第18話・穴の中身は何だろな?
ゴーレムの名前を決めました。名前は『カニ助』です。
単純ですが仕方ありません。なんせ俺にはネームセンスがありませんから。
んで、今日も今日とて拠点広げをガンバッています。
カニ助には部屋の掃除をしてもらってます。見た目はカニでも高性能なゴーレムです。小さなハサミを駆使して雑巾がけをガンバッてくれています。カニ助用の小さいホウキとチリトリを作って渡してみると、一生懸命そうじも頑張ってくれてとても微笑ましいです。
さて、拠点の方ですがひたすら地下に広げていってます。
別に意味はありません。俺の趣味です。
なんかさぁ〜。地下の秘密基地ってカッコイイじゃん。
よくあるヒーロー物だと滝から飛行機がビューンって感じで発進したり、火口からロケットがバァーーンって飛び出すの憧れちゃうんだよねぇ〜。
ガキの頃に金持ちの友達が持ってた秘密基地のオモチャが欲しくてさ。
親にねだった思い出があるのよ。結局、買ってもらえなかったけどね。
そんな思い出に浸りつつも、地下へ地下へと広げていくこと数日…。
使う予定も無く地下5階にドーンと大きな(学校の体育館2個分の広さ)部屋を作っていたら、ボコっと壁が崩れました。何だか洞窟にぶち当たったみたいです。
でも、その洞窟がチョット変です。まるで人工的に作ったみたいに四角くなっていて、まるで通路のようです。しかも、床も壁面も岩ではなくコンクリートのようなモノで出来ています。
「なんだコレ?ダンジョンにでもあたったか?」
でも、こっちの世界にはダンジョンは存在しないって『たびのしおり』には書いてありました。と、いう事は…。
「遺跡?」
う〜ん…。わかりません。こういう時は『たびのしおり』に頼りましょう。
おしえて!おしえて!しおりさぁ〜ん!!!
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*遺跡を探索しよう!!
世界各地に点在する遺跡を探索してみましょう。
この世界には至る所に遺跡があります。この遺跡は大抵、今から一万年前に滅んだとされる超魔法文明の遺跡です。
遺跡には過去の遺物が眠っている事もあり、トレジャーハンターたちの狩場になっている事もあります。
遺物の中には現代では開発不可能なオーバーテクノロジーの物もあり、高値で取引されていますので一獲千金も夢じゃありません。
遺跡を発掘して歴史の謎を解き明かすのも良いでしょう。
夢とロマンと一獲千金の塊!!それがこの世界の遺跡です!!
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おお〜。良いですねぇ〜。超古代文明!!ロマンです!!
しかも、オーバーテクノロジー的な遺物もあるって!!
案外、転移装置的なモノがあって、サックリとこの島からオサラバ出来るかもしれません。
期待値バクアガリです!!早速、探検にいきましょう!!
懐中電灯は発電魔法陣が書いてある石に電球を直付けのヤツです。
一応、光魔法もあるのですが、豆電球ほどの明るさしかないポンコツっぷり。
なので、電気を使う方が断然便利です。
100ワットの明るさで周囲を照らしてくれます。
通路は10m程で行き止まりになりました。あっという間に探検終了と思ったのですが、通路に先には扉がありました。
その扉は引き戸のようなっていて、ほんの少し隙間が空いています。
隙間から照らして中の様子を伺ってみました。
何かがあるようですが、よくわかりません。
「こりゃ、入ってみるしかないか…」
扉に手を掛け、動かしてみます。
「ん…。う、動かん…」
扉がメッチャ硬いです。ビクともしません。
「うりゃ〜〜。んギギギギ…」
力いっぱい、頑張ってみましたが動きません。
そりゃ、一万年も動いてない扉だから仕方ないんでしょうが、扉が開かない事には探検の続きが出来ません。
「どうしたもんかなぁ?」
扉を無理にこじ開けるにしても、カニ助じゃ役に立ちそうもありません。
かと言って、俺の腕力じゃ絶対に無理です。
何か簡単にパワーの出る道具とかは無いものかなぁ…。
…。
……。
………。
あ!そうだ!『ジャッキ』があるじゃん!!
そうです。タイヤ交換の時に車を持ち上げるヤツです。
『油圧式ジャッキ』なんてのもありますが、ここは構造も簡単な『ねじ式ジャッキ』にしましょう。パンタグラフみたいなヤツです。
では早速、作っていきたいと思います。でも、いっぺんには出来ませんよ。俺の
製作スキルはまだポンコツですからね、面倒だけど部品を作って手作業で組み上げますよ。
部品製作中……。部品製作中……。部品製作中……。
組み上げ中……。組み上げ中……。組み上げ中……。
はい!完成です。思った以上に良い出来です。単純な構造が吉と出ました。
では、ジャッキを扉と壁の間に挟んで…と、これだ良いでしょう。
あとはネジネジ回すだけです。
ネジネジ、ネジネジ、ネジネジ、ネジネジ。
ジャッキを広げていくほどに扉がミシミシと音を上げます。
ほどなく、バキ!!と大きく音がして扉が動くようになりました。
俺が潜り込めるくらいに扉を開いて…、ではさっそく中に入ってみましょう。
暗い室内を電気で照らしてみると、そこには人が入れるほどの大きさの円筒形のガラス容器が二つ置いてありました。
ガラス容器は調整装置のような台の上に置かれ、上にはパイプが繋がっています。
これはどこかで見た事があるような気がします。
「これは…バイオリアクター?」
バイオなゲームで見た事があります。確か、ラスボス的なバイオな人が入ってた大きなジューサーミキサーみたいな機械です。
「中は何も入ってないな…」
容器の中はカラカラに乾いていて、何も入ってません。
最初から使われていなかったのか、時間の経過で中身が蒸発したのかはわかりませんが、容器の中は空っぽです。
「これが一万年前の遺跡とは…。かなり高度な文明だったんだな」
しかし、これ以外に室内には何もありません。
機械も一万年も前の物ですからとても使えるとは思えませんし、使えたとしてもどう使ったら良いのやら…。正直、ガラクタです。
「とりあえず、保留だな」
情報も資料もありませんし、動かすにも電気で動くのか魔法で動くのかすらわからない状態、もうお手上げです。
これは島を脱出した後のお楽しみにするしかなさそうです。
「転移装置とは言わないが、船とか飛行機くらいはあったら良いんだけどなぁ」
そうです。これだけ発達した文明だったんだから船くらい残っているかもしれません。それが発見できたなら、脱出もかなり楽になるはずです。
よし!これからは拠点を拡大ついでにお宝探しに邁進するぞ!!




