第21話 道中 その2
お久しぶりです。
色々ありましたが、これからもがんばって更新したいと思います。
拙い文章ですが、よかったら今後も読んでください。
~前回までのあらすじ~
転生し3歳にして拉致されるが、どうにか拉致グループを自分の奴隷にする。
「拉致の依頼者」と思わしき男を捕まえて、一緒に拉致された仲間と共に人里に向かう。
道中に血の臭いがしたので、調査すると遺体が。遺品を回収して仲間のもとへ戻ってきた。
----改定履歴----
2017.02.18 話数の表記方法を変更しました。
「遅かったッスね。何があったんスか?」
「遺体があったんで、弔ってきた。よくわからんがゴブリンの仕業らしい」
「ゴブリンッスか~」
「近くにはいないから安心しろ」
「あれは骨壷だ。丁寧に扱ってくれ。遺骨が入ってる」
「それとあっちは遺品だ。あれも丁寧に頼む。使うなよ?」
「ウッス」
「ネリス姉さん、トニナさん来てください」
「ガウル、もうみんなのところで休んでいいぞ~」
「今後の事ですが、明日の昼には村に着きます」
「そう」
「村でどうなさるおつもりですか?」
あれ?
ネリス姉さんはいつもと変わらないが、トニナさんの言い回しに棘があるような。。。
「遺骨と遺品を渡す相手を探しに村長に会うつもりです。あとは『契約書』を作るために商人にも会うつもりです」
「その『契約書』ってなにかしら?」
「契約する内容や条件を文章にして、互いに同意していること記録して残しておくんです。その記録したものが『契約書』です」
「・・・契約内容を聞いてもよろしいですか」
「私もそれが聞きたいわ」
ん?
なんか間違ったみたいだな。。。
「内容はラジャード達の『奴隷契約書』です。」
「そうよね。早い方がいいわよね」
「分かりました。『あの男』についてはどうしますか?余り人目にさらさない方が・・・」
「まぁ、確かにそうですね」
「ここは早めに立ち去ったほうが・・・」
「いえ。ここで物資の補給と情報収集もしなければなりませんので、早々と去るわけにもいきません」
「そう都合よく『奴隷契約書』が作れるかしら?」
「契約書ぐらい作れるでしょう。細かいことはわかりませんが」
「彼等なら町までは安心できそうよね」
なんか噛み合ってないような気がする。
無理に相槌入れなくてもいいんですけどね、姉さん。
「それに可能であれば、あの『ラムザ・リヒトブリック』を制約する『契約書』も作ります」
「そんなこと出来るんですか?」
「きっと出来るでしょう。強引ではあるかもしれませんけど」
「制約?何か役に立つのかしら?」
「奴隷商の『リヒトブリック家』からお金を沢山巻き上げるための手札です。使えるかどうかわかりませんけど、手札は多い方がいいんです。内容はこれから考えます」
「そう」
非道な事を考えていますから、姉さんに言えるわけがない。
出来れば一生知らないで済んでほしいな。
トニナさんが何か言いたげだが・・・。
「あの男の方は考えておきます」
「・・・お願いします」
やっぱり世話嫌だったか。申し訳ないな。
「取り敢えずバルサミカ、トニナさんと世話を替わってやれ。トニナさん、無理させて申し訳無かったです」
◇◇◇◇
確かにどうしようかな。
奴が動き出すとしたら、状況が変わる村についてからだ。
状況が変わるのはラジャード達も同じだが。
ま、そっちは大丈夫だろう。楽しそうだし。
村に『リヒトブリック家』の関係者がいるとややこしくなるな。
こちらからは関係者か判断出来ないし。
仮に関係者が居たとして、どれだけの脅威となりえるか。
第一に『ラムザ・リヒトブリック』救助のため、実力行使に出る。
これは問題ない。返り討ちにして捕らえることも出来るだろうな。僕たちの戦力的に。
仮に『魔法使い』が紛れていてもなんとかなるだろう。まぁ、紛れていても僕の『魔力感知』で即見つけられそうだが。
第二に実力行使せずに、『リヒトブリック家』と連絡をとり、何らかの策を講じる。
これは好ましくないな。僕たちの最大の優位点である『僕たちが攻勢に出ていると知らない』という点が失われてしまう。これはなんとしても連絡を取られないようにしなければ。
問題はどうやって関係者を見つけ出すかだな。
僕の『魔力感知』は基本的に魔力を感じる能力だから、人探しには使えない。
魔力の特徴が分かっていれば何とかなるかもしれないが、知らん人にはどう考えても無理だ。いや、無理か?
