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第2話 日々の生活と魔力測定

----改定履歴----

2013.08.07 字下げしました。

2013.09.04 誤字脱字を修正しました。

2013.09.17 誤字脱字を修正しました。

2017.02.18 話数の表記方法を変更しました。

 おっぱい吸って、寝て、おっぱい吸って。

 なんどか繰り返しているうちに少しわかってきた。


 この体、自分で制御できません!



 まぁ、赤ちゃんだからしょうがないんだろうけど・・・。

 寝糞、寝小便して申し訳ないです、マジで。

 我慢できない。もよおしたら、即出ちゃうの。

 は、恥ずかしい・・・。


 体といえば、なんか前と違うのです。

 周りに人がいることがわかるんですよね。

 気配というより、なんかもっと明確な何かがわかる。

 何なんですかね。


 母親(おっぱい吸わせてくれる人)と、そのメイドさん的な振舞いの人ははっきりとわかる。

 ほかに数人いる。男か女かもわからんけどいるんですよね。

 こっちに近寄ってこないから、さっぱりわからん。


 目も相変わらずぼやけてよ見えない。

 視力悪いのかしら。


 耳は鼻は普通みたい。

 会話は日本語とは違うような気がするね!

 つまり、未来の日本ではないって事ですね。


 未来技術はどこになるんでしょうか。

 SE(システムエンジニア)としての血が騒ぐな。

 電脳とかしちゃうのかな。



 この体は疲れますね。

 意識が長く持たないです・・・。



 ◇◇◇◇



 ついに名前がわかりました。

 俺は「フィル」という名前らしいです。

 外国風です。

 まだ愛称かもしれないですけどね。


 ちなみに元々は「斉藤一二三(さいとうひふみ)」でした。



 母さんは「リリビア」というらしい。

 リリビア様と呼ばれているみたいだし。

 侍女さんは「カノン」というみたい。

 カノンは「花音」なのかな。



 ちなみに会話は日本語でした。

 耳もちょっとおかしかったみたい。



 ◇◇◇◇



 感覚で言うと半年ぐらいはたったんではないでしょうかね?

 最近はもう寒いです。

 四季があるなら、夏から冬に変わってますね。


 どうも周りがよく見えないです。

 生前もメガネかけてましたし、遺伝というか継承するんですかね。



 言葉がわかるようになったので、いろいろ気になります。

 私、成長が遅いらしいのです。

 同時期に生まれた村の子供より一回り小さいのだとか。

 コレばっかりはどうしようもないんですけどね。

 毎日、飲んでちゃんと出してますけど!


 あと、父親らしい人が現れません。

 侍女がいるので裕福な家庭っぽいんですけどね・・・。

 未亡人なのかしら。

 あら、エロい・・・。



 さらに不思議な人間関係。

 俺の周りには、母親と侍女しかいない。

 しかし、家にはほかに10人住んでいるようなのだ。

 なんでこっちにこないの??


 最重要項目です。

 テレビの音が聞こえません。

 携帯電話、そもそも「通話」という行為をしている様子がありません。

 暖炉がバチバチとなってます。

 電球の光が無いんです。


 生活が古臭いです。

 家電の気配が無い。

 どうやら、未来ではないようです・・・。

 どういうことなんでしょうか。

 過去なんでしょうか。



 ◇◇◇◇



 ハイハイができるようになりました。

 呂律は怪しいですが、しゃべれます。

 しかし、赤ちゃんの自分が母親となんて会話すればいいのかわかりません。

 とりあえず、「母さん」と「カノン」と片言の単語で会話してます。


 いろいろとわかってきました。

 目はすこし見えるようになってきました。

 手元より、森の先をみるのが得意なようです。

 どっかの原住民のような目です。



 それと、どうやらここは「離れ」であるようです。

 母さんはここから出ることは出来ないような感じです。

 これは、言ってみれば軟禁?

 つまり側室というか妾というか愛人の子供ということっぽいです。

 非行にはしるパターンですね。生前は万引きもしたこと無いんですけど、記録上は!


 でも、離れがあって10人家族が母屋にいるのであれば、裕福な家なんだろうな。

 粗相があると追い出されるかも。

 うーん。めんどうな家庭環境だな。



 ◇◇◇◇



 どうやら、母さんは母屋にも敷地外にも出れないらしい。

 敷地外には出ようと思えば出れるのかもしれないが。

 寝静まった夜に若い男性が離れに来て母さんと一緒にいる気配を感じる。

 彼が父親なのだろう。


 言葉が話せるのでそろそろ聞いてみてもよいだろうか。

 身の振りも考えないといけない立場っぽいし。

 リスクがあるなら早めに対処しておきたい。

 なにせ、子供だし、出来ることは少ないし奉公にだれされても困る。

 裕福な家庭なんだからのんびりと過ごしたい。




「カノン~」

「何でしょうか、フィル坊ちゃん」


(その控え目な胸がGOODです)


「控え目な、何でしょうか~??」


 聞こえてるし!

