

「母さんが作ったの?」

「そうなのよ~」

「一度たて壊して、地下を掘って作り変えました。増築もしてます」

「キャラバン隊は~、これから増えてもらわないと困るのよね~」

「キャラバン隊の最重要任務に、塩の運搬があるんです」

「自給自足できそうで出来ないのよ~。ここでは塩がまったく取れないのよね~」

「私たちは大量の小麦と大豆を育て食べています」

「あとは~、向こうの丘のほうでお牛さんと~、お馬さんと~、羊さんがいるのよ~」

「白いニワトリさんと軍鶏っていうおいしいニワトリさんも飼っているのよ~」


 軍鶏だって。

 食べたこと無いけど、上手そうなだな。

 軍鶏って生前だと、高級なのかな。少なくても生活圏内には出回ってなかったな~。


「あっちには大きな川があって~、あの丘の向こうは巨大な針葉樹がずっと広がってるのよ~」

「あちら側は、どうしても手がつけられないのです」

「どうして?」

「あの巨大な針葉樹は、簡単に切り倒すことが出来ないんです」

「高さは300メーダぐらいあるのよ~」

「それを支える幹は男爵家と同じぐらいあります」

「そしてものすごく硬いのよ~」

「1本切り倒すのに膨大な時間もかかりますし、切り倒した後も大きいので危ないし、硬くて加工が難しいのです」

「意外に増えるのも成長も早いのよ~」

「大きな川がなければ、こちら側にも生えていたかもしれません」

「でも~、利用価値は高いのよね~。どうにかして加工したいんだけど~、なかなか良い案が思いつかないのよ~」


 木材か。

 建材にもなるし、燃料にもなるし、製紙の原料だしな。

 たしかにコレが使えれば、一気に領地が発展しそうだな~。

 でも、でかすぎるだろ。上のほう霞んでるし。

 さすが異世界。さすがファンタジー。

 300メーダって300メートルでしょ?

 何階建てよ?80階ぐらいか?

 そんな自然物があるのかよ。

 理解が追いつかん、摩訶不思議物体だ。



「宿の前にある建物は~、会館といって~、村人を集めて何かするときに使う建物よ~」

「あそこでキャラバン隊からの物資を買います」


 そう言えば、あそこに俗に言う幌馬車があるけど馬はいない。

 牛がいる。


「あれは牛?」

「そうよ~。キャラバン隊は~、幌馬車っていう荷台に荷物を乗っけてくるんだけど~、その幌馬車を引っ張るのはお牛さんなのよ~」

「どうして?馬車って馬じゃないの?」

「お馬さんだと~、ここまで馬車を引いてこれないのよ~。お馬さんって~、結構食べるしお水も飲むから~、ここまでたどり着けないのよ~」

「ここに到着するまで補給する村は無いので、牛ぐらいでしか馬車を引いて来るのは無理なのです」


 そういうもんなのかね~。

 こういうのはよくわかりません。

 あれか、反芻器官とか言う牛の機能?のおかげか。

 飯食って、胃で消化したと思えば、次の続きの消化して、また前に胃に戻って消化するとか言う。

 だから飯も水も少量で済むって理屈?

 いや全く分らん。

 まぁ、そういうものなのだろう。

 険しい道のりは牛。

 そういうことだ。


「会館の裏が~、牛舎といって~、お牛さんの家があるのよ~」


 便利そうだけど、臭うだろう。

 宿のそばに牛舎ってどういうセンスだよ~。

 いや、こっちの人はそれほど気にならないのか?

 一緒に生活しているし。


「お牛さん沢山いるでしょう~。幌馬車1台を4頭で牽いて~、2台で着ているから8頭で~、予備を入れて16頭ぐらいのお牛さんでここまで来るのよ~」

「す、すごい数だ」


 知らなかった。

 そんなに沢山引き連れてくるのか。

 これでも儲かるというのだからすごいな。

 ルートヴィルト辺境伯が大金を払ってるんだろうな~。


 なんか恩返しした方が良いのでは、という気がしてくる。

 だが、これは慈善事業ではない。

 どういう仕組みか知らんが、儲ける算段があるのだろう。

 金を儲け、人々から感謝され。

 なかなかの手腕だな。



「リビア様、お久しぶりです」

「あら~、タイラー技官さん~。お久しぶりです~」

「水道管の調子はどうですか?」

「特に問題は無いわね~。ある程度の圧力で~、常時水を流しているから~、今年も凍ることは無かったわ~」

「それはよかったです」


 なんだ、この青年は。

 タイラー技官とか言うらしいが。

 「技官」ということは役所の人間か。

 役所ってことは、ルートヴィルト辺境伯の行政をしている機関の人間ってことか。

 にしても「水道管」って聞こえたが?


