第30話・成長促進という名の拷問
ミョ〜〜〜〜〜ん……パチン
ドゴーーーーン!!!
ミョ〜〜〜〜〜ん……パチン
ドゴーーーーン!!!
数秒おきに顔面に衝撃を受けております。
皆さん、生きてますか?
僕は生きてます……。
いえ。表現は正確にしましょう。
僕は生かされております……。
なんかね、気が付けば身体中にいろいろなモノが接続されているんですよ。
まず、呼吸の確保なんでしょうか?口と鼻を塞ぐようにマスクが着いてます。
それから、栄養補給に腕から点滴。そして極め付けが身体中に低周波が流れる医療用の針がいっぱい……。
潜水艦ゴーレムのオルカさんは俺を拘束して、死なない様に対策してくれているんですね。身体中の針は、衰弱死しない様に適度な刺激で筋肉を鍛えているんだそうですよ。寝ながら筋力トレーニングをしているんだそうです。
ああ、それから何か耐性が付きました。
・『衝撃無効(ゴムパッチン・顔面のみ)』
・『トラウマ無効』
この二つです。これで心の健康も保てます。
感謝ですね……。
………って、そんなワケあるかぁ!!!
あれから、どれくらいの期間が経ったかわかりませんが、ずっとこの拷問が続いています。地獄です。
しかもこれ、ナニかの研究なようでゴーレムたちがいろいろとデータを集めている様子。俺は異世界で『モルモット』って職業についたようです。
その頃、オルカさんと設計士さんとの間で交わされた会話はこんな感じでした。
『スキルの練度は順調に伸びてますね。しかも同系統のスキルも連動して成長するとは予想外でした』
『うむ、嬉しい誤算という所か…。それとマスターからコピーもしたスキルもこちらで再現が可能になった事で「堕とされ島」の要塞化も可能になったな』
『要塞化の方はそちらにお任せします。こちらはマスターのスキル練度が目標に達し次第、西進しマスターを新天地に放り出し……送り届けます』
え?ナニ?放り出すとか言った?
『まあ、マスターには冒険を楽しんで頂きつつ、この世界に残ってる超文明の遺産を探し出していただこう』
『そうですね。マスターの事ですから、我々が言わずとも勝手に面白がっていろいろと集めてくる事でしょう』
『うむ、そうあってほしいものだ。我々の計画にはマスターの好奇心が重要なファクターでもあるからな……』
なんでしょうか?コイツ等は何を企んでおるんですかね?
世界の破滅とかではありませんように……。
途切れ途切れの意識の中で、そんな事を祈っておりました。
それから何回かオルカさんが整備と清掃の為にドック入りしていたのを覚えています。その間も俺にはモルモットとしての活動(?)をやっていたわけでして…。
『ふむ、予定以上に早く成長が出来ましたね』
オルカさんがそう宣言すると、俺に装着されていた怪しい機械類が次々と外されていきます。それはもう、バッチンバッチンと音がするくらいの勢いで外されていますよ。
「ミギャ!!ムオォォ!!ウギャァーー!!痛い!!痛いってば!!!」
外し方がスッゴイ雑です!激痛を伴ってます!!
もう少し優しくできんのか?!
『少しくらい我慢して下さいよ。漸く実験……成長促進が終わったんですから』
おい?今、実験って聞こえたぞ!俺はオマエ等の創造主だぞ!少しは敬えよ!
『こっちは次の実験とかいろいろスケジュールがあるんですよ。さっさとマスターを冒険に送り込まないと、時間がもったいないんです』
お?なんだ?モルモット扱いの次は厄介払いか?
この世界のダンジョンマスターの扱いは、そんなに低いのか?
『なんなら、長距離ロケットに括り付けて打ち上げましょうか?成功率は保証しませんけど……』
…………いえ……そういう雑な送り込みは間に合ってます。
普通に送って頂けますと、こちらとしても嬉しいです。
『そうですか?マスターをロケット花火で打ち上げたら、さぞや素敵な耐性が付くと思ったんですがね〜』
冗談じゃない。爆発確定のロケットなんぞ誰が乗るものか……。
『とにかく補給が済み次第、この島から脱出しますよ』
やったぁ〜〜〜。漸く、俺の冒険が始まるぞぉ〜〜〜〜。
『まあ、到着する場所が冒険が出来る場所だという保証はありませんけどね…』
おい!そんな怖い事言うなや……。