 子供モードにならいと!!


「父上は~?」

「お仕事中ですよ~」

「どこ~?」

「母屋といって廊下の向こうの家でお仕事してます。でも、フィル坊ちゃんはあちらに無断で行くことはできません。旦那様のお邪魔になるといけませんので・・・」

「どうして~?」

「ですから、旦那様のお邪魔になるといけませんので・・・」

「なんで~?」

「う~ん、大人の事情、という奴なんですよ~」

「どういうこと~?」

「フィル坊ちゃんは、神童でいらっしゃいますが、まだ知らないほうがいいのですよ。もう少し大人になって、お母様の口から聞きいてくださいませ。デリケートな部分ですし・・・」

「神童~?」

「はい。すごい事ですよ!その年齢で会話が出来るなんて。普通はできません。御兄弟皆さま方も出来なかったはずですし。フィル坊ちゃんは特別なんですよ~」


 褒められて、抱っこされるのは悪い気分じゃないです。



「カノン」という侍女さんは随分と献身的に俺達親子の世話をしてくれます。

 俺達親子と一緒に寝食を共にしています。

 母さんと交代で俺の面倒を見てくれています。

 生まれた時から一緒にいるので、もう家族感覚ですね。

 歳の離れた姉さん的な立ち位置かな。


 見た目は17か8歳。

 ちょっと茶色い黒髪で、ロングヘアーである。

 童顔で目が大きくてかわいい。

 身長は155ぐらいだろうか。

 抱かれているからわかるのだが、なかなかの筋肉質である。

 運動部にでも入っていたのだろうか。


 ちなみに、母さんの見た目は20歳ぐらい。赤茶のセミロング。

 そして巨乳。

 身長は、カノンより高い。160ってところか。

 ちなみに生前は165ありました。どうでもいいけど・・・。

 育ちは良さそうだし、家事すべて問題なくこなす。

 普段は優しい良い母さんなのだが、マイペースというか気分屋さん。

 よく寝ている。


 年下の親だよ。

 なんか複雑~。



 あれ?そういえば兄弟がいるとか。

 長男的な扱いされていないとは思っていたが、やっぱりいたのか。


「兄弟~?」

「はい。5人兄弟の末っ子なんですよ、フィル様は」


 そうなのか。

 あの10人の内、父親と兄弟4人がいるんだろう。

 あとその兄弟の母親で、6人は家族。

 4人はメイドさんとか執事さんとかかな。



 ◇◇◇◇



 ある朝、地下から顔さんが上がってくるのを感じた。


 常々聞いてみたいと思っていた。

 カノンも同じことをしているし。

 ちなみに母親は「母上」ではなく「母さん」と呼ばれたいらしい。

 でも父親は「父上」と呼ばないとためらしい。

 父親は貴族被れ?


「母さん、地下でなにしているの~?何か特別なモノをかじるんだけど~」

「フィルちゃん、分かるの?」

「う、うん?」


 気配みたいなのは感じないのが普通?

 あれ?ちょっと雰囲気が違う。まずいこと聞いた?

 神童なんて言われて調子乗ってたか・・・



「カノン~。ちょっといいかしら」

「はい。リリビア様」

「急いで来て!」

「分かりました!」


 雲行きが怪しい。目がマジッス。



「フィルったら、地下で私たちがしていることが気になるんですって!」

「地下に近づけないようにしてますから、気にもなるでしょう」

「そうなんだけど、この子、特別なモノを中から感じるらしいのよ~」

「結界張ってましたよね?」

「もちろん張ってあるわよ~」

「?」

「え~?わからない?」


「(どういう事ですか?フィル坊ちゃん)」

「(なんか母さんが怖いよ)」


「結界内まで探知できるほどの強力な魔力探知能力を持ってるってことじゃない☆」


「魔力!?」

「探知能力~!!?」


「驚くのそっち!?」



 魔力なんて単語は、はじめて聞きました。

 えらい古臭い時代に転生してもんだ。宇宙旅行の夢が・・・。

 なんて思ってたら、ファンタジーだったんですね。

 軟禁生活だから、世間を知らないんです、俺。


 ってことは、うちのオカンは魔女?

 ママは魔女。昔そんなドラマなかったっけ?

