コンビニの店長
掲載日:2025/11/04
午前9時30分。夜勤明けの引き継ぎも終わり。さっきのあのカップルの甘々さ。忌々しいけど、羨ましい。
退勤処理を済まして、今日のシフトを確認する。昼勤は井上と瀬下さんか。この2人なら急に連絡してきてシフトを変わって欲しい。ということもないだろう。
俺は、バックヤードを出て店内を廻る。三井のやつ、また補充をしていない。注意しないとな。などなど思いつつ、廃棄間近の菓子パンを2つと同じく廃棄間近の唐揚げ弁当を取ってかごに入れる。
オレンジ色のかごに、唐揚げ弁当を入れた時に俺は少し虚しくなり、溜息を、ふう。とついて思う。
『あまり注意はしたく無いんけどな』と。
レジにかごをおいて精算をしてもらう。レジの小川さんは、レジ打ちが拙い。でも、真面目に勤めてくれているから長く続けて欲しいと思う。
ピッ。ピッ。
「1238円になります」
「あ、ごめん。これも」と俺は言って、レジ横のホットウォーマーからミルクティーをとる。
ピッ。
「1376円になります」
俺はスマホをレジにあて、精算をすました。
ミルクティーを小川さんに渡していう。
「頑張ってね」
「ありがとうございます。タケダさん」
はて? 小川さんは、いつも俺の事はタケダ店長って呼んでなかったか?




