第20話・もう一つの空間魔法
転送魔法で一頻り孤独感に苛まれました。
でも、悲しんでばかりじゃいけません。
まだ、試さなくてはならない空間魔法があるのです。
それは『ストレージボックス』!
ラノベの定番魔法ですね。重さも時間も関係ナシの優れものです。
これさえあれば、喰いっ逸れが無いと言われるほどの魔法です。
早速、試してみましょう。
「ストレージ!!」
うにょんって感じで目の前に直径10cmほどの黒い丸が現れました。
黒丸には厚さはありません。これがたぶん入り口でしょう。
ただねぇ…2mほど先にも同じような黒い丸が浮かんでるです。
もう、嫌な予感しかありません。
しかし、ここは万に一つの可能性に賭けて試すしかありません。
先ほど使った石を手前の黒丸に入れてみましょう。
成功すれば『ストレージボックス』の内容表示が現れるはずです。
ゲートイン!!
………ボト。
………聞こえましたか?………聞こえましたよね?
ボトって…。明らかに重いモノが落ちる音が聞こえましたよ。
そんでもって希望の内容表示は現れていません。
見えるのは2m先に落ちている、さっきコッチの黒丸に入れたはずの石です。
そうです。皆さんおわかりですね。
この魔法もさっきのヤツ同じく転送魔法です。
仕組みはどこにでも行けるドアと同じです。
SFっぽく言うと、ワームホールというヤツです。
「四次元的なポケットが欲しかったのになぁ…」
そう言っても違うモノは仕方ありません。
要は使い方です。ストレージボックスにしたければ、出口を倉庫にすれば良いだけの事。食べ物の保存するなら巨大な冷蔵庫を作れば良いんです。
あとは入り口と出口の距離を延ばせば完璧です。
しかも、この魔法ならストレージボックス以外の使い道だってあります。
現時点で言うなら2mの延長コードを手に入れたようなものです。
ただ、この延長コードは全てのモノを延長出来ます。
何しろ、俺の腕ですら2m延長出来るんですよ。どんな高い所にも手が届く優れモノの魔法です。
それにですよ!出入り口の黒丸を大きくなれば、それこそ俺が望んでいた魔法に早変わりです!
さっきの爆音のする転送魔法なんかより全然使える魔法ですよ!!
「よし!モノは考え様だ!コイツは早急に育てて使える魔法にしよう」
使えないって嘆いていても無意味です。気持ちを切り替えていきましょう。
何度も言うようですが、創意工夫が生き残る秘訣なんです。
とりあえず、黒丸を出したり消したりしていれば魔法の熟練度は上がっていくはずです。何事も反復練習が大事ってことです。
でもね、やっぱり欲しいんですよ『ストレージボックス』ってヤツが……。
荷物を運ぶって思ってる以上に大変なんです。
そう思うと、宅配業者の皆さんのガンバリには感謝しかありません。
あ…、そか…。ここには宅配業者の皆さんも居ないんだっけ……。
泣かない……。泣いてなんかないやい!!
本年もご愛読いただき、ありがとうございました。
来年もゆっくりと更新していきますので、よろしくお願いします。
次回は1月21日(木)0:00更新予定です。