こちらを探るようなやつに絞れば・・・。
絞ったとこで変わらんか。余所者が村に来たら警戒されてもおかしくない。無理だ。
関係者にばれないようにするしかないか。
これが一番難しい。情報統制とかいうやつだ。
いや、統制する前に偽装だ。このままだと一発でアウトだ。
あの馬車をそのまま利用しているから、関係者が見たらすぐにばれるかもしれん。
大きさとなにか特徴あるっぽいしな。
偽装だ。擬装。偽るから偽装か。
どうするかな。
その1 特徴を隠すために大きさを変える。
・・・無理だ。
そんな時間も材料もない。
その2 馬車を金属製にする。
・・・無理だ。
材料が足りないんだよ。
その3 特徴をさらに目立つ特徴で誤魔化す。
これだ!
特徴、やっぱり独特で目立つ家紋だな。エンブレムだ。
でも自分とこの家紋とか知らない。
まぁ、偽装だから『家』ではなく『個人』を示す『紋』という事ということにして、オリジナルで押しとうそう。
もしくは旅団の印ということでどうだろうか。
事前に役所に申請なり登録が必要だったりして。
考えすぎか。
実はある程度出来上がっている。
時間を作っては魔術の練習がてらにね。まぁ移動中は暇だし。
薄く伸ばした金属で、二重螺旋の円を二組作成済みである。
大きさは直径1メートル程度だろうか。
二重螺旋は『科学』『DNA』などを表しているつもり。
でも、肝心の中央部分をどうしたものか考え中。
一応、元システムエンジニアとしてそれっぽくしたいけど、アイディアがねぇな。
英字は、きっと使われてないだろうから使えんだろうし。
同じ理由で『@』なんて使えないだろうな。
ここは無難に日の丸的な感じで行こうかな。
まぁ、悪くはないだろう。
後光が付いているほうね。あれがないと二重螺旋の真ん中に固定出来ないし。
図柄的にはさびしいかな。
インパクトが足りないかもしれん。
ダイヤモンドにしようかな。あれですよ、ブリリアン・カット。
結婚指輪とかの、あれ。
断面図でもきれいな形だよね~。
インパクトもバッチリだ!
あと表面に細かく凹凸をつけて模様としようか。
強度上がるし、インパクトも多少上がるだろうしそれでいこう。
魔力がもう使えないから、作るのは起きてからだな。
これからの事を皆に説明して、飯食って寝よう。
早起きして家紋作らねば。
そうだ、火の番を最後の班にするか。
早朝から作業できるし。
「おーい、順番変えようぜ~」
◇◇◇◇
ナニコレ。
カッコよくない。
皆が起きる前に、家紋と言うかエンブレムというか、そんな物が一応の完成した。
いや、完成させた。
我ながらやってしまった感がある。
外枠の二重螺旋の環より、ブリリアン・カットがでかい。
だって接点がないと宙吊りじゃん!
そして金属の量の関係で全体的に異常に薄い。
その癖にインパクトがある。
それは、立体的だからだ!
凹凸付けないと強度が足りないからね~。
薄すぎ。もうペラペラよ、ペラペラ。
テレホンカードより薄いから。
だから、カット面一つ一つにちゃんと角度がついている。
これでエッジもたつし、強度増すだろう。
もういい。
材料が足りたからこれで良しとする!
馬車に飾ると違和感があるが、慣れだよね。
「・・・おはようございます、トニナさん」
「・・・・・・・」
バカな。
大人のトニナさんが固まっている。
止めて。そんな顔で見ないで!
今後も間隔は開いてしまいますが、更新は続けて行きます。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
なんでも良いので感想等頂けると嬉しいです。
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