４
NO PLOT
NO DRAFT
犬用シャンプーが宙を舞わなかった。
引き分けにさえも成らず、立ち上がる気力が無かったのだ。
火炎、重圧、バックアタック。
その全てを寝技のみで凌ぎきった。
ただ、それもつかの間、再び訪れた垂直方向の衝撃。
すぽーん と宙を舞いました。僕が。
“やれるのか！ オイ！”と聞かれていたならば、
「やられたよ！ ハイ！」と即答できる。光速で。
アレは怪獣かなにか。
すぽーんとしてるうちに再び真っ暗。で、圧殺。
自分の頭蓋の砕ける音が最後。
たぶん、パクっと行かれたんだと思う。
ファンタジー溢れるスキルの並ぶ世界で怪獣は無いだろうと思うかも知れないけど、蝶のように舞い、蜂のように刺す大質量生物。
怪獣の大戦争に巻き込まれてるとしか思えません。
順繰りに思い出してるけど、火炎、重量、背面、圧縮これ全てが一瞬。走馬灯が廻る暇無いもんね。
で、考えたわけ。
こっちに来る前に何とかしようと。
その第１弾があっちで踏ん張らない。
本当は耳のそばから聞こえた骨の砕ける音が強烈過ぎて踏ん張れなかったんだけれども。
まあね、結果から言えばさっきの二の舞。
怪獣が大きなタイヤになっただけ。
なまじっか弾力があるせいか、パンって弾けたと思うよ。僕は黒いタイヤしか見てないけど。
そう、だから宙を舞う犬用シャンプーも呆けたオッサンの顔も見ることはなかった。
「知ってる天井だ」
天井かは判らないけど。
終わりだと思うでしょ。違うんだよね。
やっぱり気が付くとここ。白い部屋。
どれだけあっちで足掻こうともここに来るのは確定事項らしい。
幾つもの平行線を辿ろうがここに収束する。
犬用シャンプーのえんとろぴーとかもう気にしてもどうにも為らない。
――――
――
「とてつもない罪の意識から捧げられた真摯な祈りの力によって現界できるのです。ただし、これまでの世界とは異なる場所、異なる時間に」
やっぱりあのおばちゃんがカギ何だろうな。
犬用シャンプーでも見知らぬオッサンでは無いのは確か。
可聴領域外のサウンドウェーブが未知のエネルギー波にでも成っているとしか思えない。
もう、この白い部屋に頼るしかないかなと。
精神磨り減らす前に色々と試さないとね。
次からは定番モノで行こうと思う。
――
「全て凍てつけ！ 極限氷魔法！ 永久凍「グシャ」」
犬用シャンプーが宙を舞う。
うん。言ってみたかっただけ。
――――
――
「縮地」「縮地」「縮地」「縮「ジュワー」」
犬用シャンプーが宙を舞う。
雨の中を走る変わりに火の中走った感じ。
――――
――
「フハハハハ！ イヒヒハヒ！！」
「ついに見つけたぞ、この膨大なリストの中から！！」
【空間転移】空間をねじ曲げ移動する。ただし、視認できる範囲のみ有効。
いざ！ 尋常に！
柚子湯に浸かって書きました。
語尾もバラバラすいません。
