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第11話・練習、練習また練習


さて、拠点に帰ってきましたよ。

早速、焚き火をやって魚を焼いていきましょう。

しかし、ただ焼くだけではつまらない。

ここはスキルを使って一工夫といこう。

その一工夫というのは「塩焼き」である。

俺の持っている『物質創造スキル』なら「生物」以外なら大抵の物が創造できる。

「塩」=「塩化ナトリウム」なんて簡単にできる。

じゃぁ、早速「塩」を創造してみよう。

直接、地面に出すのはマズいから、ちょっと大きめの葉っぱを敷いてと……。


「出でよ!塩化ナトリウム!!」


意識を集中させて、葉っぱの上に「塩」を創造する。


「……えっと……?」


葉っぱ上に現れたのは白い塩の山ではなく、5㎝角ほどの透明な立方体だった。


「ナニ?これ?」


塩を創造したはずなんだけどなぁ……。

そう思いながら透明なサイコロをつまみ上げてみる。ガラスのような透明感があって、かと言って硬くはなさそう。匂いもない…。

もしかて…と、ちょっと舐めてみた。


「しょっぱ……」


あぁ~。これは「塩」だ…。正確に言うならば「塩化ナトリウムの結晶」だ。

小学生の時に夏休みの自由研究で作った事がある。

ここまで綺麗に結晶化はできなかったけど、なんか懐かしいなぁ~。

が、しかし懐かしがってばかりもいられない。こっちは焼き魚のために塩が欲しいのだ。とりあえず、そこらへんの石で結晶を砕いてから使おう。


あ!そうだ。この世界で大事なのは練習だ。練度が上がれば俺のポンコツスキルも使い勝手が良くなるはず。

ならば練習がてらスキルを使いまくって生活面を向上させていこう。


まずは結晶を砕くための台をコンクリートで造ってと……。

それから、金槌みたいなものを鉄で造ろう。


うむ!上手く出来たぞ。それほど大きくない物で構造が簡素なモノなら今の練度でいけるみたいだ。


んで、結晶を細かく砕いて…と、これで魚に振りかけて焼けば今夜のごはんの完成だ。早速、焼いていこう。


串に刺した魚が焼けていく。とても香ばしい香りである。

良いねぇ~。この島に堕とされてまだ三日しか経ってないけど、久しぶりのちゃんとしたメシにありつけた。

うむ、美味い。この焼き魚は最高だ。涙が溢れてくるほど美味である。

あぁ~生き返る~。てかマジで生き返ったけど……。


さて今、俺は焼き魚を食いつつ何をやっているかというと、スキルの練習をやっている。

俺の衣食住の安定にはスキルが必要不可欠だ。しかしポンコツのままではどうにもならない。ならば、練習あるのみだ。

そこで、何かと役立つであろう「魔道具制作スキル」の練度を上げるべく、Tシャツの製作に励んでいるのである。

で、現状はというと俺の傍らには人形サイズのTシャツが山積みになっているわけでぇ……。


「どうしよう?これ?」


人形の服屋さんでも開けるんじゃないかというほど量産したおかげで、子供サイズのTシャツは製作出来るようにはなったが、練習過程で出来るこの使えないTシャツの処分に困っているんだわ。

いっそのこと燃やせば良いかな?なんて考えたんだけど、変なところで俺の「もったいない精神」が騒ぎ始めたんよ。

で、さっきから悩んでいるんだけど……。う~ん…どうしよう~。

あ!「錬金術」のスキルを持ってたな。あれは使えないかな?

「錬金術」といえば「物質変換」がデフォルトのはず、鉛を黄金に変える例のヤツだ。本当は不老不死になる為の物質「賢者の石」の精製過程でのオマケみたいなモノらしいんだけど、そんな事はどうでもいい。

今、重要なのはこのゴミTシャツを如何に有用なモノに変換するかだ。

て事で初の「錬金術スキル」を発動してみよう。


「物質変換!!」


掛け声と共にTシャツを上下から挟むように魔法陣が出現する。

そしてその魔法陣はゆっくりとTシャツを包み込み、一瞬明るく光って消えた。

光が消えた後に残ったのはTシャツの形をした透明な結晶だった


「あぁ~……こりゃ塩だね…」


塩ばかり増やしても意味がない。「錬金術スキル」は集中力が大事なのかな?

適当に発動するモノじゃないらしい。

このスキルも練習が必要なようだ。


この世界は『怠惰』を許さないねぇ~。


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