僕だけの世界になるまで
あれからどれだけ時間が経っただろう。どんなに時が経っても世界は殺風景のままだった。幾千もの時を重ねたら過去に巻き戻ることができるのであろうか…。
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先生「おい八神ー。起きろ!」
僕「ふっあっ。あっ。すみません。」
先生「次寝たら出て行ってもらうからな」
僕「…。」
先生「わかったか?」
僕「はい。」
人生つまらない。僕の人生は何もかもが上手くいってなかった。この学校に入学してもう3年が経つ。根暗で陰キャな僕は友達もいない、勉強もできない、運動もできないの言ってしまえば負の三段活用を兼ね備えていた。
女子A「今日も八神くん寝てるよ」
女子B「睡眠おばけだよね」
女子A「なにそれウケるんだけどw」
聞こえてないと思っているのだろうか。つまらない話に笑い、周りに同調することが僕はできない。入学当初からそうだった。愛想笑いができない僕は自然と周りから避けられるようになった。あれ?最後に笑ったのはいつだったっけな…。そんなことを考えていたら授業のチャイムが鳴った。
学級委員「起立!礼!着席!」
何故学級委員はあれほど元気なのであろうか。このつまらない世の中で世界にしがみつくことが精一杯な僕は、毎日の生活に覇気を失っていた。何度も自殺だって考えた。それでも僕はいつか幸せになるために生きることをいつも選択していた。幸せになる日なんて来るはずがないのに…。
昼食の時間になった。僕は毎日校舎全体が見えるベンチで一人でご飯を食べている。今日の弁当は青椒肉絲だ。母親にはとても感謝している。こんなにも低スペックな僕のことを想って毎日弁当を作ってくれる。母親は僕が尊敬できる人の一人であった。そして自殺をしない理由つまり心の支えでもあった。
昼食が終わると僕はいつも学校に住み着く野良猫の世話をしていた。猫は素直だ。僕のことを一切卑下しないし悪口も言わない。猫がもし日本語を話せたならば僕は彼らもしくは彼女らと一生暮らす選択をしていただろう。家から持ってきたキャットフードを取り出す。嬉しそうに食べる猫を見て僕は毎日安堵するのであった。誰かの幸せを感じることは僕の人生に色を塗ってくれた。よくリストカットで自分の存在を確認するという話を聞く。他人の幸せが僕のリストカットに当たるものだと自分は考えていた。人間と同様、猫も1日3食必要である。かといって夜にも学校に来ることはできない。それでも僕は知っていた。夜にこの猫に餌をあげている人がいることを。もちろん会ったことも話したこともないが、僕はいつもその人のことを考えていた。どんな人なのだろう。そんなことを考えているうちに午後の授業が始まるチャイムが鳴った。
初投稿です。わからないことだらけなので教えてもらえると光栄です。