第27話・脱出は、まだですか?
おはよう〜ございます。
労働の朝がきました。非常に気が滅入る朝ですね。
皆さん、労基に裏切られた気持ちをご存知ですか?
俺は知ってます。
元の世界なら自害モノですよ。ホントに…。
でも、この世界だと死に戻って同じ事の繰り返しです。
地獄でしょ?何しても状況が変わらない世界って地獄ですよ。
さて、そんな地獄の日々を延々と過ごして三ヶ月ほど経ちました。
そして本日、待ちに待った潜水艦が完成いたしました!!!
パチパチパチパチ〜〜〜。
『ようやく、完成か……』
設計士コンピューターさんが感慨深げに呟きます。
……アンタ、人をこき使っただけやん。ナニ感動してんの?
でも、これで『墜され島脱出計画』を第二段階に進める事が出来ます。
早速、試験航海ついでに脱出といきましょう!!
『ちょっと待てー!!オマエ、まさかこのまま島から脱出する気じゃないだろうな?!』
え?脱出するに決まってるでしょ?もう完成してるんですから…。
『アホか!このまま脱出しても、目的の大陸まで何日掛かるかもわからんだろ!』
そりゃそうだけどさぁ。このままジッとしてても意味ないじゃん?
行き当たりバッタリでも、どうにかなるんじゃないですかねぇ?
『オマエ、その少ない脳ミソをちったぁ〜働かせろよ。そんな適当な事じゃ、潜水艦で飢え死にして死に戻りするぞ』
少ない脳ミソとはなんだ!!これでも考えてるんだぞ!!潜水艦の周りは海なんだから、釣りでもすれば食料確保なんて簡単だろうが!!
『バカ極まれりとはこの事だな。釣りだけで食料確保が上手くいく訳なかろう。栄養失調が目に見えておるわ』
栄養失調で死に戻り?それはちょっとイヤかもぉ〜。
『第一、潜水艦での生活はストレスも多いんだ。それにメガロドンなる危険生物に対する攻撃手段の魚雷も無補給という訳にもいかないだろう』
う〜ん……。んじゃ、どうしたらイイんすかね?
『今更、補給艦を造る訳にもいかないだろうからな。オマエのスキル頼りという事になる』
スキル?そんな便利なスキルがありましたっけ?
『オマエは記憶力もポンコツだな。オマエには空間魔法のスキルがあっただろう』
あぁ〜。そう言えば、そんなのがありましたねぇ〜。黒丸で空間を繋げるヤツが。
でも、あまり練習もしてないから、距離は未だに2mだし、黒丸の直径も20cmくらいしかありませんよ。
『だから、そいつを使い物にになるように練習してもらう。最低限でも距離10kmで直径1mになるまでは出航は見合わせてもらうぞ』
ええ〜〜〜!マジですかぁ〜?
『マジだ。これがこの潜水艦の補給線になるんだからな。練習してもらうぞ』
それって、かなりキツいんですけどぉ〜。
『キツくてもこれが絶対条件だ。まあ、仮にこの星が地球と同じくらいの大きさとするなら、スキルの到達距離が13000km程度で世界中に繋げられる事になるから、ホントのところ、その距離が理想なんだが……』
13000km?!それは無理です!!
『だから、最低限の10kmで妥協したんだ。後は航海中に徐々に延ばしていけば良いんだからな……』
う〜む……。やっぱり練習しかないのかぁ〜。非常に面倒くさいんですけどぉ〜。
『つべこべ言わずに、さっさと練習を始めろ!サボればサボるほど出発が遅れる事になるんだぞ!!』
ブぅぅぅぅ〜〜。わかりましたぁ…。やればイイんでしょ、やれば……。
こうして、またキツいキツい日々が始まりました。
それからの毎日はひたすら練習の日々。
潜水艦は完成しているのでブラックな就労の日々ではありませんが、これはこれで正直キツいんですけどね…。
黒丸を出したり引っ込めたりの反復練習をただただ繰り返しているだけです。
三日もやると飽きました。ホントの事言うと、初日の5分で飽きたんですがね。
前にも言いましたが、つまらない反復練習に面白みや快感なんか感じるヤツは、絶対に『真性のM』です。断言できます。
そして、そんなつまらない日々も一ヶ月も経とうとする頃……。
「どんなもんじゃーーー!!にゃぁ〜はっはっはっはぁ〜〜〜」
と、ちょっとテンションが変になっておりますが、それもそのはず、目の前には直径が10mはあるであろう黒丸が出現しております。
『一ヶ月でやってのけるとは、思った以上に頑張ったんだな…』
どうですか?スゴいでしょ?この黒丸の直径と黒丸間の距離は反比例の関係にあるので、距離を延ばすと直径が小さくなっていくんですよ。
で、その比率は直径1mに付き距離1kmってな具合になってるんですね。
って事はぁ…。目標の10kmを達成したって事です!!
「これで、脱出計画を進められるんだよね?」
『ああ、約束だからな。まずは試験航行からだぞ!!』
やったぁーーー!!ようやく冒険の始まりじゃぁーーー!!