 魔法少女ホゲホゲ。

 もう忘れちゃった・・・。



 ◇◇◇◇



 さて、地下室につれて込まれました。

 ここには、倉庫兼書斎のようです。


「フィルちゃん~。ここに横になってね~」

「拘束します?」

「そうね~。大丈夫だとは思うけど、死なれちゃ困るから念のため猿轡もお願い☆」

「わかりました~」

「怖がらないでね~。念のためよ、フィルちゃん」


(怖いわ!)


 生前ですら、そんなハードなプレイはしたことないです。

 もちろん、させる側としても。

 オシッコ漏らしてます。

 まぁ、まだオムツしてるんですけどね、布オムツ。



「でも大丈夫でしょうか?本来であれば6歳まで待ってからするものですよね?」

「そうみたいね~。私も6歳で検査したし~」

「私は10歳ぐらいに教会の人から検査していただきましたね~」


 はい、なんで大丈夫なんですかね?どう頑張っても6歳には達してませんよ?


「6歳にもなればある程度の魔力は育ってるし、魔力切れが起こっても事故が起きにくいのよね~」

「それで6歳だったんですか、知りませんでした」

「カリンは魔法剣士だからね~」


 魔法剣士?なんかナイスな響きじゃないですか。

 カリン姉さん、かっこいい。


 でも、6歳じゃないのに大丈夫??


「でも、フィル坊ちゃんがすでにそんなに魔力があるってどうしてわかるんですか?」


(ナイス質問!)

(で、どうなの?ママン)


「天性の魔法能力持ちっていうのはね~、大概が魔力もすごいのよ~」

「大概ってことは、例外も?」

「例外もあるわね~。でも、常時展開能力(パッシブ)系の能力、しかも魔法とか魔術系は例外なく魔力が多いのよ~。そうじゃないと常に展開していられないでしょ~?」

「そうですね。たしかに理屈はわかります」

「それにフィルちゃんって、生まれてからほとんど寝てたでしょ~?たぶん~、魔力切れ起こしてたのよ~、すぐに~」

「それが最近は起きてる時間が長いから大丈夫、と?」

「正解~☆」


 そ、そうなのか?魔力切れって、だるい感じの事かな。

 それなら、猿轡までいらないような・・・。

 にしても、カリンってあんまり魔法について知らないのね。魔法剣士なのに。

 いや、母さんの知識が異常なのかな。


「それじゃあ、もう行くわよ、フィルちゃん~」


(心の準備が・・・)


(や、やめてぇぇぇぇぇ)




 ・・・。




「反応しないですね」

「そうね~」

「フィル坊ちゃん?」

「うるうる・・・」

「怖がっちゃって。可愛いですね~」

「魔力切れは起こしてないわね~」

「カリン、ちょっと魔力流してみて」

「はい」


 水晶が発光した。

 つまり、この野球ボールぐらいの水晶に魔力が流れると発光する仕組み・・・みたいです。


「壊れてないってことは、強制的な魔力回路に抵抗したってことらしらね~?」

「そんなこと簡単にできないですよ?私だって、現役引退かしてから就職活動の一環で覚えたのに」

「そこは、私の子供だし☆」

「そ、そうですね・・・」


 カリンちゃんが引いてるよ・・・。

 これって、ダメな子ってこと?


「じゃあ~、もう一回にぎにぎにきして~、ゆっくりと魔力流してみて~」

「光るだけですから、怖くないですよ。ゆっくりでいいんです」


(え?そなこと言われても・・・)


(超能力者とかがやるみたいに念じるとか、そんな感じ?)


(うぬぬぬぬぅぅぅぅぅ・・・)



 お、ゆらゆらっと水晶が光ってきたねぇ。

 魔力持ち、確定です!!

 職業は魔法使いです。社会に出ても暮らしていけそうです。


「これでお金に苦労することないわ~」

「将来安泰ですね」


 あ、みんな同じ心配してたのね~。

 魔法使いとしてお金を稼ごう。




 安心したら、ちょっといたずら心が・・・。

 もっと流したら、どうなるでしょう。

 1.メタハラのように光る

 2.水晶が割れる

 3.変わらない



(せーのー)



(か○はめ波!!)




 ・・・。




 気が付いたら、朝でした。

 どうやら気絶したみたいです。


 カリン曰く、目がくらむほど輝いたらしいです。

 正解は1ですね。

 母さんは、いまだにその話をすると爆笑です。


 これからは昼寝を控えて特訓してくるそうです。

 母さんが生き生きとしています。

 母さんも今まで暇だったんですね~。

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