「カノン、『水道管』って?」

「水道管というのは、水を運ぶ管です。まだ実験中らしいのですけど」

「今は上水と~、下水にその管を使ってるのよ~」

「上水というのは飲み水です。その管を上流のきれいな川から屋敷まで敷いているんです。下水は厠の屎尿や炊事洗濯の排水を流すんです」

「流すって、どこに?」

「それはね~、下水処理施設を作っているのよ~。そこで、きれいにしようとしてるのよ~」

「そうなんです。ボク、賢いね~。お名前は?」

「フィル」

「フィルちゃんですか~。リリビア様のお子さんですね。さすがに賢いな~。こんなに小さいのにもう言葉がしゃべれるなんて。うちの子供なんてまだ片言しかしゃべれないのに」


 ちょいウザイな。話に割って入ってくるな。

 悪い奴ではなさそうだが。


「『下水処理施設』って?」

「それはね~、屎尿っていうのは病気の元なのよ~。田舎だとほとんど気にならないけど~、大きい街だとなかなかの量になるのよ~。そうすると病気がよく蔓延しちゃうから~、その対策を立ててるのよ~。上手くいけば~、かなりのお金になるわ~」

「そうでしょうね。買い手は辺境伯領だけではなく、各領主や王都も買ってくれるでしょう。諸外国も興味を示すでしょうし、壮大な計画です」

「でもね~、課題が多いのよ~」

「やはり上手く行ってないんですか?」

「固体と液体を分離する槽の数も足りてないし~、冬場は凍らないだけで~、特に機能しないし~、臭気も解決できてないのよね~」

「やはりそうですか。ですが、下水道管を使って収集するという発想だけでも賞賛なんです」

「駄目よ~。どうせ集めて川に流すことになるでしょ~、上流と下流の領地問題は解決しないわ~」


 垂れ流しで汚染された水を流されたら、下流のヤツは看過できんわな~。

 実害があってもなくても険悪になるわな~。

 なんか学生のころに習った気がするな。

 日本は島国だから馴染みが無いけど・・・。


 この世界でも水問題?があるのか~。

 魔法があるのに切実な問題だ。

 そもそも、生前でも下水処理は完全に浄化できて無いんじゃなかったっけ?

 よく知らんけど、最後は焼いて埋めるんじゃない?

 いや、知らんけど。それはゴミだけだっけ?

 まぁ、いいか。


「下水処理施設見たい」

「私も気になりますが・・・」

「う~ん、次の機会にしましょう~。長旅の後だし~、今日は休んでください~」

「すいません、そうさせていただきます。ここまで来るのはさすがに辛いんですよ~」

「フィルちゃん~、積荷とお牛さん見に行こうか~」

「では失礼します」

「またね~」



 そういえば、普通に会話したような気もするが、そろそろ1歳だから会話ができてもいいのか?

 早くない?

