第24話・修正してやる!!
ゴーレムコンピューターからはポンコツ臭がほのかに香っていますが、気にしてはいけません。
兎にも角にも、今はデータの収集をしないと先には進めないのです。
そして、あれから半日掛けて取ったデータがこちらです。
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『ウミッテ、ショッパイネェーー(´▽`)』
『ナミでユラユラすると、きもちイイんだよ('ω')ノ』
『サンゴに当たるとゴツってするのーー(/・ω・)/』
『深く潜ると周りが冷たくなるんだよねぇ〜( *´艸`)』
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いかがでしょうか?
スゴイでしょ?半日でひらがなと漢字を覚えたんですよ。
…………………。
……ポンコツでした。
思った以上にポンコツコンピューターでした。
こんなクソデータで、どうやって潜水艦を造れっていうんでしょうか?
「イカン!こんなポンコツじゃ、お先真っ暗だ!」
だからといってゴーレムコンピューターを造り直す訳にはいきません。
何故なら、造り直したところで同レベルのポンコツが出来る可能性が『大』だからです。
「ならば……。修正するか……」
修正……。正しくは中身のプログラムの修正ですね。
ただ、俺はプログラミングのプの字も知らないんです。
まともなパソコンなんて仕事で使ってただけですし、普段はスマホで動画やゲームをやる程度…。
そんな俺が超高性能なゴーレムコンピューターのプログラムを修正するなんて出来るわけありません。
「とりあえず、見るだけ見てみるか」
コンピューターに繋げたタブレット端末を操作してプログラムを開いてみました。
画面にはわけのわからない英語みたいな文字列と数字と記号がズラ〜っと映し出されています。
「なんじゃこりゃ?わけわからん……」
当たり前のことです。素人が現代のプログラム性能以上を持つプログラムを見て理解出来るはずがありません。それは、ハッキリ言って猿に大学の受験を理解させるのと同じくらいの事です。
だからといって、そのまま放置するわけにもいかないんです。
「どげんとせんといかん…」
とある元県知事みたいなセリフが自然と出てきます。
俺にとって、こんなプログラミング言語なんてモノは理解の範疇外のモノです。
魔法の方がまだ理解できる気がします。
……!?
そか!理解出来ないなら、理解出来る形に変えちゃえばイイじゃん!!
たぶん使い方が間違っていると思いますが、あるたいへんに身分の高い女性が言ったとされる『パンがなければ、ケーキを食べれば良いじゃない』って言葉に習いましょう。
題して『文字で理解できなければ、絵にすれば良いじゃない』作戦です。
では早速、作戦開始です。
画面に映った文字列に意識を集中していきます。
そして、ひたすらに「絵になれぇ〜、絵になれぇ〜」と念じます。
すると、なんということでしょう!プログラムの文字列がフヨフヨと歪みし始めたかと思うと、あっという間に一幅の『絵』に変化したじゃありませんか!!
その『絵』は、この高度なポンコツプログラムがどんな状態かを一目で理解できるように描かれていました。
その絵はこう表現されていました……。
青く澄み渡った空に燦々と輝く太陽。
緩やかに広がっている丘陵は色とりどりの美しい花で覆われています。
そこに一人の少年が両手に『おでん』らしき串モノを持って踊りまくっています。
ご丁寧に鼻水まで垂らして……。
……なんでしょうか?これはあれですかね。
あの伝説の漫画家「赤〇不二夫」先生が描いたんでしょうか?
「……このプログラムは製作者に似たのかな?」
これじゃあ、正確なデータなんてとても望めません。
なので、しっかりとしたデータを取れるよう修正していきましょう。
まずは背景から……。
晴れ渡る青空にお花畑じゃいけません。
真面目にお仕事をして頂く為に室内に変更しましょう。
それもただの室内ではなく、キッチリしたオフィスの一室です。
室内には仕事に必要そうな機器もいろいろと書き込んでいきましょうか。
コンピューターに資料棚、それに製図台?とか言うのかな?それっぽい机とか…。
……うむ。こんな感じで良いでしょう。
次にこの絵の主役を変更しましょう。
真面目なオフィスにおでんを両手に持って踊りまくってるアホの子が居たんじゃ締まりません。
このアホな子にはご退場頂いて、真面目な大人に主役交代です。
やはりこのオフィスに似合うのはキッチリした技術者でしょう。
青系の作業服をピシっと着こみ、少し細目の眼鏡が似合う感じがいいと思います。
年齢は30代前半の思考も柔軟な若手が良いかな。髪型はやっぱり七三でしょ。
こだわりを持ってるニヒルな二枚目って感じです。
……。
………。
……………。
………よし!!描き上がりました!!
なかなか良く描けてると思います。『自画自賛』です。
では早速、再起動してみましょう。
スイッチオ〜ン!!
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『ダメだ!ダメだ!!ダメだ!!!なんだ!この船体のデザインは!!水の抵抗も考えてないのか?!しかも、この形じゃ100mも潜水したら圧潰するぞ!コイツを造ったヤツは素人か?!』
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はい。素人が思いつきで造った潜水艦です。
なんかメッチャ怒られてしまいました。
でも、コンピューター的には前より優秀になりましたね。
これなら、潜水艦の設計を任せられそうです。
そんな訳で、これからいろいろと俺の希望を考慮に入れて設計を相談していきたいと思います。
設計士さん、俺の夢を形にしてね。お願いします!!




