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剣と魔法のメルヒェム  作者: あさぎれい
1/10

異世界



-I-



 いまよりも少しだけ未来(みらい)のこと、とある異世界(いせかい)に飛ばされてきた三人の高校生がおりました。


 ショーマ、ホノカ、ユートです。


 三人とも同じ高校に通う二年生でした。ホノカはショーマに告白をして付き合い始めたばかりで、ショーマとユートは親友同士(しんゆうどうし)です。


 見知らぬ森をさまよううちに三人は見たこともない怪物(モンスター)(おそ)われ、ここが自分たちのいた世界ではないことを知るのでした。


 怪物(モンスター)から逃げるうちにショーマは二人と(はな)(ばな)れになってしまいます。


 ホノカとユートは、深い谷底に落ちてしまったのです。


 ショーマは二人が死んでしまったと思い絶望(ぜつぼう)しました。


 半狂乱(はんきょうらん)になって走るうちに、いつのまにか洞窟(どうくつ)に入り込みそこで足を滑らせて地下のとても奥にまで転がり落ちました。


 自分もこのまま死んでしまうのかと(あきら)めはじめた暗闇(くらやみ)のなかでショーマは声を聞きます。


我輩(わがはい)竜神(ドラグロード)。この地に眠る守り神である。災いをもたらす魔王(まおう)気配(けはい)を感じていたところ、そなたが現れた。もしも魔王(まおう)と戦うというのであれば、そなたを助けよう」


「わかった。どうせもう死んだみたいなもんだ。だったら、やってやる」


「ならばそなたに秘められた能力の一部を解放してやろう」


 ショーマは今までにない力がみなぎるのを感じました。


 竜神(ドラグロード)は美しい刀剣(とうけん)にすがたを変えます。ショーマは(かたな)を手に洞窟(どうくつ)を出ました。


 山と森を抜けるうちにショーマはこの世界の人間たちが怪物(モンスター)(おそ)われているところに出くわします。


 新しい能力と竜神(ドラグロード)(かたな)怪物(モンスター)を倒したショーマは人間たちに感謝され、(ふもと)の村でもてなしを受けました。



 いっぽうその頃、ホノカとユートは死んではいませんでした。


 怪我をしているところを保護(ほご)された二人は、めずらしい異世界(いせかい)の人間を見つけたというので怪我が治ると【中央の国】に連れていかれました。


 そこに住む、賢者(けんじゃ)ラスコーニという男のお屋敷で面倒を見てもらいます。


「ショーマは、きっとどこかで生きているよ」


 毎日、悲しそうにしているホノカにユートは言いました。


「僕があいつを見つけ出してあげるから」


 本当はユートもホノカのことが好きでした。でも彼はそのことを秘密にしていました。


 大好きなホノカのためにできること。ユートはそれがショーマにまた会わしてあげることだと思いました。


 異世界(いせかい)の言葉を少し話せるようになるうちに、ユートは賢者(けんじゃ)ラスコーニに相談しました。


「友達を見つけたいのはわかりました。あなたには戦士(ファイター)魔導師(ウィザード)の両方の才能があります。まずは自分を(きた)えることです」


 ショーマの行方を探す見返(みかえ)りに、ユートは【中央の国】のために魔法戦士(ルーンウォーリア)として働くことになりました。


 ユートは怪物(モンスター)討伐(とうばつ)山賊(さんぞく)たちの壊滅(かいめつ)など手柄(てがら)を立てて認められ、やがて騎士(ナイト)として叙勲(じょくん)されるまでになります。


「ショーマ。あいつはいったいどこにいるんだ?」


 ユートは異世界(いせかい)の月を見上げ、ショーマもどこかで同じ月を見ているのだろうかと思いを()せます。


 その頃、ショーマもまたこの世界で活躍を認められているのでした……



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