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兄と姉と弟のおはなし

作者: 紫藤 楚妖

 俺の名前はきな粉餅、猫である。体毛が黄色いからきな粉餅だ。品種などというものは知らない。俺は俺だ。俺が住んでいる家は和風といわれるらしく障子とかふすまと呼ばれるものがたくさんある。あれはいいものだ。白くぴんと張った紙を破るのは何ともいえない楽しみだ。それに木の枠で爪を研ぐのも面白い。まあ飼い主の親父に見つかると怒られるが。俺の妹と弟はそういうことはやらないので親父から怒られるのは俺だけだ。別に恨みはしない。男は叩かれて強くなっていくものだ。その点妹と弟は打たれ弱い。なんせ外で蛇やムカデを見つけたら叫び声をあげる。俺は兄貴だからな。二匹を守ってやらないといけない。夜だって俺と一緒じゃないと寝れない甘えん坊たちだ。だが妹はともかく弟は俺よりもでかいんだからもう少ししっかりしてほしい。

 私の名前はぼたもち。落ち着いた色の体毛が自慢なの。けどぼたもちなんてとろくさそうな名前は私には似合わないわね。まったく飼い主のお父さんのセンスったらないわ。そんな私には二匹の弟がいるの。二匹とも姉である私の従順なしもべなのよ。体が大きいほうは私が外へ出かけるときはボディーガードについてくるし。小さいほうは私が一声上げれば飛んでくるの。ま、弟は姉のしもべですもの。当然ね。夜だって私が寝るときは二匹とも私のそばで守ってくれるの。たまには毛づくろいでもしてあげてねぎらってあげないと。


うちには二匹の猫がいる。父親が保護猫を引き取ってきて見た目から食べ物と同じ名前を付けた。幸い私は在宅でできる仕事なので毎日猫と戯れることができて幸せだ。しかしなんだろう。猫たちの態度からどうも私のことを自分たちよりヒエラルキーが下、自分たちの弟だと思っている気がする。

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