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交錯するラブレター  作者: じりゅー@挿し絵は相関図
第四章 Surprise Truth
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驚愕する告白

 俺、佐那、真杜の三人の集合場所は一件のカフェとなった。

 もちろん以前映画の時に行ったカフェとは別の場所である。だって俺そこの店員に嫌われてるし。

 待ち合わせの時間より早く佐那と2人で一緒に来て、しばらく経ったところで真杜も来た。


「……」


「……この人が佐那さん?」


「ああ…うん…」


「………」


「ええと…なんていうか…」


 言いたいことは分かる。

 一目見た直後からセクハラレベル以上に体のあちこちを凝視されれば反応に困るし言葉も失う。それも、異性からではなく同性から。

 もちろん佐那は誓って普段からこんな奴じゃない。初対面で無遠慮な品定めだなんてこれまで一度も見たことが無いルーティーンだ。

 …待ち合わせには遅れてないんだけどな。何がそんなに気になるんだ。


「…まあ、とりあえず座れよ。立ったままじゃあれだし。」


「は、はい…」


 座ることを促すと、真杜は俺の隣に腰掛けた。あんな視線向けられちゃ隣に座りたくないよなそりゃ。初対面だし。


「………」


 そのせいかどのせいか更に佐那の視線が強くなってしまった。何が正解だったんだ。


「……真杜さん、で良いんだよね。」


「そういう貴女は佐那さん?」


「貴女…照矢のことはどう思ってるの?」


「え!?」


「は!?」


 いきなり何訊いてんだ!?

 せいぜい友人とかそれ以下とかその程度――


「え、えっと、どう、と言われても…」


 ――で合ってますよね?

 なんであっさり答えてくれないんですか。なんか俺まで変な誤解しちゃうでしょーが。


「ふむ…多少は脈あり…? でも…」


 なんか冷静に分析してらっしゃいますね佐那さん。なんか怖い。


「…照矢、ちょっとこっち来て。真杜さんは待ってて。」


「あ、おい、佐那…ゴメン真杜さん。」


「いえ、行ってあげてください。」


 真杜さんに一言断って佐那に付いて行く。

 合流して早々に呼び出しとは…本当に佐那の奴どうしたんだ?

 トイレの前に着くと、佐那は周りの目を気にしてコソコソと話し始める。


「ちょっと耳貸して…

 …照矢、気を付けた方が良いよ。

 アイツからは嫌な感じがする。」


「嫌な感じ?」


 佐那が人のことをそんな風に言うのはかなり珍しい。

 もちろん全くないわけじゃないが、大抵その相手は下心満載の異性とか素行の悪い人間に限られる。

 佐那に対して下心を抱いているわけでもなければ素行もそこまで悪そうには思えない。そんな相手にどうして…


「わかんないけど、嫌って言うか変って言うか違うっていうか…勘…みたいなものが…」


「…佐那。」


「何?」


「もうここで解散するか?」


「え?」


 …人には相性がある。それは佐那だって例外じゃない。

 何かよくわからんけど、佐那は真杜さんから苦手な物を感じ取っているのだろう。


「大丈夫だよ! それに、まだ真杜さんのことはよくわかってないし…私の誤解かもしれない。

 やっぱり、さっき言った事はあんまり気にしないで。失礼だしね。」


「お前が良いならいいんだけど…」


 …まあ、無事に仲良くなってくれることを祈っておくか。

 俺と佐那はすぐに真杜が居る席に戻った。

 真杜は最初と比べてフレンドリーな雰囲気になった佐那に少し驚いてはいたが、すぐに打ち解けられた。







 佐那と真杜の邂逅と親睦が済み、佐那が帰った後。

 俺は真杜に呼び出しを受けていた。それも、佐那には解散したフリをしてまで。

 なんでも、大事な話があるという話だが。


「…ありがとうございます、来てくれて。」


 呼び出されたのは先程のカフェに近い公園だった。

 遊具こそ少ないが、今日は夏休み。公園を利用する子供はちらほら居るようだった。


「それは良いんだが…話ってなんなんだ?」


 実は告白なんじゃないかとかさっぱり思ってない。マジで思ってない。心臓がドクドク言ってたりしてない。あ、それじゃ死んじゃうな。じゃあ程々にドクドク言ってるってことで。


「お話ししたいのは山々なんですが…ここでは、ちょっと。

 なので場所を変えましょう。人気のないところで。」


 ……おおう、なんというかその…え?

 ちょっと待って。マジで告白なんじゃないの? やばくないか?

 えっ、えっ、どうしよ。受けた方が良いのかな。それともまずはお友達からって感じで返した方が良いのかな。

 てなわけで移動。心臓が鳴りっぱなしだけど全く悟られないように気を付けながら付いて行く。

 着いたのは路地裏だった。ここには誰も居ない。

 だが…なにか不穏な雰囲気がする。

 甘酸っぱい気分は徐々に曇り始める。真杜の話とは、一体―――


「…城津さん、こんな話を知ってますか?

 とあるスパイの話なんですが…」


「スパイ? 映画か何かか?」


「いえ、実在の人物だそうです。

 その人はある大統領の妻として情報を傍受して、本国へ情報を送っていたそうなんですが…その人には一つ、おかしな点がありました。」


「おかしな点って言うと?」


()()()()()()()()()()()()()()。もちろん、その大統領にも。何故だと思います?」


「何故って…えっと…そういう関係になったらまずいから?」


「当たらずしも遠からず、50点の答えですね。」


 …今までの彼女なら、そんなことを言っていたら赤面していたはずなのに。

 不穏な空気が強くなっていく。心のざわめきが広がっていく。


「…実際のところ、送り込んだスパイが本当に相手を好きになって裏切ってしまうということはあったそうです。

 そこで、絶対にそうならないようにしたんですよ。()()()ターゲットを好きにならないように。」


「……」


「その方法と言うのが…」


 がしっと、真杜が俺の腕をつかむ。


「なっ…」


 振りほどけない。

 とてつもなく強い力だ。びくともしない。

 こんな力があるなら、あの時どうして…

 俺の手が真杜の首に持っていかれる。

 そして、その手が触れた瞬間…


()()()()()()()()()()()、って方法だったんだよな。」


 硬い。

 この感触は、もしかして喉仏か?

 なら、なら…真杜は…


「俺の本当の名前は高壁守。見て分からないだろうけど…男だ。」


 嘘、だろ?

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