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交錯するラブレター  作者: じりゅー@挿し絵は相関図
第四章 Surprise Truth
33/52

動揺する落胆

 

「大丈夫ですよ、心配しなくても。

 実は私、ボーイッシュな服装に興味がありまして。選んでくれたものなら例え男の子の服でも着ますから。」


 彼女はそう気遣ってくれているが。

 だからと言って本当に男物を選ぶわけにはいかないだろう。いくらペッタンコとは言え、ものの例えにしても自虐が過ぎる。

 普通に可愛い…彼女が喜びそうな物を選ばなくては。


「…これなんてどうだ?」


「あの、そのスカートはちょっと…丈が短すぎませんか?」


 駄目か。

 俺は至って大真面目に選んだつもりだったのだが、セクハラしてしまったような気分になる。

 更に短いスカートも横に置いてあったので、セーフかなと思ってしまったのだ。

 ひざ下…もしくは、足が隠れるくらいの物の方が良いのだろうか。

 大和撫子的な雰囲気はあるし、落ち着いた服装の方が…


「…何してるの?」


 と、そこで紙袋を提げた麗が戻って来た。

 心なしか不機嫌そうに見える。やっぱり睨むの俺なのね。


「怒ってる?」


「怒ってないけど。」


「…怒ってる?」


「怒ってないけど?」


 あと1、2回訊いたらガチギレされそうなので話を進めよう。


「今、真杜さんの服を選んでてだな…」


「そう、別に女装趣味があったわけではないのね。」


「んな訳あるか。」


 俺が女装なんてしても笑いか嫌悪しか生まないだろう。

 俺には自己嫌悪を深めて楽しむ趣味なんて無い。そんなんマゾを超えた得体のしれない何かだ。


「麗はどんなのが良いと思う?」


「真杜さんになら落ち着いた服の方が良いと思う。

 少なくとも、さっき貴方が選んでたのは無い。」


 ……そこまで見ていらしたか。いやはやお恥ずかしい。いや、確かに色もちょっと派手だったかなーとは思ってたけど。


「あの、私ボーイッシュな服が良いんですが…」


 あ、気遣いとかじゃなくて本当にボーイッシュな服が良かったのか。


「貴女にボーイッシュな服は似合わないと思うけど…」


「………」


 物凄い不服そうな顔をした後にしょんぼりと項垂れた。

 そんなにボーイッシュな服を着たかったのだろうか。


「麗、なんかわからんが言い過ぎたんじゃないか?」


「あの、そこまで厳しい言い方をしたつもりはなかったけど…傷つけてしまったならごめんなさい。」


「いえ…良いんです…せめて髪を切ってから言うべきですよね…」


 なんか滅茶苦茶落ち込んでる。

 なら、お詫びと言っては何だがせめて似合ってそうな服の一つや二つ見繕ってくるか。

 まずはズボン。ジーパン的な奴を選ぶだけなら簡た……サイズわかんねー。戻ろ。

 …過去最速の諦めを見せてしまったような気がする。麗に。真杜さんはしょぼくれてて見てない。


「真杜さん、それっぽいの選んであげるから一緒に来てくれ。サイズが分からないんだ。」


「…はい。」


「私も手伝う。」


 こうして、俺たち3人はお互いに服を選んだ。

 …そう、3人である。なんか流れで俺も購入することになってしまった。

 冗談だったとはいえスカート持ってくるの止めてくれませんか真杜さん。さっきの仕返しですか? 俺似合わねーよ絶対。






 買い物が終わったら昼食に入る。

 服選びに少し時間をかけてしまったせいでやや遅めとなり、お腹はグーペコ。

 少し話し合った結果近くのファミレスという結論で落ち着き、店員に案内されるがままボックス席へ。

 俺が超無遠慮に真っ先に座ると、2人は俺の隣に麗、向かいに真杜という配置で座ったのでメニュー表を真杜に配る。

 麗と一緒に覗き込み、テキトーな間隔を開けながらページをめくる。


「あ、今のページちょっと戻って。」


「ん? ここか?」


「そう。

 ………ありがと。」


「ああ。」


 再びメニュー表に視線を戻そうとする。

 しかしその前に視線を感じ、辿ってみると真杜がニヤニヤしながら俺たちを見ていた。


「…なんだ?」


「今のやりとり、なんか夫婦みたいだったなって。」


「「え?」」


 別にこれくらい普通だろ?

 友人同士とかでも普通にやりそうなんだが。


「そ、そう…なの?」


 あれ? そうなのか?


「ふーん、へーぇ…」


「おい、話も良いけど注文は決まったのか?」


 なんとなく俺も恥ずかしくなってきたので話題を逸らす。因みに俺は決まってない。


「私は決まってますよ。」


「私も。」


「あ、ちょっと待ってくれ。俺まだなんだ。」


 決まってないの俺だけかよ。早いな二人とも。

 …まあ、これでいいか。

 ボタンを押すとすぐに店員が注文を取りに来たので、各々の注文を言う。


「チキンステーキとドリンクバーお願いします。」


「サラダバーとマルゲリータで。」


「私は…ハンバーグとライス、ドリンクバーにポテトで。」


 結構食うな真杜さん。カロリーなんて何のそのって感じだ。


「ポテトはシェアしましょう。遠慮無く食べて良いですよ。」


「なんだ、そう言うことか。

 てっきり一人で平らげるつもりかと思った。」


「それでも良いんですが…

 こういうところのポテトってシェアする物ですし。」


 良いんだ。

 別に一人で食っちゃっても良い気はするけどな。その辺の考え方は人それぞれだろう。

 その後、食事中の会話が少なかったこともあり昼食は特に大きなことは無く終了した。余計な騒動が無くてほっとしたのは内緒…にするまでも無いな別に。言いふらすことでもないけど。

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