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第19話・空間魔法を試してみよう


日々、海に行ったり山を駆けずり回ったりと忙しくしております。

皆さん、お元気ですか?俺は生きてます。


さて、遺跡発見から一か月ほど経ちました。

その間、拠点を拡張し食料確保に努め、サバイバル生活の更なる向上に邁進していました。

んが、ここで問題が発生しました。それは……。


移動めんどくさい問題!!


いやねぇ〜。食料集めをするにしても、山とか海とか一々歩かないといけないって正直面倒くさいって思っちゃったわけなんですよぉ〜。


なので、ここはサクっと魔法で楽をしようと思ったわけなんです。


んで、その魔法はと言うとラノベの定番『転移魔法』って事になるわけです。

転移ですよ!カッコイイじゃあ〜りませんか!!

ドコデモ行けるドアも良いですが、宇宙戦艦みたくワープするってのも良いですよね〜。俺には『空間魔法』のスキルがあるんで出来ないはずはありません。


このまま、島から脱出が出来れば言う事ナシなんですが、そこはそれ行った事のある場所にしか行けないのがデフォルトなわけで仕方ないんです。


では、早速やってみましょう。

意識を集中してからのぉーーー「テレポート!!!」


……………はい。皆さんおわかりですね?

ご想像の通りです。何も起きません。

1ミリたりとも移動してません。


どういう事でしょう?『転移魔法』が使えるのは感覚的にわかるのですが、発動しません。魔法の練度が低いのかしら?それとも発動条件が違うのかな?

検証してみましょう。


とりあえず、足元に落ちている野球ボール大の石を拾って試してみましょう。

石を掌に乗せて、意識を集中してからのぉーーー「テレポート!!!」


パシュ…バァーーン!!ボト…。


文字で表すとこんな感じになりますが、今の音がほぼ一瞬で鳴りました。

ホント、びっくりしました。


「ナニナニ…。何が起こったの〜?」


心臓がバクバクしてます。


とにかく、事実を確認しましょう。

まず、手に持ってた石が消えました。その石がどこに行ったかというと…。

2mほど先に落ちてました。最後のボトって音はこの石が落ちた時の音でしょう。

距離はショボイですが、魔法は成功した様です。


「転移っていうより、転送魔法じゃん…。しかも転送距離が2mって………」


ナンでしょうか?…微妙です。まあ、練習すれば距離は伸ばせるはずです。

ガンバって練習しましょう。


さて、次は最初のパシュ…バァーーン!!って音の原因です。

とりあえず、何度も魔法を使って観察してみましょう。



パシュ…バァーーン!!ボト…。


パシュ…バァーーン!!ボト…。


パシュ…バァーーン!!ボト…。


…………。



10回ほど繰り返してみて何となくわかりました。


転送距離は2m。転送場所は俺が見ている、もしくは考えた所。

途中に遮蔽物があっても関係ナシ。転送した場所にナニかがあった場合はその中に転送されるといった具合。


そして、最初のパシュの音は転送したモノが消えた時に鳴ってました。

で、次のバァーーン!!は転送したモノが出現した時に鳴った音でした。


「なるほどね……。なんかわかった……」


まず、石を転送した時に石が消えます。その時、石のあった場所に石の体積分の(から)の空間が出来ると思われます。そこは(から)の空間ですから空気もナニもありません。

所謂、真空の空間が瞬間的に出来た事になります。その真空の空間に周囲の空気が流れ込んでパシュと音がするんです。


んで、次のバァーーンは最初の音の作用と逆の事が原因と思われます。

空気の満たされた空間に石が出現すると石の体積分の空気が瞬間的に周囲に押し出されて衝撃波になってバァーーン!!って音がする。


「飛距離2mの転送砲って感じかな?武器として使うにも微妙だなぁ」


でも、使えない事は無いはずです。たぶん、対人戦なら無敵です。

何せ、対面した時点で敵の体内(心臓とか脳とか)に小さな石でも転送したと考えたら…。敵は戦闘になる前に心筋梗塞とか、脳閉塞になって死亡です。


「まあ、対戦相手すらここにはいないんだけどね…」


………。あれ?何でしょうか?急に涙が出てきました。


クぅ…。これは無敵の武器を手に入れたうれし泣きさ!!

淋しくなんてないやい!!


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