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ウチの騎士団長は未来が視えます!…僕が今日死んじゃうってホントですかッ!?  作者: キモウサ


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04. 第二王子の婚約破棄


 「おまたせしました。情報を集めてまいりました」

 「僕も集めてきたよー」

 「おう!おつかれ!」

 


 あれから一旦、ミーティングを中断して僕とアーネストさんとで、情報収集に行くことになったんだ。


 ロボスト副団長は予定どおりに王宮騎士団の定例全体会議に、団長の代理として出席。団長はというと部屋で、いつも通りにゴロゴロお留守番ってかんじ。


 団長が留守番なのはいつものことなんだよね。こういう時に限って団長は余計な揉め事を拾ってくる悪癖があるんで、大人しくしておいてもらうのが第八騎士団のルールになってる。



 「戻りました。団長、こちらが全体会議の配布資料です」

 「代理で行ってもらって悪かったな。おつかれ!」

 


 ちょうどロボスト副団長も全体会議から戻ってきていたので、さっそく報告会を始めよう。

 


 「まず私から全体会議の報告をさせてもらう。ちょっと信じられない話なんだが……昨夜、ある女性が聖女であると、教会から正式に認定されたそうだ」


 「は?聖女?」

 「聖女って、おとぎ話に出てくるアレ?」

 「伝説上の存在ですよね」

 


 聖女っていうのは、我が王国の建国神話に出てくる女性のことだ。


 聖女は癒やしの力を持っていたと言われている。そして苦しむ民を救おうと立ち上がった一人の剣士に助勢したことでも知られているんだ。


 後にその剣士は初代国王に、聖女は初代王妃になったと語り継がれているけど、昔のことだから本当の話かどうかは分からない。

 

 

 「それが本物の聖女であることが、教会関係者により確認されたそうです。昨夜から今朝にかけて、急遽、王宮に呼ばれた教会関係者が調べたと聞きました」

 

 「へえ、それで誰が聖女だったんだ?王宮に教会関係者が呼ばれたってことは、王宮に住む誰か――例えば王女のうちの一人、それとも侍女あたりかもしれないな」


 「それが、そのあたりは秘密にされているようです。全体会議では公開されませんでした」

 


 ロボスト副団長の報告を聞きながら、僕はちょっとひっかかるものを感じた。


 実は僕が色々聞きこんできた情報も、昨夜、王宮で起こった事に関する情報なんだよね。同じ時間に、そんなに色々と事件が起こるものだろうか?


 ちらりとアーネストさんを見ると、彼もなにやら考えているようだね。

 


 「では次は私からご報告致しましょう。事務官仲間の数人から話を聞いてきました。ロボストが報告したとおり、昨日、王宮にて開かれたパーティで第二王子殿下が婚約破棄を宣言、婚約者は姉のアマンダ様から妹のプリシラ様へと変更されたそうです」

 


 ロボスト副団長が最初に報告してくれたとおり、やっぱり第二王子殿下はパーティ内で婚約破棄を宣言して、元婚約者の妹さんが新しい婚約者になったのは事実みたいだね。

 


 「ここまでは、もうすでに多くの者の耳に届いている情報だと思います。今頃、社交界は大騒ぎでしょう。パーティーという公の場で、なされたことですからね。ここから先は第一王子殿下、第二王子殿下、共に他言を禁止する秘密令を下しており、秘密情報となります」

 


 秘密情報!アーネストさんから出た衝撃的な言葉に、団長とロボスト副団長が、ちょっと前のめりになった。

 


 「昨夜のパーティ中に、第二王子殿下の新たな婚約者となられたプリシラ様ですが、本日未明、その婚約は破棄されたようです」


 「え?」

 「また婚約破棄?」

 「どうなってるんだ?」

 


 未明っていうのは、深夜から早朝にかけてのことをいうから、夜の間に再度、第二王子殿下の婚約破棄が行われたってことになるよね。


 アーネストさんの報告を受けて、ロボスト副団長は腕を組みながら眉をしかめる。

 


 「――最初のアマンダ様との婚約破棄はまだ分かりますが、その後のプリシラ様との婚約破棄は意味が分かりませんね……すぐに婚約破棄をするなら、なぜ婚約したのでしょうか?」

 


 団長が軽く肩をすくめる。

 


 「さあな。なんだか知らんが、プリシラ嬢と婚約破棄する必要が出てきたんだろうよ。婚約破棄したあとで、姉のアマンダ嬢のほうが良かったと思った……のかもしれないな」


「お待ちください。私の報告はもう少しあります。パーティで婚約破棄されたアマンダ様は、その場でパーティ会場から追放されたそうです」


「「「追放〜!?」」」



 「はい、追放です。第二王子殿下の命令により、現場で警備を担当していた騎士たちが、アマンダ様を会場の外へと誘導いたしました」

 


 アーネストさんの報告を聞いて、僕たちは揃って顔をしかめた。

 


 「ひっでえこと、するもんだよな」

 「まあ、第二王子殿下ですからね……」 

 「気の毒に……」



 令嬢をパーティ会場から強制的に放り出すなんてね。今度から第二王子殿下のことを陰で、鬼畜王子って呼んじゃおう。

 


 「報告を続けます……会場から追放されたアマンダ様の、その後の足取りは分かっておりません。どうもアマンダ様は、家でもあまり大切にされていなかったようでして、付き人や護衛もいなかったようなのです」

 

 

 ここでロボスト副団長が、補足情報を付け足してくれる。

 


 「そういえば、アマンダ様はパーティで毎回、同じ古い型のドレスを着ていたな。宝石も安っぽい小さいものだった。令嬢としては悪い意味で目立っていたので覚えている」


「へえ……スピナー侯爵といえば、広大な領地を持った大貴族として有名なのにな。娘にドレスひとつ買ってやれないのか。婚約者の第二王子、つまり俺の兄上殿も金欠なのか?」


「いえ、妹のプリシラ様は、毎回新しいドレスでしたね。つけている宝石も豪華で注目を浴びてました」



 どうやらアマンダ様は、家族からも婚約者からも大事にされてなかったみたいだ。ここで僕は気になった事を聞いてみた。

 


 「昨夜はパーティから放り出され、今朝は第一王子殿下から護衛依頼があった。ってことは、アマンダ様は一晩、王宮のどこかで過ごしたってことなの?」



 貴族はだいたい昼過ぎから活動を始めるんだ。朝は動かない。なのでアマンダ様が昨夜スピナー侯爵邸に戻って、今朝、また王宮に来たとは考え難いんだよ。


 アマンダ様は昨夜、王宮のどこかで過ごしたはずなんだ。

 

 アマンダ様は婚約破棄された後、パーティー会場から追い出されて、その後、どこで何をしていたんだろう?


 謎が出てきたね。


 


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