 まぁ、向こうが納得しているのならそれでいいか。



 ◇◇◇◇



「アレがお塩だよ~」

「後は、キャラバン隊の食料と水のあまりと雑貨類ですね」


 ほとんど塩だな。

 塩だけにしては荷物が少ないような気もしたが、あとは人間の食料という事か。

 あと、車輪と車軸などの幌馬車の修理道具が一杯だ。

 やはりここまで来るのは過酷なようだな。

 用意周到だし、壊れた車軸がある。

 再利用するのか。


 ゴツイ人が何人もいるな。

 剣が積んであるし、短剣を装備している。

 傭兵兼力仕事要員か。

 なるほどね~。

 盗賊対策か。治安が良いわけじゃないのね。


「魔法使える人いるかな?」

「流石にここまで来ることはないわ~」

「来るだけで大変ですから」

「ちなみに~、キャラバン隊で雇われる人は~、駆け出しの若手か~、現役を引退した人が多いのよ~。もしかしたら面白い話が聞けるかもね~」

「おぉ~」


 興味ある~。

 でも、先にほかの魔法使いという人も見てみたいな~。

 なんか母さんとカノンは特殊すぎる気がする。

 普通の魔法使える人ってどれぐらいの魔力量でどれくらい強いんだろうか。



 ◇◇◇◇



「宿の方が騒がしいな・・・」


 実際に音が聞こえているわけではない。

 普段は感じることがない人の気配がするのと、その人たちが楽しそうに動き回っている気配を感じてしまうんです。

 夕方からキャラバン隊と領内の人たちが集まって宴会をしているらしい。

 すべて父上のおごり。

 といっても、領内で取れる品物ばかりであるが。


 母さんは宴会だし、カノンは屋敷と宿を行ったりきたりしているし。

 今日はカノンか母さんが遅めに訓練してくれるのだろう。

 それまでは監視の目が無い。

 いや、別に悪戯をしようというわけではない。


 夜の訓練は、体の彼方此方に魔力を集中させるという事をやっている。

 最近は魔力量が多いから何箇所もやっている。

 それに特別な意味があるとは思っていなかったが、気が付いたことがある。

 魔力を集中させ方に規則性がある気がする。

 何パターンがあるのか、どういう法則があるかまでは分らないが。


 んで、何かしらの術式を発動させる前段階の仕込ではないかと思うわけです。

 邪推かもしれないが。

 でも、多少の根拠はある。

 何だろう、ある特定の時だけ目に魔力を集中させたときのような感覚がある。

 つもり何かしらの術が発動しているか、もしくはこの体の新たな能力が開発されつつあるか、だ。

 そう考えるとこれは調べる必要がある。

 どうせなら、母さんを驚かせて見せよう。

 息子の成長というサプライズプレゼントだ。


 ヒントは、魔力の集中させる順番だろうという事だけ。

 効果すら不明。

 何か違う、ということだけ。


 さて、どうしたものか。

 訓練中に暖房の術式(勝手に命名)のように術式を書いてはいない。

 術式がないから、体内で何か起きてるんだろうな~。

 空手とかの呼吸法にある「息吹き」みないなモノだろうか。

 ということは身体能力アップ的なやつ?


 とりあえず、息吹き。


「スゥー、カーッ」



 ・・・。


 効果は分りません。

 というか、空手もやったことありません。

 なんでコレをやったのだろうか。

 そもそも幼児でやっても効果があるのか?


 まぁいい。

 これを魔力でやるという事だ。

 いや、ちがう。


 チョット待て。

 整理しよう。


 仮説として、魔力を体で何かしらすると「息吹き」のような効果がある。

 その「息吹き」の効果は身体能力アップ。

 そうすると逆説として、身体能力アップさせるためには、体で魔力をどうにかするという事。


 あれか。

 腹芸の感覚か?

 腹芸も筋肉の力の入れ方で、動かすんだよな。

 漫画の知識だけど・・・。

 魔力の集中させる順番を腹芸と一緒に・・・。


 とりあえず、手は頭の後ろ。


 こんな感じ?

 もっと腰も使うべきか。


 ・・・。



 いや、魔力関係ないし。

 幼児が腹芸ってシュールだな、オイ。

 腹芸の要領でってことだ。

 波打つように魔力集中?

 お、言葉的にはそれっぽい。


 ・・・。


 ・・・。


 わからん。

 これは、根本的に違うのか、順番が違うのか、魔力量が少ないからか。

 思い切って魔力を大量に波打たせてみよう。


 ・・・。


 ・・・。


 なんかそれっぽい感覚がある。

 効果が分らんけど。

 順番より、ある程度の大目の魔力量を波打つように動かす、という事とで無問題?

 じゃあ、次は右手。



 ・・・。



 最初から腹芸じゃなくて右手でやればよかった。

 明らかに握力上がってるじゃん!

 そうかそうか。

 こういう使い方があるのか、魔力というのは。

 何かを殴ってみたいが、骨が折れても困るし、物壊してバレるのも面白くない。

 サプライズにならないしね。

 もう少し色々試してみよう。

 どの程度の効果がるのかしら。


 そういえば、立って歩けるようになって、走り回れるようになったらカノンが剣術教えてくれるって言ってたな。

 言ってたよね?

 もう一度言質とっておこう。


 それまではお披露目はお預けしとこうか。




 あ。


 カノン帰ってこないかな~。

 オシメ変えて・・・。

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