表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
交錯するラブレター  作者: じりゅー@挿し絵は相関図
第四章 Surprise Truth
30/52

暗躍する陰謀

タイトルの危険が危ない感。

関係無いですけどこの時期に虫刺されってマジですか…

 

「これで良かったか?」


 住宅街の隅。

 人の寄り付かぬその場所に、二人の男がいた。


「今回は、良いだろう。」


「…これからってことか。」


「話が早いな、その通りだ。

 是非とも、この調子で頼みたい。」


「そうか…

 ……」


 片方の男はもう一人をじっと見て黙り込む。

 その視線に込められた懐疑を感じ取った男は答えた。


「…今は無事だ。何もしていない。

 今はまだ、な。」


「その言葉、信じて良いのか?」


「こちらも命が惜しい。手を出したらどんな末路を辿るかくらいわかっているとも。」


「……ならいい。」


「では、今後も頼むよ。

 …そう言えば、()()は随分と可愛らしかったな。是非とも一度…」


「お前…!」


「いやいや、別に深い意味はない。純粋にそう思っただけだ。」


「……そうか。」


 言葉と共に吐き捨てた不快感、苛立ち、そして焦燥。

 背を向けた男はそんな顔を隠しもせずにその場を後にした。







「……」


 夜。

 俺はケータイを眺めて悩んでいた。


「………なんでかなぁ…なんでダブるかなぁ…」


 その原因はダブルブッキング。

 風呂に入った時、放置していたケータイは二件の通知を映していた。

 一つは今日知り合った女の子(ちなみに名前はM.T。多分イニシャルだろう)からのSENNの通知。お礼がしたいということで、明日駅前に集合してほしいらしい。

 もう一つは、意外なことに麗からのSENN。珍しいことにこちらもお出かけのお誘いだった。

 そして、指定された時間帯は…


(どちらもピッタリ9時…!)


 しかも集合場所まで指し示したかのように同じだった。駅前大人気。

 …実はどっちか夜の9時ってことは無いかな。

 と言う訳でメッセージを送る。


 [夜?]


 あ、朝って入れ忘れた。まあいいか。

 2人ともすぐに既読がついたが、返信までには微妙な間があった。宇宙交信かよ。


 [Ara you monkey?]


 by麗。

 ……なんだ、お前は俺にとってのモンキーなんだよってか?


 [そういうお礼じゃないです!]


 こっちはM.Tさんから。

 …そういうお礼?

 どういう…


「………あ。」


 ようやっと思い至った。

 やっべ、なんか変な誤解されてる。別にそんな意図は無かったのに。


 [[ゴメン、別に変な意図は無かった]]


 [[単なる確認のつもりだった]]


 [[念には念を入れただけだから]]


 [[夜景とかの可能性もあるかと思ったから]]


 思いついた言い訳を連投する。かえって怪しまれそうだが送ってしまったものはしょうがない。

 まあ、あんな反応したなら絶対どっちも朝の方だな…間違いなくダブってるなこれ。

 ……どっちか片方ずらせないだろうか。

 そうだ。内容にもよるが、時間帯、もしくは日付をずらせるならいける。


 [[時間帯とか日付とかずらせるか?]]


 [無理]


 [ごめんなさい]


 駄目か…


 [[っていうか何すんの?]]


 [秘密]

 [秘密です]


 仲良しかよ。 

 正体不明のずらせない用事とか怪しすぎるんですけど。しかも被るフツー?


 [[俺明日用事あるんだけど]]


 [なんとかして]

 [なんとか来てください!]


 えぇ~…


 [[正体不明のずらせない用事が被ってしまいました。どうすれば良いですか?]]


 [それほっぽり出してこっちに来れば解決。]


 [断って来てください]


 てめーら…

 ……しょうがない。片方はすっぽかすか。


 […わかった。すっぽかせって言ったのはお前だからな?]


 [え?]


 [何? すっぽかすとどうなるの?]


 麗はこれでよし。後は未読スルーだ。

 無駄に悩むがいい。全く無駄だけど。無駄なんだよ、無駄無駄…


 [責任は持てないけど頑張る]


 [割とサイテーな発言…]


 こちとらサイテーな事態に直面したんでな。

 よし、あとは明日ノープランで駅前に行くだけだ。早い者勝ち方式を取らせてもらうとしよう。

 先に会った方の用事を済ませる。会わなかった方は敗北者ってことで。

 さーて寝るとするか。夜更かしして寝坊でもしたらシャレにならん。特に麗の方はえぐい埋め合わせとか用意してもおかしくは……まあ、そこまで酷い奴じゃないか。

 ……ちょっとゲームしてから寝よっと。







 やべぇ…

 いや、別に遅刻した訳じゃない。今はまだ集合時間になってないし、ここは駅前だ。

 開始数分で詰んですぐに寝たので寝不足とかではないのだが…


「なんでアイツらあんなに近いのかなぁ…」


 M.Tさんと麗の距離が近すぎるせいで俺が近づけない。

 近付けば2人と目と目が合ってダブルバトル発生。敗北者は生まれない。強いて言うなら俺が敗北者になる。

 しかもむっちゃキョロキョロしてる。多分この物陰から出た瞬間二つの視線が着地狩りしてくるだろう。

 …正解は、どこだ?


 ポコポコ


 今のは、SENNの…

 そうか、もう時間になってしまったのか。覚悟を決めろってことだな。


 [来た?]


 …M.Tさんか。


 [遅い]


 続けて麗からも。

 今、俺は決断を迫られている。

 そして、答えは決まっている。

 それは―――














 [[ごめん、無理。]]


 俺は振り返って走り出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