毛だるい気だるい毛
毛髪量が気になる。
絶対におかしい。絶対に違っている、毛髪量が違ってきている。
おかしい。なんらかの罰を受けているに違いない。何かがずれてきている、ゆっくりと確実にすごく大きな物が空まで届くくらいの怪物が
ずしーん
ずしーん
と近づいてきている。その音が大きくなるにつれ、毛髪量は小さくなる。
あ、いいこと思い付いた!俺は思った。ボウズにした。ボウズにしたらいいんだ
革命的だった。ボウズにすると無いんだかあるんだかわからなくなり結果“怪物”は力が弱くなり、俺は一安心した。
ある日のこと。
ずしーん
ずしーん…
えっ、音がする。嘘だろ
もう怪物はいないはずなのに。ずしーん
白髪が出てきた。ずしーん
白髪怪物がやって来た。よぉく見ると白髪がキラキラしている。ボウズでもそれは隠せなかった。ずしーん
髭も白くキラキラしだしている。光輝いている。世の中と同じだ。世界はキラキラよぉくみると光っている。
髭は剃らなかった。
ボウズももぉやめた
こんなおいかけっこ、馬鹿馬鹿しい。好きなように生やし好きなように抜ければよい。そして好きな色に染まれ。そう思った
モジャモジャなのかなんなのかわからなくなった
仕事先では怒られた。そりゃそうだ。でもいいんだ、これで…これで…
毛髪量が気になる。食べても食べても無くならない。どこから来たのか白い毛髪は俺を変えていっている。むしゃむしゃ…
間違ってるのは世の中の方で、人はそれぞれそいつなりの生き方みたいなもの、探す必要がある。それが俺にとっては毛髪を好きにわっさーとさせることで、社会性も何もそこには関係ない。いいんだ