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第35話・我が往くは荒野の果て


夜が明けてきました。

俺が筏で海岸に着いた時にはオルカさんは既にその身を海中に没していました。


よっぽど、早く帰還したかったんでしょうか?

なんか切なくなってしまっています。


さて、筏の造りが甘かったせいでズボンもパンツもビッショビショです。

しかし、幾ら無人の荒野だからと言って下半身丸出しで歩くわけにもいかず、少々不快ではありますが、そのまま移動を開始しました。


地図はもらったんですが、あまり意味がありませんでした。

だってね。100kmくらい先まで何も無いんですよ。

ただ、地図の端っこにチラっと道の様な線が写りこんでいるので、とにかくそれを目指してみようと考えたわけです。


「こんなゴミみたいな地図より、ドローンゴーレムの一台でも持って来れば良かったよ」


後悔先に立たず。まあ、黒丸を使って直接島からドローンゴーレムを取り寄せるって事も出来るからイイかな。って思っていたりしています。




さて、トボトボと歩いているんですが、正直言うとねぇ、飽きます。

だってさ、景色が変わらないんだもの。

ひたすらの荒野…。右も左も前も後ろも見えるのは地平線のみ。

進んでいるのかどうか?さえ、わからなくなってます。


「せめて徒歩以外の移動手段があればなぁ」


なんて思っているんですよ。

まあ、アレです。異世界モノの定番と言えば「オートバイ」ですね。

マンガやアニメなんかだとカッコイイ流線型をしたレーシングタイプのバイクだったりするんですが、大丈夫だったんでしょうか?


そんなバイクが疾走している場所は大抵は今いる感じの荒野だったりしてました。

未舗装の荒れ地ですよ?オフロードタイプの方が良くありませんか?

しかも、サイドカーとかも付いた上にハーレム状態で大人数…。

ぶっちゃけ車の方が安全だと思ってるんですがねぇ〜。


荒野をバイクで疾走するなら、俺みたいにボッチの状態でオフロードタイプにするのが一番良いと思うんですよ。


……あれ?なんでしょう?何故か涙が止まりません。

ボッチって……ボッチ……。

ボッチで何が悪い!!そりゃあ、まだ第一村人すら発見してませんけどぉ!

でも、もうすぐ町を見つける予定だしぃ!んで、可愛い娘ちゃんとイチャイチャするのも決まってるはずだしぃ!明るい未来が待ってるはずなんだよ!!

……たぶん。


い……いかん……いかんなぁ〜。急に一人になったから変な病気が再発したぞ。

ボッチ病は心が弱くなってる証拠だ。ここは切り替えていきましょう。


そうそう今、考える事は移動手段の事。ちゃっちゃとオートバイを作っちゃいましょうかね。

さて、俺のスキルで作れるとしたら、どういうバイクになるんでしょうか?

エンジン?無理!てか、パーツ数が多いからメンドい。

しかも内燃機関って燃料がいるじゃん?一々ガソリンを精製するなんてやる気スイッチが入りません。

ならば、どうするか?答えは簡単です。電気で走りましょう。

魔導発電はお手の物です。モーターだってオルカさんを造る時に経験済みです。


あとは、フレームに太目のタイヤ。パンクすると面倒なんでノーパンクタイヤってヤツにしましょうか。それとサスペンションも重要です。


「って事でぇ〜。スキル発動!!」


気合い一発。幾つもの魔法陣が出現して輝き出します。

乱舞する魔法陣は、いつ見ても幻想的な光景です。


そして……、チ〜〜ン。と、安い電子レンジみたいな終了音。

出来ました。電動バイクの完成です!!


「おお〜良い感じじゃあ〜りませんか!!カッコよろしいぃ〜」


では、さっそく乗って行きましょう!!

さっと跨りアクセル全開です!!

荒れ地の走行なんでチョットばかりガタついてスピードが出し難いですが、それでも時速30〜40kmは出てる感じです。

ただ、ミョーーーって、変なモーター音ですけど、この際は気にしません。

これなら、明日には目的の街道付近には到着できそうです。



…………って思ってたんですが、夜になって気が付いたんです。

このバイク、ライトとブレーキを付け忘れてたって事に……。


いやぁ〜真っ暗闇でスッ転ぶとケガしますよ……。

ああ〜死ななくて良かったぁ〜。危ないところだった。


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