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エピローグ

 あの後、全ての真実はカナメの感応を用い、全住民へ伝えられた。

 死傷者は決して少なくない。

 多くの人達が区画都市外縁に設けられた縁の部分へ集まっている。

 また浮遊できるものは区画都市の天井部で腰をおろし、水平線を眺めていた。

 東の空が白み始める。

 「結局リズは、その何とか星の王様候補で、殺されかけたから逃げてまくってるうちに、地球にたどり着いたってことでいいのか?」

 「まあ、概ねそういうところだ。我々デルトレシス人というのは幾つもの銀河を統べる帝星なんだ。私は帝位継承権を持っているのだが、その帝位権、つまり条件は血でも、金でも無い。最強のOZEの力を持つ者が選ばれる。そしての現帝の寿命はあと十数年といわれている」

 「それってまだまだ先じゃねーか」

 「私達デルトレシス人の寿命は平均250年、帝位継承権を持てるほどの者は寿命は1000年近い。もともとは君達と同じ寿命なのだが、これは科学技術の進歩もあってこれほどの寿命となっている。以前話した通り、私の年齢は200歳で、たまたまOZEを操る能力に長けていた。だからこそ帝位継承第一位の座についていた」

 「ああそういえば言ってたな。実感なさ過ぎて忘れてたぜ」

 「そういうことで私を蹴落としたい奴は沢山いたんだが、ある日、私は殺されたんだよ」

 「なるほどじゃあ目の前に居るのは幽霊かなんかか?」

 「そんなわけ無いでしょ」

 「コウタは馬鹿」

 「うわっ。ユリよりもシオリに言われた方がグサっとくるな」

 「ばかばかばーか。コウタのばーか」

 「うっさいぞユリ。リズの話しを邪魔すんなよ」

 「ぐぬぬっ、あんたねえ―」

 「それでリズ。結果的に君は生きてたってことだな」

 「その通りだカナメ。殺されたのは私のダミーであり姉だった人だ。同時になぜか私を支持していた多くの人が、第二帝位継承者のダーニシスを指示するようになった。不思議だったよ。利害があるとはいえ、その利害の元に私を支持していた者達が一斉に寝返ったんだ。だから私は生存していることを隠したまま、その理由を探ったんだ」

 「そして地球を知ったんだな」

 「そうだ。100年以上昔、ダーニシスは自身の領地にOZEを使える生命体を発見した。OZEは帝の力、自身に宿っているとはいえ、その性質から過激な研究はされていない。だが奴は地球人を発見したことで、ありとあらゆる人体実験の末に、OZEプラントの運用に成功した。プラントで集められたOZEはそれこそ万能のエネルギーとなった。資金さえあれば一般人の寿命を千年に延ばし、最高の快楽の麻薬にもなった。そしてさらに強力な兵器への転用も可能にした」

 「つまりダーニシスはそれによって莫大な資産を手に入れ、帝星内での地位を手に入れた。だけど彼は帝位継承二位だから、君を暗殺しようとした」

 「そういうことだ。同じデルトレシス人として、君達地球人には本当に申し訳ないと思っている」

 「それについては君は悪くない。君は助けてくれた立場の人だよ」

 「そういってくれると嬉しいが、私にもっと力があれば良かったんだ。それさえあれば、君達が傷つく必要はなかった」

 「結果論だよリズ。何度も言ったじゃないか、与えられるのではなく掴むものだって」

 「それはそうだが……」

 「俺もそーいえば、いまいち理解してなかったんだが、リズが軍隊つれて始めから出ることは出来なかったのか?」

 「またコウタ、あんたは……それも話したでしょ」

 「そうだったっけ?」

 「まあ、簡単に言うと、私の私設軍は評議会が握っていた。その評議会には数名だが私の協力者が居る。その者たちが尽力してくれたのだが、そのためには地球の存在と、OZEプラントの存在、そして知的生命体が非人道的に搾取されている決定的な事実を突き付ける必要があった。一番重要なのは、君達がこの境遇に対して不満を持っていること。最低限それがないと、手が出せなかった。だから君達が抗う姿を見せる必要があった」

 「なるほど、なるほど。ようやく理解できたぜ。サンキューなリズ」

 「私も君には感謝してるよコウタ。それに君の背中は思いのほか居心地がよかった」

 「ばっ、馬鹿やろう。恥ずかしいこと言ってんじゃねーよ」

 「あらあらコウタ君は顔が真っ赤でちゅねー」

 「うっせー馬鹿ユリ」

 「なによ脳筋バカ」

 「おいおいっお前らここに来て喧嘩ばかりすんなよ」

 「いやいやカナメ。私はこの二人の掛け合いが好きなんだ。止めるなんて無粋なマネは辞めてくれ」

 「リズー……君はそうやっていつも人事のように・・」

 「カナメ」

 「どうしたシオリ」

 「あれ」

 シオリが指を指した方角は東。

 一同が向いている水平線から赤みがかった光りが射し始めた。


 いたるところから歓声が上がる。

 人類が拝む100年ぶりの太陽。

 先ほどまで輝きを放っていた黄色い月も、今ではやや薄く白味掛かっている。

 カナメはこの美しい光景を前にして想う。

 多くの血が流れた結果手に入れたものは、それに見合うものなのだろうか。

 それを意味あるものにするのは、これから生き抜いていくことになる人間自身であるし、本来、人はそうやって生きてきた。

 だから不安は無い。

 これから先、生きていくためには、いろんな制度を作る必要があるし、どうやって生きていくかも考えないと行けないが、それは皆で考えればよい。

 やる事、考えることは山積みで、他の区画都市の解放も行わなくてはならないが、この瞬間くらいはその全てを忘れて、美しい暁の空、眩しい陽光を眺めたい。

 「カナメ……俺達やったんだな」

 「ああ、そうだ」

 「なんか涙が出ちゃう」

 「鬼の目にも涙ってか」

 「殺すわよコウタ」

 「はっはっはもっとやれ、もっとやれ」

 「リズ………」

 「カナメ、大好き」

 「ちょっとシオリ、ドサクサに紛れて何してんのよ」

 「チッ」

 「あー、舌打ちした、今舌打ちしたわよこの娘」

 世界を救ってからも相変わらずだった。

 にぎやかで、騒がしく、心強い。

 暁が想像を遥かに超える光りを届け、心に染み込んで行く。

 友と交わした約束は、全員が欠けることなくこの光景を見ることだ。

 気がつけば誰もが魅入っていた。

 「みんな……綺麗だな」

ここまでご覧頂きありがとうございます。

これで一応、朝焼けエクソダスは終了です。

(ただ連載終了状態にはしません。理由は下記で)

ご感想やご評価をいただけると嬉しいです。

ぜひともお願いします!!!


構想に一ヶ月、書き上げるのに二ヶ月といった具合で、時間を作ってはだらだらと書きあげました。

個人的に思い入れの強い作品ですので、実は後日談的なものも用意はしていますが、現在作成途中です。

いい具合に書き溜まったら再度放出しようと思いますので、ご期待いただければ幸いです。


また、別作品ではございますが、当サイトにて連載途中の「学園生活は魔女と共に」もご覧いただければ幸いです。

三月より更新を控えておりましたが(転職に伴い忙しかったのです^^;)、目下続きを作成中です。おそらくエクソダスの後日談よりはそちらを優先すると思います。

今後も精進して参りますので末永いお付き合いをお願い致します。

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